間宮祥太朗主演で島崎藤村の名作「破戒」を60年ぶりに映画化

映画
2022年02月16日
©全国水平社創立100周年記念映画製作委員会
©全国水平社創立100周年記念映画製作委員会

島崎藤村の名作「破戒」が60年ぶりに映画化されることが決定。主演の丑松役を間宮祥太朗が演じることが分かった。

1948年に木下恵介監督、1962年に市川崑監督と名だたる巨匠が映画化してきた、島崎藤村・不朽の名作「破戒」。このたび、60年ぶりに映画化されることになった。

自らの出自に苦悩しつつも、最後にはある決断をする主人公・丑松という難役に挑戦するのは、間宮祥太朗。相手役・志保を演じるのは、石井杏奈。丑松に恋心を寄せつつも、なかなか思いを告げられない慎ましい女性を演じる。悩める丑松を支える親友・銀之助役には、矢本悠馬。さらに、眞島秀和、高橋和也、竹中直人、本田博太郎、田中要次、石橋蓮司、大東駿介、小林綾子など、名優たちが顔をそろえる。

監督は、椎名桔平主演の映画「発熱天使」(高崎映画祭招待作品)や、キネマ旬報「文化映画部門」ベストテン7位の「みみをすます」(教育映画祭最優秀賞・文部科学大臣賞)を監督した前田和男。

脚本は、「クライマーズ・ハイ」「孤高のメス」「ふしぎな岬の物語」で日本アカデミー賞優秀脚本賞のほか、数々の受賞歴を誇る巨匠・加藤正人と、「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」で第58回毎日映画コンクール脚本賞を受賞した木田紀生が担当し、100年以上も前の原作を現代に蘇らせる。

制作は東映京都撮影所が担当し、明治後期の時代を違和感なく高い次元で映像化。かつての名作を2022年、現代最高レベルのキャスト、スタッフで映画化する。

今回解禁されたティザービジュアルでは、「誰にも心を許してはならない。」というキャッチコピーが添えられ、間宮演じる主人公・丑松が、自らの出自を誰にも言えずひた隠しにしている姿を切り取っている。

間宮祥太朗 コメント

映画「破戒」で瀬川丑松役を演じます。島崎藤村氏の小説はこの話を頂いてから読みました。
戒めを破ると書いて破戒、シンプルで確固とした主張を抱いた題名。情景や風景、その場のあらゆることが繊細な描写で表現されていて、肌で知ることのできない時代の物語が目の前に表れるようでした。
そして作品の中枢の部分にぶっとく流れる強い激情。今このコメントを書いている最中も何と言葉にしていいか分からずにいます。しかし一方で言葉を探す作業こそ重要なのだとも思っています。他人に見えず自分の中だけにある感情を探す事に繋がっている気がします。この映画も、言葉で語りづらいものになっていれば、そして観客の皆さん一人一人が自分の言葉や感情を探してくれればと願っています。真夏の京都での撮影は静かに着々と進みました。
映画「破戒」よろしくお願いいたします。

監督・前田和男 コメント

間宮祥太朗は違う次元に⾏ってしまった。
原作における主人公・瀬川丑松は、苦悩と葛藤にまみれた複雑なキャラクターである。
ところが、間宮祥太朗は深く静かに丑松になりきり、信じられないほどの軽みと透明な人物をそこに生み出した。
映画のDNAの本質は、何かを「じっと⾒つめる」ことにある。
「静か」「透明」……それこそ映画が映画であるための本質である。間宮祥太朗はそこに到達した。
役者が演じている顔(気持ちから導き出された演技)とは違う次元に行ってしまったのだ。
それは映画開始早々1分30秒で登場する間宮祥太朗=瀬川丑松を見れば一目瞭然だろう。その恐ろしいほどの美しさに、撮っていた私は鳥肌がたった。

脚本・加藤正人 コメント

島崎藤村の「破戒」は、1948年に木下恵介監督、1962年に市川崑監督によって映画化されている。いずれも⽇本映画史に残る名作だ。
「破戒」は、差別に対する悲憤を描いた小説だ。出版されて110年以上の時が流れた現在も、未だに部落差別は社会に残っている。
それどころか、外国人やマイノリティに対する新しい差別も生まれている。人間の心から消えない差別意識というものを常に意識しながら、現代にも通じる「破戒」にしたいという想いでこの脚本を書いた。
主人公の瀬川丑松は、過去の作品で、池部良、市川雷蔵といった名優によって演じられたが、今回この難役に挑戦してくれた間宮祥太朗君には深く感謝している。

作品情報

映画「破戒」
2022年7月8日(金)より、丸の内TOEIほか全国公開

キャスト:間宮祥太朗、石井杏奈、矢本悠馬、高橋和也、小林綾子、七瀬公、ウーイェイよしたか(スマイル)、大東駿介、竹中直人/本田博太郎/田中要次、石橋蓮司、眞島秀和

原作:島崎藤村『破戒』
脚本:加藤正人/木田紀生
監督:前田和男
音楽:かみむら周平

企画・製作:全国水平社創立100周年記念映画製作委員会
制作:東映株式会社
制作協力・配給/宣伝:東映ビデオ株式会社
制作プロダクション:東映株式会社京都撮影所

公式ウェブサイト:http://hakai-movie.com/

©全国水平社創立100周年記念映画製作委員会

下記の「CTAボタン」を設定することで、ユーザーがスマートフォンで記事詳細ページを開いた際に「続きを読む」の下に「CTAボタン」を2つ追加できます。上段「CTAボタン」に設定したものは上に表示、下段「CTAボタン」に設定したものは下に表示されます。
2025冬ドラマ最新情報まとめ2024→2025 年末年始・お正月特番一覧