高橋一生主演、飯豊まりえ共演の映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」が、5月26日(金)に公開されることが決定し、ティザービジュアル、超特報映像が解禁された。
原作は、シリーズ累計発行部数1億2千万部超を誇る荒木飛呂彦の大人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」から生まれた傑作スピンオフ「岸辺露伴は動かない」。相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた人気マンガ家・岸辺露伴が遭遇する奇怪な事件に立ち向かう姿を描く。
高橋一生を主演に迎えドラマ化された同作は、2020年12月に第1期(第1~3話)、2021年12月に第2期(第4~6話)、2022年12月に第3期(第7~8話)が放送され、初回放送のトレンド1位を皮切りに、放送のたびに連日上位入りを果たし、「実写化の理想系」「完成度が高すぎる」などそのクオリティを多くの原作ファンから絶賛の声が寄せられた。さらに一話完結型の構造が功を奏し、人気は原作ファンに留まらずドラマファンにも大きな反響を呼び、ギャラクシー賞テレビ部門2021年1月度月間賞を受賞。2022年12月から世界配信がスタートしたAmazon prime videoでも高い人気を誇っている。
このたびドラマシリーズの制作陣が再集結し、劇場長編映画化が決定。原作は「岸辺露伴は動かない」のエピソードの一つで、2009年にフランス・ルーヴル美術館による国内外の漫画家とのコラボレーション企画「バンド・デシネプロジェクト」のために描き下ろされた荒木飛呂彦初となるフルカラーの読切作品「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」。古今東西の美が集結したルーヴルに、日本の漫画家として初めて作品が展示されたことでも注目を集めた。
物語は、美の殿堂・ルーヴルを舞台に展開される「この世で最も黒く、邪悪な絵」の謎を追う極上のサスペンス。これまでの「動かない」実写化シリーズでは描かれることのなかった、露伴の知られざるルーツが明らかになるほか、独立した物語という基本構造はそのままで原作やドラマを知らない人でも楽しめる造りとなっている。
好奇心にあふれ、リアリティを何よりも重んじる漫画家の岸辺露伴を演じるのは、ドラマからの続役となる高橋一生。近年は第45回菊田一夫演劇賞、第29回読売演劇大賞最優秀男優賞と、名だたる演劇賞を続けて受賞している高橋が、自らも原作のファンで、露伴の言動が自身の人生観に影響を与えていることを公言するほど思い入れのある役を、多様なアプローチで熱演する。
そんな露伴の担当編集者であり、バディ的な立ち位置で絶妙な掛け合いを魅せる泉京香役は、同じくドラマからの続役となる飯豊まりえ。気難しい露伴とは対照的な、ちょっと天然でマイペース、遠慮がないけどどこか憎めないキャラクターを魅力的に演じている。
スタッフもドラマの面々が続投。監督を手掛けるのは、大河ドラマ『おんな城主直虎』(2017)やドラマ『雪国-SNOW COUNTRY-』(2022)などで高橋と組んできた渡辺一貴。脚本をアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの脚本も手掛けた小林靖子、音楽を菊地成孔/新音楽制作工房、人物デザイン監修・衣装デザインを柘植伊佐夫が担当する。
昨年の秋から始まった日本国内での撮影は終了し、現在はフランス・パリでの撮影を継続中。ルーヴル美術館をはじめ、ポン・デ・ザール(芸術橋)、シャンゼリゼ通り、エトワール凱旋門、アレクサンドル3世橋、カルーゼル広場など名だたる名所での大規模ロケを敢行。「モナ・リザ」が所蔵されていることで有名なルーヴルだが、映画の撮影許可が下りるのは異例で、日本映画では2014年に公開された「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」以来2作目となる。
公開されたティザービジュアルには、本編撮影の合間にパリで撮り下ろした写真を使用。パリの街並みに佇む高橋演じる露伴の横顔が切り取られ、「“この世で最も黒く、邪悪な絵”の謎を追い、美の殿堂へー」という言葉が添えられている。
