山田涼介「サイレントラブ」“声を発さない役”への挑戦にかけた思い「今の自分に必要な作品なんじゃないかな、と特別な思いが湧き上がった」

映画
2024年01月11日
「サイレントラブ」左から)内田英治監督、古田新太、山田涼介、浜辺美波、野村周平

映画「サイレントラブ」(2024年1月26日(金)公開)の完成披露試写会が1月10日(水)に開催され、主演の山田涼介、浜辺美波、野村周平、古田新太、内田英治監督が登壇した。

「ミッドナイトスワン」で各界から絶賛され、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督がオリジナル脚本で描く最新作「サイレントラブ」。主人公の青年・蒼が心引かれたのは、目が不自由になり夢が途絶えかけている音大生の少女・美夏。「ピアニストになるという君の、美しい夢をかなえたい」。ある出来事をきっかけに声を発することをやめた蒼は、心でそう願いながら美夏とのかけがえのない時間を過ごしていくが…。蒼と美夏が静かに思いを紡いでいく、この冬一番切ないラブストーリー。

主人公・沢田蒼(さわだ・あおい)役には、ラブストーリー映画初主演となる山田涼介。本作で、声を発することをやめた不器用な主人公を繊細に演じ、新たな境地で魅せる。そして不慮の事故で目が不自由になり、絶望の中でもがくピアニスト志望の音大生・甚内美夏(じんない・みか)役には、実力ともに日本を代表する女優となった浜辺美波。蒼と出逢うことで絶望の淵から希望を見出していく、難しい役どころを演じ切る。

また、野村周平が、美夏の通う音楽大学で非常勤講師を務める北村悠真役として出演。蒼から自分のふりをして美夏のためにピアノを弾いてほしいと頼まれたことから、2人の人生に深く関わっていく役どころを演じる。さらに、大学の校務員として蒼と共に働く柞田一平役として、古田新太も参戦。社会の日陰で生きる人間の反骨精神を、唯一無二の個性でどんなにアクの強い役柄も自分のものとする古田ならではのユニークを添えて表現。

音楽は、久石譲が担当。優しくもどこか切ない音色が2人の物語に花を添える。そして主題歌は、Mrs. GREEN APPLEの新曲「ナハトムジーク」。幅広い世代から絶大な支持を得ている彼らが本作のために書き下ろし、切ないラブストーリーをドラマティックに彩る。

「サイレントラブ」山田涼介

このたび完成披露試写会が開催され、山田涼介、浜辺美波、野村周平、古田新太、内田英治監督が登壇。まず、山田が「皆さん、こんばんは。いよいよ、皆さんに見ていただく日が来たんだなというふうに思っております。今日は短い時間ではありますけど、いろんなお話ができたらなと思いますのでよろしくお願いします」とあいさつ。

浜辺も「撮影自体は1年と半年前くらいで、私にも忘れている部分が多くて遠い昔みたいな感じがしますが、皆さんとともに思い出しながらお話できればと思います」、野村は「本日はお日柄もよく、最高の舞台あいさつ日和となりました。短い時間ではございますが、どうぞ楽しんで帰ってください」と。

古田は「どうも皆さんこんばんは。お元気ですか!(観客「元気です!」)よかった!」、内田監督は「今日はようこそ、おいでくださいました。いろんなところから来ていただいていると思うんですけど、ぜひこの場と話を楽しんで帰っていただければと思います」と続けた。

「サイレントラブ」古田新太

本作で“声を発することをやめた”という役柄を演じた山田。このチャレンジについて「準備という準備はあまりしないで、フラットなまま現場で感じたものや触れたものをその場で表現しようという思いでいました。監督に『死んだ魚のような目をして生きてほしい』というふうに言われ、どういう意味なんだろうと思いながらも、初日に自分の中にふと落とし込めた瞬間があって。そこからは蒼として生きることができたのかな」と振り返る。

そんな話を受けて「存在を消されていて、現場で“どこにいるんだ”とよく探しました。で、意外にすぐ近くにいたりして」と内田監督。山田も「ここにいるよ、なんて言ったりしていました」と現場でのやりとりを明かした。

また「美香は目が見えなくて、僕は声が出せなくて、こういった場合にいろんな伝え方があるストーリーは今まであったと思うんですけど、そういうのも一切省いていて。体温でお互いの気持ちを感じたり、この2人のやり取りに関しては人差し指がポイントになっていたり。あまり見たことのないラブストーリーになっていると思っています」と自信をのぞかせる。

本作との出会いについては「自分にとって今後挑戦する機会がないんじゃないかなっていう思いがあって。やっぱり声を発さない役、そして浜辺さんとラブストーリーをやるというのも今しかできないだろうし、今の自分に必要な作品なんじゃないかな、と特別な思いが湧き上がって、オファーを受けさせていただきました」と明かした。

