奥平大兼が「マイスモールランド」(2022年初夏公開)で、「MOTEHR マザー」以来となる映画出演を果たすことが分かった。
本作は、是枝裕和が率い、西川美和が所属する映像制作者集団「分福」所属の若手監督・川和田恵真の商業映画監督デビュー作。クルド人の家族とともに生まれた地を離れ、幼いころから日本で育った17歳のサーリャ(嵐莉菜)。同世代の日本人と変わらない、ごく一般的な高校生活を送っていたが、あるきっかけで在留資格を失い、家族の日常が一変する。彼女が、日本人の少年との出会いをきっかけにアイデンティティに葛藤し、成長していく物語が描かれる。
演技未経験で数百人の応募者の中からメインキャストの周平役に抜擢された「MOTHER マザー」で俳優デビューしてから、 今年の第44回日本アカデミー賞新人俳優賞、第94 回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第63回ブルーリボン賞新人賞、第30回日本映画批評家大賞新人男優賞など多くの新人俳優賞を受賞し注目を集めた奥平。本作もオーディションで選ばれての参加となる。
「MOTHER マザー」から2年ぶりの映画となった今回の撮影について、「(俳優として)映画からはじまったという気持ちはあるので、その現場に2年ぶりに戻ってきたということで新鮮な気持ちになりました」とコメント。
また、作品については「クルドの方々の問題は、この脚本をいただくまで知らなかったです。撮影前に勉強はしないように監督から言われていたのですが、難民の問題については、ニュースから聞こえてくる遠い国のお話だと思っていましたが、日本でもこんなことがあるんだと、急に身近なこととして考えられるようになりました」と語った。
一方、川和田監督は奥平の起用について「奥平くんとは、オーディションで出会いました。お芝居を見させていただき、まだ青年になりきらない、途上にいる姿が今回の聡太という役柄そのものでした。(奥平くんが)部屋を出る前にはもう、お願いしたいと心が決まっていました」と明かしている。
さらに今回、ポスタービジュアルも解禁。この日本に居ても、立場によって越えられない国境が生まれることを表現し、高校生の淡い恋心が、社会によって分断される切なさを伝えるものになっている。ポスターに表記されているテキスト「Welatê min ê biçûk」は「マイスモールランド」のクルド語表記だ。
奥平大兼 コメント
◆本作の出演について
映画からはじまったという気持ちはあるので、その現場に2年ぶりに戻ってきたということで新鮮な気持ちになりました。久しぶりの映画の現場で、クランクインの時は迷いがありました。『MOTHER マザー』の時は、何もわかっていなかったので、OKがかかると、ただ嬉しかったのですが、ドラマなどいろんな現場を経験したことで、自分の中で考え過ぎてしまったところがあって。でも現場で川和田監督とたくさんお話しして、監督が表現したいことをお聞きし理解することができたので、撮影が進んでいく中で、聡太として生きることができたと思います。撮影前に監督とお話したことなど、僕の趣味などを脚本に反映していただくこともあって、最後のほうは演じているのかわからなくなる瞬間もありました。
◆主演の嵐さんについて
僕がこんなことを言うのもおこがましいですが、本番になると顔が変わります。初めての演技で、これだけオンオフ切り替えられるなんて凄いなと思いました。
◆作品の題材について
クルドの方々の問題は、この脚本をいただくまで知らなかったです。撮影前に勉強はしないように監督から言われていたのですが、難民の問題については、ニュースから聞こえてくる遠い国のお話だと思っていましたが、日本でもこんなことがあるんだと、急に身近なこととして考えられるようになりました。
川和田恵真 コメント
奥平くんとは、オーディションで出会いました。お芝居を見させていただき、まだ青年になりきらない、途上にいる姿が今回の聡太という役柄そのものでした。部屋を出る前にはもう、お願いしたいと心が決まっていました。撮影前から何度かお会いして、彼自身の物事をフラットに捉える視点や、自由に伸び伸びとした姿にも触発され、さらに脚本の内容も膨らみました。現場でも、とてもひたむきで、いつもお芝居のことを考えていた姿が心に残っています。不器用ながらも真っ直ぐな聡太という人間を、等身大で体現しきってくれたことに、とても救われました。今、この時、奥平くんを撮ることができて大変光栄です。
作品情報
「マイスモールランド」
2022年公開予定
監督・脚本:川和田恵真
主演:嵐莉菜、奥平大兼
企画協力:分福
制作プロダクション:AOI Pro.
共同制作:NHK FILM-IN-EVOLUTION(日仏共同制作)
配給:バンダイナムコアーツ
©2022「マイスモールランド」製作委員会