主演・阿部サダヲ×監督・水田伸生で送る映画「アイ・アム まきもと」が2022年9月に公開されることが決定した。
本作は、市役所の「おみおくり係」に務める<ちょっと迷惑な男>牧本壮の”迷惑”がいつしか”無垢な気持ち”として、周囲と自らに影響を与えていくヒューマンストーリー。第70回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門で監督賞を含む4賞を受賞したウベルト・パゾリーニ監督・脚本の“STILL LIFE”をベースに、本作オリジナルの新たな主人公像として、阿部演じる強烈にユニークでオフビートなコミカルさが魅力のキャラクター“まきもと”を造形し「アイ・アム まきもと」として生まれ変わる。
空気が読めない、人の話を聞かない、誰にも心を開かない。そんな牧本が孤独に亡くなった人を独自のルールに従いおみおくりしていく中、さまざまな人々と出会い、少し煙たがられながらも彼らの心に変化をもたらしていく。そしてそんな人々と触れ合う中で、牧本自身の無味な人生も彩られていく。
監督は映画「舞妓Haaaan!!!」「謝罪の王様」「あやしい彼女」や、ドラマ『ゆとりですがなにか』『獣になれない私たち』などの話題作を手掛けてきた水田伸生。脚本は、岸田國士戯曲賞受賞の劇作家で、昨今はNHK『LIFE!~人生に捧げるコント~』など映像作品に活躍の場を広げている倉持裕が担当。皮肉が効いていてユーモアに富んだせりふと登場人物への優しいまなざしが同居する、ファンタジックな物語を丁寧に紡ぎ上げる。
主人公・牧本壮を演じるのは、水田監督が手掛けてきた「舞妓Haaaan!!!」「なくもんか」「謝罪の王様」に続き、4度目のタッグとなる阿部サダヲ。身寄りがなく亡くなった方を無縁墓地に弔う、小さな市役所の「おみおくり係」という役どころを超然としたたたずまいで演じる。
これまで、唯一無二の存在感を放ち、シリアスな役から振り切ったコミカルな役柄まで幅広く演じてきたが、本作ではユニークな言動と行動でちょっと迷惑な存在でありながら、なぜか応援したくなる牧本を好演している。
阿部は「台本を読んでとっても温かい気持ちになりました。おみおくり係の牧本壮という、なんともいとおしいキャラクター。もう少し長く牧本をやっていたかったなぁ、と思いつつ撮影を終えたのを覚えています。牧本に関わるすてきなキャストの方々とロケ地(山形)の風景。久しぶりの水田組。癒やされました。ご覧になるお客様に、牧本壮の真っすぐ過ぎて少し迷惑かも? と思える生き様を見て、和んでいただきたいです」とコメント。
水田監督は阿部演じる牧本の魅力について「主人公『まきもと』に友人はいませんが、他者を憂うことができ、その気持ちを行動に移せる人間なのです。経済が幸せの指標とされて以来、『利己主義』な思考や行動が目立つ情けない世の中ですが…人間の持つ『美徳』が他者を敬い、尊重する『利他主義』だとすると『まきもと』こそ『美徳』の持ち主です」と話し、本作への自信を覗かせている。