『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で、2週連続で「インディ・ジョーンズ」シリーズを放送中。10月1日(金)放送のシリーズ3作目「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」の見どころを映画大好き芸人・こがけんが語った。
「インディ・ジョーンズ」シリーズはスティーブン・スピルバーグ監督&ジョージ・ルーカス製作総指揮という夢のタッグで作られたアドベンチャー映画の最高峰。
1989年に公開されたシリーズ第3弾となる「最後の聖戦」は、考古学者のインディ・ジョーンズを演じるハリソン・フォードに加え、彼の父親役に「007」シリーズのショーン・コネリー、若き日のインディ役にリバー・フェニックスと、三世代を代表する名優が登場する。
こがけん コメント
◆この作品の魅力とは?
キリストの聖杯を探すように依頼されたインディが、同じ考古学者の父親と冒険するという物語なんですが、他のシリーズ作品と同様、ハラハラドキドキの冒険活劇の面白さはありつつ、本作はそれだけに終わらない親子モノという側面があるんです。インディの息子としての表情が見られるんです。これは、シリーズの他の作品には見られない魅力です。
しかも、先週も話しましたが、このインディ・ジョーンズシリーズはスピルバーグ監督が大好きな「007」を意識した作品で、スピルバーグ版「007」とも言える作品なんですね、そこに初代ジェームズ・ボンドであるショーン・コネリーが抜擢されてインディの父親を演じるわけです。「007」がなければ、インディ・ジョーンズの存在もなかったと思うと非常に粋で感慨深いキャスティングですね。
◆特に注目のシーンは…?
サイドカー付きのバイクで2人の命を狙うナチスから逃げるシーンですね。
ショーン・コネリー演じるヘンリーはとても堅物で言わばデスクワーク向きの人、一方腕っぷしも強く冒険も得意なインディとは真逆の性格なんです。そのシーンで追っ手を倒した後にはしゃいでる息子の姿を見て、父親のヘンリーは命を助けてもらったにもかかわらず、あきれた顔をして時計を巻くシーンがあるんですが、このシーンは2人の性格の対比と親子関係がにじみ出ててとても面白いですね。
ヘンリーは仕事第一で、インディは子供の時に父親にろくに愛された記憶もなく、父親に対して苦手意識だったり胸にしまった不満があるんですね。実はまさにスピルバーグ自身がそうなんですね。監督の父親は有名な電気技術者なんですが、小さい時に離婚して家を出て行ってしまう。愛されたかった時に愛されていなかったという思いがずっとあったんですね。ヘンリーはまさに監督の父親と重なる存在なわけです。
この作品は、スピルバーグ自身が父親になったことで、そういった心境の変化が投影された作品なんです。父親に対する赦しと和解が裏テーマなんですね。だからこそ、非常に奥行きがあってシリーズ最高傑作と言われる作品なんですね。
作中ヘンリーはインディを“ジュニア”と呼んでいるんです。ですが、あるところで違う名前で呼びます。とてもとても感動的なシーンですね。ぜひ注意深く見てください。
ショーン・コネリーは素晴らしい俳優さんですが、残念ながら昨年亡くなってしまいました。ショーン・コネリーがあるインタビューで自分のキャリアで一番好きな役を聞かれた時に、今作のヘンリーと答えたそうです。シリーズの中でも、とてもとても温かい作品です。
『金曜ロードショー』
日本テレビ系
「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」
2021年10月1日(金)後9・00~11・29
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