今井翼「またいつか学生服を着てお芝居ができたら」映画「彼女が好きなものは」舞台あいさつ

映画
2021年11月30日
©2021「彼女が好きなものは」製作委員会
左から)草野翔吾監督、山田杏奈、神尾楓珠、今井翼

12月3日(金)公開の映画「彼女が好きなものは」の先行上映舞台あいさつが行われ、神尾楓珠、山田杏奈、今井翼、草野翔吾監督が登壇した。

ゲイであることを隠しながら生活する男子高校生とBL好きの女子同級生との恋愛を通じ、世間にはびこる“ふつう”という価値観とのギャップに向き合う男女の姿を描いた映画「彼女が好きなものは」。

原作は、小説家・浅原ナオトの「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫刊)で、Web小説サイト「カクヨム」で話題となり、2018年2月に書籍化。2019年4月には、NHKで『腐女子、うっかりゲイに告る。』のタイトルでドラマ化もされた。

今回の映画で主人公の安藤純を演じるのは、神尾楓珠。純に恋をする女子高校生の三浦紗枝役は、山田杏奈が演じる。さらに、純の幼なじみの高岡亮平役に前田旺志郎、クラスのリーダー的存在の小野雄介役に三浦獠太。そして、純の恋人の佐々木誠を今井翼が演じる。

この度、全国公開を前に先行上映イベントを実施。神尾、山田、今井、草野監督が登壇し、お互いの印象や撮影エピソードのほかキャスト3人が一堂に会したシーンでの苦労話などを語った。

「異性を愛したい」「家庭を築きたい」。世間で“ふつう”と言われる幸せを手にしたいと願いながらも、自分らしさとの狭間で葛藤する安藤純を繊細に演じた神尾。「僕自身には経験のないことなので、純の抱える葛藤などが掴みにくく難しいところもあったけれど、世間の目と自分の考えをすり合わせて純の悩みや葛藤と向き合っていきました」と撮影を回想する。

©2021「彼女が好きなものは」製作委員会
山田杏奈

純に恋をする女子高校生を演じた山田は「自分の好きなものが言えないところは純と共通する点。本当の自分をさらけ出すのは難しいことだけれど、その中で周りの人と共に生きていくのにはどうしたらいいのかを考えながら演じました」と役作りを振り返った。

純の恋人・佐々木誠役の今井は「僕自身にとって、このような役柄は初めて。同性を愛しているからと言って閉鎖的に過ごさなければいけないということはないと思います。同性を愛することは特別なことではありません、純には包容力をもって接しようと思いました」と演じる上での心構えを明かす。

印象的なシーンを問われると、今井は温泉デートのシーンで、純と誠が一緒にいるところを紗枝に目撃される場面を挙げた。紗枝から投げられたヨーヨーが破れて神尾、今井が水を浴びるというシーンでは「きちんと命中させないと衣装を乾かして一やり直さなければいけないので、実は一発勝負の撮影だったんです」と。

「内心ドキドキしていましたし、投げられることを分かっているふうに見えてはいけないので、ビンタされる芝居と同じ要領で平静を装いながらやっていました」と苦労もあった模様だ。

また神尾とのラブシーンについては「女性とのラブシーンもそうですが、(神尾演じる)純がいちばん美しく見えるように心掛けて演じました。楓珠君は、若いのにとてもしっかりしている素敵な俳優さん、安心して演じることができました」と一回り以上年下の神尾に全幅の信頼を寄せていた。

©2021「彼女が好きなものは」製作委員会
神尾楓珠

いっぽう、神尾は誠との別れのシーンでラムネが噴き出す箇所を挙げる。「実際はラムネがこぼれる予定ではなかったけれど、いざ本番でやってみたらラムネがこぼれたんです。それを今井さんがとっさにハンカチを出して芝居でカバーしてくれたときは、誠さんの優しさに触れて泣きそうになりました。あのシーンを思い出すと今でも泣きそうになる」と、今井のアドリブに感動したという。

今井も「2人の最後の時間の中で、自然とそういう演技になりました。撮影を重ねる中で生まれたコミュニケーションがそういうところに出たのかもしれないです」と心境を解説する。草野監督も今井のアドリブに「今までの純と誠の関係性がギュッと見えた気がした、とてもいいシーンですよね!」と興奮気味に称賛。

また、神尾について「巷では僕の若い頃の顔と(神尾君の)系統が似ていると言ってくれる人がいるみたいで、ありがたいんですよ」と語った今井。それに対して、神尾も「こちらこそですよ!」と恐縮しつつ、「僕ら2人のシーンは濃い顔と濃い顔で迫力のあるシーンになっています」と会場を笑わせた。

さらに神尾は「今井さんが初日の日に『初日は緊張するなぁ』と僕に声をかけてくれました。僕らの目線の高さに合わせてくださり、僕の緊張をほどいてくれました。純としてしっかり対峙できたのは、今井さんのお人柄のおかげです」と感謝を述べる。

最後に今井は「完成した作品を観た時に、高校生たちの透き通った美しさが画になっていると思います。自分も40にはなったけれども、またいつか学生服を着てお芝居ができたら(笑)」と学生役に意気込みを。すかさず神尾が「それは監督にお願いしてください!」と草野監督に話を振ると、草野監督も「おおお!」と満更ではなさそうな反応を見せていた。

©2021「彼女が好きなものは」製作委員会
今井翼

イベント概要

映画「彼女が好きなものは」先行上映舞台あいさつ
2021年11月26日(金)TOHOシネマズ日比谷 スクリーン12

登壇者:神尾楓珠、山田杏奈、今井翼、草野翔吾監督

作品情報

「彼女が好きなものは」
2021年12月3日(金)公開

※2021年11月26日より【東京】TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ新宿、
【大阪】TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズセブンパーク天美で先行上映中

監督・脚本:草野翔吾
原作:浅原ナオト「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫刊)
出演:神尾楓珠、山田杏奈、前田旺志郎、三浦獠太、渡辺大知、三浦透子、磯村勇斗、山口紗弥加/今井翼

公式サイト:https://kanosuki.jp

この記事の写真

©2021「彼女が好きなものは」製作委員会

下記の「CTAボタン」を設定することで、ユーザーがスマートフォンで記事詳細ページを開いた際に「続きを読む」の下に「CTAボタン」を2つ追加できます。上段「CTAボタン」に設定したものは上に表示、下段「CTAボタン」に設定したものは下に表示されます。
2025冬ドラマ最新情報まとめ2024→2025 年末年始・お正月特番一覧