北村匠海と中川大志のW主演映画「スクロール」(2月3日(金)公開)より、主題歌「怪物たちよ」を書き下ろしたSaucy Dogのインタビューと、併せて本編映像が到着した。
原作は、YOASOBIのヒット曲「ハルジオン」の原作者としても知られる橋爪駿輝が2017年に発表したデビュー小説「スクロール」(講談社文庫)。理想と現実のギャップに溺れながらも、社会、そして自分と必死に向き合う若者たちの姿を描き、若い世代から“自分たちの物語”と圧倒的な共感を獲得した。
物語は、鈍色の青春を駆ける若者たちのリアリティあふれる青春群像劇。 “生きること”“愛すること”をエモーショナルに表現し、光が射す明日を強く感じさせてくれるストーリーを独創的な世界観で描く。監督はさまざまな映像のジャンルをクロスオーバーして活躍する清水康彦。さらに研ぎ澄まされたセンスで唯⼀無⼆の映像美で見せる川上智之が撮影監督を担当する。
W主演である北村、中川と共に本作を彩るのは、これまで数々の映画賞を受賞してきた松岡茉優と、話題作への出演が続く古川琴音。
主題歌を担当したSaucy Dogは、Vo/Gtの石原慎也、Baの秋澤和貴、Dr/Choのせとゆいかで構成された3ピースロックバンド。主題歌のオファーを受けた際、率直にとてもうれしかったそうで「まずどのような作品なのかを理解したくて、原作も映画もしっかり見させていただきました。そしてこの作品の主題歌としてエンディングで何を伝えられるか、を考えました」と曲がエンディングで流れているところを想像しながら作り上げていったという。
<僕>(北村)、ユウスケ(中川)、菜穂(松岡)、<私>(古川)ら現代社会を生きる若者の姿を映し出した本作を見てまず「これは俺の物語か? と錯覚するほど広く誰にでも当てはまり心に突き刺してくれる映画だと感じました」とコメント。
続けて「今でこそバンドを始めて明るく振るまえるようになりましたが、本来は〈僕〉に近い性格だと思います。どちらかと言われれば根暗でさえない人生でした。ただ、〈私〉のように曲がったことが嫌いだったり、“菜穂”みたいに見栄っ張りで依存心が強かったり、誰が見ても共感できる部分があるそんな映画でした」と、本作を自分に重ねて歌に昇華していったことを明かす。
その中で「ほとんど共感できるキャラクターの部分で書かせていただいていますが、死にたい瞬間なんて誰にでもあるんだろうと思いました」といい、「例えばひと言で命を救えたり殺したりできる世の中、生きてこそ輝けるし生きているせいで苦しんでいるんだろうと思います。ここに書いてるのはほんの⼀部ですが、自分も含めてみんなが例外なく心に怪物を飼っている。良い怪物も悪い怪物も。そんな誰もが見えていない当たり前を書きました」と曲に込めたメッセージと共に、主題歌のタイトル「怪物たちよ」の由来についても語った。
また以前、この主題歌を「今までになくかなり攻めた歌詞」とコメントしており、特に「あなたのひと言で簡単に人は死ぬんだよ。という意味で『言葉はピストル~』の部分を書かせていただいていたり、『麻ロープで首をくくり手にする自由』という部分は自分的にそこまで生々しく歌詞を書いたことがなかったので、今までになく攻めた歌詞になっているのかな? と思っています」とこれまでとは⼀味違うSaucy Dogの曲であることを明かした。
印象的なシーンについては「ユウスケが森の母親に抗議しているシーンは僕もかっこいいなと思いました」と回答。ユウスケの友人・森の葬式に集まった報道陣に社会の在り方を訴える森の母親に対して、テレビ局員として「自分もその社会の中に入ってませんか?」と矛盾点に鋭く切り込んだシーンを挙げている。そんなSaucy Dog・石原も特に印象に残ったという本編映像も解禁となった。