さらに冒頭から「恐ろしいことが起こるかもしれない。」「ヤバイ…。そしてゾクゾクするッ!」「なぜルーヴルの地下倉庫に…」など謎めいたせりふが押し寄せる超特報映像も解禁に。次の取材先がルーヴル美術館に決まったことを告げる露伴と担当編集である泉の場面では、おなじみの掛け合いも健在。ルーヴルを舞台に展開される、観る者を深淵なる世界へと誘うサスペンスの幕開けを予感させる映像となっている。出演者、スタッフのコメントは以下掲載。
高橋一生(岸辺露伴役)コメント
岸辺露伴という人間を演じさせていただいてから、3年目に入りました。劇場版や映画版と銘打たない今作においても、岸辺露伴を演じ続けさせていただけていることは、僕の人生にとって非常に特異な出来事です。
今はパリの現場でこの情報解禁コメントを書いています。周りにはドラマの第一期から岸辺露伴を作ってきた素晴らしい日本のチームがいます。そこに日本の映画チーム、加えてここ数日は極めてプロフェッショナルで真摯な、これまで第一期二期三期を共に作ってきたかと錯覚するようなフランス現地のチームが合流し、唯一の作品が出来上がっていくのを目の当たりにしています。
第一期の撮影時、演出の一貴さんと、あくまで夢の話として「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の話をしていました。いつか実際に、パリで撮影ができたら、と。そして今、パリ市街の石畳の上、露伴として立っている自分に違和感を覚えていないのは、間違いなく、卓越したスタッフワークに支えられているからだと思います。異国においてもこれまでと何も変わらずに露伴でいられることを、心から感謝しています。
今撮影しているフランスパートだけではなく、既に撮影を終えている日本パートも作品全体の重要な部分を担っています。ジョジョの全作品においても大事な要素である血脈、受け継がれるもの、過去、が今作においても語られます。それらと向き合うことは、今自分が存在していることにつながります。時間は誰にとっても優しくも残酷にもなりますが、例外なく今作の露伴にも、その存在を問いかけてきます。
今作は実写ドラマである『岸辺露伴は動かない』シリーズと地続きであり、シリーズ9話目とも言える物語になります。これまでドラマシリーズを観てくださった方はもちろん、独立した一つの作品としても、これまでの露伴の足跡をご存知ない方にも楽しんでいただける映画作品になっていると思います。劇場に足を運んでくださる皆さんにおかれましては、非常にユニーク(奇妙、特異、唯一)なこの作品を楽しんでいただければと思っています。
飯豊まりえ(泉京香役)コメント
『岸辺露伴は動かない』第三期ドラマは放送終了したばかりですが…実は映画の撮影もひそかに進行していました! 今期ドラマのラスト、私のせりふにもありましたが露伴先生がついにルーヴルへ! 私も担当編集として、パリに行けることになりました!
今回も引き続き、すてきないつものチームに支えていただきながら新しいスタッフさんにも加わっていただき、より一層心強く、素晴らしい環境の下、お芝居をさせていただけていることを心から感謝しています!
フランスの現地スタッフさんたちとの撮影では言葉の壁を越えて、大きな規模の作品作りが出来ている幸せをかみ締めていました。忘れられない経験になりそうです。ここまで長く皆さんに楽しみにしていただける作品に、また新しいエピソードが加わることをとてもうれしく思っています!
露伴先生と京香が、遠く離れたルーヴル美術館に隠された謎と、過去に向き合います! ぜひこれまで通り、楽しんでいただけたらと思っています!
監督・渡辺一貴 コメント
映画「暗殺の森」で描かれるパリは退廃的で陰鬱だ。人々が生を謳歌する「花の都」ではなく、死と倒錯の匂いが充満した「黒い街」。3年前にプロジェクトが始まって以来、「岸辺露伴は動かない」の映像ルック、美術設定、扮装表現は、常にこの映画から有形無形の大きな刺激を受けてきた。
撮影で訪れたパリは「暗殺の森」と同様、今にも落ちてきそうな厚くて重い雲に覆われ、凍てつく雨が降り続く、美しくも冷たい世界だった。
そこに今、岸辺露伴が立っている。
既視感と高揚感が入り混じる不思議な感覚。しかし感傷はない。
露伴は当たり前のように、そこにいる。いつものように、撮影は始まる。
脚本・小林靖子 コメント
初めて『岸辺露伴は動かない』を実写化するとお聞きした時、映画になるという想像はカケラもしていませんでした。またシリーズが回を重ねるたびに皆で挙げていた原作候補に、この「ルーヴルへ行く」が入ることはありませんでした。そんなダブルでリアリティのない話が実現します。珍しく露伴自身がフォーカスされた物語です。ぜひ映画館で楽しんでいただければと思います。