「サイレントラブ」浜辺美波

一方、浜辺は「後天的に目が見えづらくなるという女性の役だったので監督、スタッフさんとともに盲学校に見学に行かせていただき、まず基礎を作り上げました。あとは、現場で山田さん、野村さんとその瞬間に会ってどういう感じ方を心がするのかに身を任せていたような気がします」と。

「台本に指先や体温でコミュニケーションをとっていくということが書いてあったんですけど、どれぐらい距離が近いと人の体温って感じるんだろうというのが分からなくて、現場に入っていくまでは不安でした。でも、近い距離に山田さんや野村さんがいらっしゃると気配でどっちがどっちか分かるんじゃないかというぐらい違うものがあって。台本にすごく納得しましたし、2人があったかい存在でいてくれたので、スムーズに入っていけました」と笑顔を見せた。

「サイレントラブ」野村周平

そして、本作で浜辺と共にピアノに挑戦した野村は「取材でピアノの練習は1か月ぐらいしかもらえなくてしんどかったわ、と言っていたんですけど… 4か月ぐらいやってました(笑)。なのでしっかりとできたかなと思います。そして、2人のやり取りの間に入ることが多かったので、2人の芝居を直接しっかり見ることができて。2人の素晴らしいお芝居を間近で見れて、幸せ者だなと思います」。また、久石譲が音楽を担当していることについて「僕はニューヨークでもライブを見たぐらいですから。久石さんの音楽に関われるというのは素晴らしい経験になると思うので、幸せです」と語った。

「撮影では内田監督と山田としか付き合っていなくて、野村君とも美波ちゃんともほとんど絡んでない」という古田は、山田との共演について「当時はドラマの撮影からずっと一緒にいたから、“もういいや”とか思ってて」と暴露。山田が「ちょっと!(笑)でも古田さん、ドラマの現場ではすごく話しかけてくれたんですけど、この現場ではほとんどお話しなかったですね」と振り返ると、「内田監督からもふざけないでねって言われてて。その点はちょっと残念です。私的にはふざけたかったんですけど」とニヤリ。

内田監督はラブストーリーを題材にした本作について「やっぱり情報が多い社会なので、とても静かな作品を作ってみたかったというのがありました。あとは、やっぱりラブストーリーって映画のジャンルの中で最も作品数が多いと思うんですけど、やったことがなかったのでちょっとやってみたいなと思いました」と。そして「ピアノをベースにした映画は10年ぐらい前からやりたいなと思っていたんですけどなかなか形にならず、今回こういうチャンスに恵まれて皆さんとお会いできて、一気に撮影に入りました」と明かした。

また、2024年がスタートしたばかりということで、抱負を問われると山田は「やりたいようにやりたいことをやって生きていく人間なので、あんまり先のことを決めるのは得意じゃないんですけど、今目の前にあるのは『サイレントラブ』という映画なので、まずはこの映画が本当にたくさんの方に届いてくれればいいなという思い1本で、たくさん宣伝をすることが目標です」と意気込む。

「サイレントラブ」浜辺美波

浜辺は「私も同じくまずそれを頑張ることと、あとは去年は極端に帰省ができなかったので、今年はちゃんと実家に帰省したいなと。その際には、あらためて地元でホテルをとって、友達と旅行に行きたいなと思っています。イベントごとで混み合うタイミングからちょっとシーズンをずらして、ちゃんと観光をしたいですね」と想像を膨らませる。

野村は「僕は年末年始もすごい実家でゆっくりしちゃっていたので、浜辺ちゃんとは全く違うんですけど… 。今年は自分の抱負というより、なんかもっとね、世界と日本が平和になればいいなと願っています」と大きな目標を掲げる。古田は「週刊誌に叩かれないようにしよう、ぐらいですかね。潔白ですから」と語った。

最後に、山田が「この『サイレントラブ』という映画は“世界一静かなラブストーリー”というキャッチコピーがついているように、本当にピュアな2人の恋の物語でもあるんですけれど、静と動がすごくはっきりしている映画でもあって、人間のきれいな部分と影の部分を内田監督が非常に素晴らしい形で表現している作品だと思っています。良い意味で裏切られるんじゃないかなと思うぐらい、びっくりする内容になっていると思いますので、ぜひ心から楽しんでいただけたらなというふうに思います」とあいさつし、イベントを締めくくった。

「サイレントラブ」左から)山田涼介、浜辺美波

作品情報

「サイレントラブ」
2024年1月26日(金)全国ロードショー

出演:山田涼介、浜辺美波
野村周平/吉村界人、SWAY、中島歩、円井わん
辰巳琢郎/古田新太

原案・脚本・監督:内田英治 共同脚本:まなべゆきこ
音楽:久石譲
主題歌:「ナハトムジーク」Mrs. GREEN APPLE(ユニバーサル ミュージック/EMI Records)
配給:ギャガ

©2024「サイレントラブ」製作委員会

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