寺島しのぶ、豊川悦司がW主演、広末涼子が共演する映画「あちらにいる鬼」が、11月に全国公開されることが決定した。
原作は作家・井上荒野が、父である作家・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴の3人をモデルに創作した「あちらにいる鬼」。直木賞、柴田錬三郎賞、織田作之助賞などさまざまな文学賞を受賞してきた井上が、彼女にとってもっとも身近な人々である父と母、そして父と長年にわたり男女の仲だった瀬戸内の関係をモデルに、2人の女性の視点から、彼女たちの長きにわたる関係と心模様の変化を深く掘り下げ大きな反響を呼んだ。
W主演を務めるのは、寺島しのぶと豊川悦司。寺島が演じるのは、瀬戸内寂聴をモデルにした人気作家・長内みはる。豊川が演じるのは井上光晴をモデルとした作家・白木篤郎。共演の広末涼子が篤郎の妻・笙子を演じる。
監督は廣木隆一、脚本は荒井晴彦。寺島と豊川は廣木監督・荒井脚本の「やわらかい生活」(2006年)で初共演を果たして以降「愛の流刑地」(2007年)、「劇場版 アーヤと魔女」(2021年)など何度も共演している。傑作小説が、数々の映画賞を受賞してきた日本を代表する俳優・スタッフで映画化される。なお、生前、映画化の報を聞いた瀬戸内はとても楽しみにしていたという。
寺島しのぶ コメント
何度も撮影が延長され半ば諦めかけていたのですがやっとインできそうです。
そうこうしているうちに私の歳も寂聴さんが得度式をされた歳と同じになりました。
井上荒野様からも心強いお手紙を頂きました。これを宝物に最も信頼している荒井晴彦さんや廣木監督とまた作品作りができること、豊川さんとまたお芝居できることに胸が弾み広末さんとも不思議な関係性が築けそうです。今から崖の下をチラチラ見ては躊躇して、いずれ捨て身で飛び込もうとしている自分を鼓舞している毎日です。
豊川悦司 コメント
男にも女にも家庭があって、それでも磁石のようにひきつけあって、どうしようもなく、あがくすべもなく、ただ相手を見据えて、しがみついていく2人。しがみつく2人にしがみつく家族。
スキャンダルという理由は、彼らが文化人であったというだけのこと。
寺島しのぶと、男と女、それだけを演じてみたい。
広末涼子 コメント
とても大人な台本に、果たして私がついて行けるか?いまだ不安なまま撮影開始となりそうですが、間違いなく魅力的な寺島さんと豊川さんの御姿がおのずと私をも導いてくださる予感がしております。
撮影の日を楽しみに精いっぱい頑張ります。よろしくお願いいたします。
監督:廣木隆一 コメント
物語を語ることでしか存在できない男をめぐって女は現実を生きる。いや男と女というよりも同じ時間を過ごした大人たちのラブストーリーを、このキャストで演出することに何か不思議な感じがしてワクワクします。どこまでが虚でどこまでが創作なのか。
原作者の目を通して描いた彼らの関係を映画化できることに感謝します。
ぜひ鬼の正体を劇場で確認してください。
作品情報
映画「あちらにいる鬼」
2022年11月全国公開
出演:寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子
監督:廣木隆一
脚本:荒井晴彦
原作:井上荒野「あちらにいる鬼」(朝日文庫)
製作:「あちらにいる鬼」製作委員会
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
企画・制作:ホリプロ
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
公式HP:happinet-phantom.com/achira-oni
公式Twitter:@achira_oni
ストーリー
人気作家の長内みはる(寺島しのぶ)は、講演旅行をきっかけに戦後派を代表する作家・白木篤郎(豊川悦司)と男女の関係になる。一方、白木の妻である笙子(広末涼子)は、夫の手あたり次第とも言える女性との関係を黙認、夫婦として平穏な生活を保っていた。だが、みはるにとって白木は肉体の関係だけに終わらず、〈書くこと〉によるつながりを深めることで、かけがえのない存在となっていく。2人のあいだを行き来する白木だが、度を越した女性との交わりは止まることがない。
白木を通じて響き合う2人は、どこにたどりつくのか――。
©2022「あちらにいる鬼」製作委員会