映画「ラーゲリより愛を込めて」の完成報告会見が8月17日(水)に行われ、主演を務める二宮和也をはじめ、北川景子、松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕、瀬々敬久監督、平野隆プロデューサーが登壇した。
本作は、辺見じゅん原作のノンフィクション小説「収容所から来た遺書」を映画化。第二次世界大戦終了後、60万人を超える日本人がシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に不当に抑留され捕虜となり、残酷な日々に誰もが絶望する状況下において、ただ一人生きることへの希望を捨てなかった人物・山本幡男の壮絶な半生を描く。
自身もラーゲリに身を置き、わずかな食糧で過酷な労働を強いられていたが、仲間思いの行動とその力強い信念で多くの捕虜たちの心に希望の火を灯した主人公・山本幡男を二宮和也、時代に翻弄されながらも愛する夫を信じて待ち続ける山本の妻・モジミを北川景子が演じる。
会見では、これまで未解禁だった山本と共に極限のラーゲリを生き抜く捕虜仲間を熱演したキャストが一挙発表された。戦禍で友人を亡くしたトラウマから自身を「卑怯者」と思い悩む松田研三を松坂桃李、最年少でムードメーカーの新谷健雄を中島健人、昔ながらの帝国軍人として山本に厳しく当たる相沢光男を桐谷健太、過酷な状況下で心を閉ざしてしまう山本の同郷の先輩・原幸彦を安田顕が演じる。
作品へのオファーについて、二宮は「僕は出演が決まったときは嵐の活動の最中だったので、それが落ち着いてから参加させていただければとお願いしたところ、快く引き受けてくださって参加することができました」と振り返った。
会見前日に完成した本作を見たという北川は、「皆さんが知恵を絞ったり、力を合わせて何とか困難な状況を切り抜けようとする姿を見て、『人間って本来こういう力があるはずなんだよな』ということを思いました。昔の人たちってすごいなというのを感じて、見終わった後に自分も頑張ってみようと思いました」と感想を述べた。
撮影について二宮は、一番過酷だと感じた野球をするシーンを挙げ、「撮影の前の日に大雪になるという予報が出ていて、朝に収容所チームが駆り出されて、お芝居をする前にみんなでそこの雪をどかすっていう仕事が始まったんですよ。撮影するために始まった仕事だったんですけど、僕はそれをやりたくなくて、ギリギリまで部屋の端っこでいないふりしてました(笑)」と告白。それに対し桐谷は、「俺は結構ちゃんとやったからね!」と不満げな様子。中島は「みんな『二宮先輩どこかな?』って探してました(笑)」と続けた。
松坂は、逆に雪が降って良かったというエピソードを披露。「もともと雪が降ってない設定のシーンがあったんですけど、撮影当日にものすごく雪が積もっちゃったシーンがあって。でも、撮影はしなきゃいけないということで、そのシーンを雪が積もった状態で撮影したんです。それが逆に良かった。お芝居としても感情が入りやすい環境になってました。天気が味方してくれて、良いシーンになりました」と語った。
中島は人生で初めてふんどしを履いたという極寒の中での撮影を振り返り、「瀬々さんもいるし、二宮大先輩もいるし負けらんないなと思って、待ち時間にロケジャン着るのやめたんですよ。ずっと裸で『俺は強いんだ!』ってアピールをしたんですけど、監督にすぐ『着ろ!』って怒られました(笑)」と明かした。
さらに、二宮とのやりとりでは、「僕が『二宮君、寒いんでロケジャン着てください!』って言ったら『後輩がこんなに寒がってるのに、俺は絶対にロケジャンを着ることはない』って言ってて。裏でもめちゃめちゃ映画スターで本当にかっこいいなと思いました」と先輩の対応を絶賛した。
撮影中のほっこりエピソードを聞かれた安田は、「撮影期間中に誕生日を迎えたんですけど、誕生日の数日後に中島さんと桐谷さんと松坂さんが僕がいないところでケーキを買ってくれて、ハッピーバースデーを歌ってくださって。それはすごく思い出に残ってます。あと、中島さんがクリスマスに一人ひとりにちょっとしたプレゼントをくれたときには『めっちゃセクシーだな』と思いました」と明かすと、中島は、「少し華を添えただけです。ちょっとでもクリスマスが楽しくなればいいなと思ったので」とコメントし、エピソードを披露した安田に対し「セクシーサンキュー!」と感謝した。
また、会見では同作の主題歌を3人組バンド・Mrs. GREEN APPLEが務めることが発表された。まだ楽曲を聞いていないという二宮は、「彼らがこの映画の物語を見て、どういうメロディーが思い浮かんで、どういう言葉でそれを我々に伝えたかったのかっていうことが聞けると思うので、最後まで見ていただいて、聞いていただきたいです」と期待を寄せた。
作品情報
「ラーゲリより愛を込めて」
2022年12月9日(金)全国東宝系にて公開
キャスト:二宮和也、北川景子、松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕 ほか
原作:「収容所から来た遺書」辺見じゅん(文春文庫刊)
監督:瀬々敬久
企画・プロデュース:平野隆
脚本:林民夫
プロデューサー:下田淳行、刀根鉄太、辻本珠子
音楽:小瀬村晶
主題歌:「Soranji」Mrs. GREEN APPLE(ユニバーサルミュージック/EMI Records)
配給:東宝
©2022映画「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会