12月17日(金)公開の映画「私はいったい、何と闘っているのか」の完成披露上映会が行われ、安田顕、ファーストサマーウイカ、金子大地、伊集院光、李闘士男監督が登壇した。
芸人・役者・作家と多才なジャンルで活躍するつぶやきシローが、2016年に発売した自身の著書「私はいったい、何と闘っているのか」が初の映画化。「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」(18)などのヒット作で知られる奇才・李闘士男が監督を務める。主演の安田と安田と李監督は「妻ふり」以来の再タッグ。本作で安田は、仕事や家族のために七転八倒する中流階級の中年男の日常を切り取った喜劇を体当たりで演じている。
まずは主演の安田より「今日はありがとうございます。観客の皆様で満席、マスコミの皆様もたくさんフラッシュをたいていただければと思います」と安田節であいさつ。会場には安田が演じた主人公・春男が勤めるスーパーウメヤのメンバーが集結。本日だけの“スーパーウメヤ”新宿店“仮設オープンも兼ねて、祝いの花輪が並べられた。
李監督は2度目となる安田とのタッグについて「春男は頑張れば頑張るほど、空回りしてしまう。そんな頑張れば頑張るほど、カッコよく見えない人がいいなと思ったんです」とコメントすると、会場からは笑いが。李監督は慌てて「その様がチャーミングに見える方は誰かと考えた時に安田さんがいるじゃないか! と思ってオファーしたんです」とフォローした。
安田は「非常にありがたいお言葉。私は面白いことを言おうとして言えるタイプじゃない。結果的に面白くなっちゃったので、なんとなくやってきた人間なんですよ。よく気づいてくださいましたね」と李監督との絆を感じさせた。
続いて共演者の印象について聞かれた安田は、金子について「とにかくギャップがすごい。イケメンだけでご飯を食べていない。役者の幅が広い。役に取り組む姿勢で出来上がったキャラクターが劇中にもふんだんに出てくる。非常に目立ちます」とその存在感を称賛。
「役者としての共演は初めて」という伊集院については「すごく短い時間での参加だったんですが、演じられた役柄が作中の根底に流れているんです。“単価”が良かったですね」と独特な表現で共演を振り返った。それを受けて伊集院も「本当に得したな! と思いました。しかも参加させていただいた撮影日が(1年前の)今日(10月25日)なんです」と明かすと周りからも驚きの声が。また「圧巻のダンスシーンにもぜひご注目ください!」と架空の注目シーンを挙げて、笑いを誘った。
ウイカとの初共演について安田は、ウイカがパーソナリティを務めるラジオ番組『オールナイトニッポン0』(ニッポン放送)に生電話したエピソードを明かし「それもあって初めてな感じがしなかった。お歌だったり、タレント活動だったり多彩でいらっしゃいますが、バックボーンに役者さんがあるので、初共演な気がしなかった」とコメント。ウイカは撮影中のエピソードについて「実際のスーパーで撮影していて、バックヤードも小汚くて、ごめんなさい! 小汚いとか言って! リアルってことです!」と持ち前のトーク力で会場を盛り上げた。
金子が演じた“金子”は主人公・春男を慕う、やる気ほとばしる熱血キャラ。李監督からの演出指示について聞かれると「松岡修造さんくらい熱い男を演じてほしいと言われました。初めての経験でしたが、思い切ってできました。そしてそんなキャラがいてもおかしくない世界観だなと思いました」と演出の裏話を披露。作中で自身と一番近い役どころは誰かと問われると「春男ですかね。人に気を使いますし、それが思いやりとしてあるけど、ズレちゃいますね」と素の一面を明かした。
作中で春男が機転を利かせて切り抜けたピンチにちなみ、“最近パニックになった出来事”について問われると、安田は「今作の演出で本当にお酒を飲んだシーンがあります。監督の粋な計らいでした」と撮影中のエピソードを披露。すると伊集院は「このイベント前の出来事なんですが、主演の安田さんがイベントの想定質問を誰よりも真剣に見てたんですよ。他のみんなはリラックスしてたのにパニクっちゃって、と思ったら、本番は誰よりも普通に話してるんですよ!」と暴露。安田は「やり直しきかないと思ったら、緊張しちゃって(笑)」と繊細な一面も見せた。
最後に安田が「もし時間があれば、もちろんマスクを付けてですが、映画を見た後にお店で食べ物を食べたり、一杯二杯飲んだりといった、そんなささやかな日常が皆さまに訪れるといいなと思います」と語り、イベントを締めくくった。
作品情報
「私はいったい、何と闘っているのか」
2021年12月17日(金)公開
配給:日活・東京テアトル
©2021 つぶやきシロ―・ホリプロ・小学館/闘う製作委員会