映画「サイレントラブ」(2024年1月26日(金)公開)の公開直前イベントが1月22日(月)に開催され、主演の山田涼介、浜辺美波が登壇した。
「ミッドナイトスワン」で各界から絶賛され、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督がオリジナル脚本で描く最新作「サイレントラブ」。主人公の青年・蒼が心引かれたのは、目が不自由になり夢が途絶えかけている音大生の少女・美夏。「ピアニストになるという君の、美しい夢をかなえたい」。ある出来事をきっかけに声を発することをやめた蒼は、心でそう願いながら美夏とのかけがえのない時間を過ごしていくが…。蒼と美夏が静かに思いを紡いでいく、この冬一番切ないラブストーリー。
主人公・沢田蒼(さわだ・あおい)役には、ラブストーリー映画初主演となる山田涼介。本作で、声を発することをやめた不器用な主人公を繊細に演じ、新たな境地で魅せる。そして不慮の事故で目が不自由になり、絶望の中でもがくピアニスト志望の音大生・甚内美夏(じんない・みか)役には、実力ともに日本を代表する女優となった浜辺美波。蒼と出逢うことで絶望の淵から希望を見出していく、難しい役どころを演じ切る。
また、野村周平が、美夏の通う音楽大学で非常勤講師を務める北村悠真役として出演。蒼から自分のふりをして美夏のためにピアノを弾いてほしいと頼まれたことから、2人の人生に深く関わっていく役どころを演じる。さらに、大学の校務員として蒼と共に働く柞田一平役として、古田新太も参戦。社会の日陰で生きる人間の反骨精神を、唯一無二の個性でどんなにアクの強い役柄も自分のものとする古田ならではのユニークを添えて表現。
音楽は、久石譲が担当。優しくもどこか切ない音色が2人の物語に花を添える。そして主題歌は、Mrs. GREEN APPLEの新曲「ナハトムジーク」。幅広い世代から絶大な支持を得ている彼らが本作のために書き下ろし、切ないラブストーリーをドラマティックに彩る。
このたび、公開直前イベントが和洋九段女子中学校高等学校の講堂で開催された。イベントは生徒たちの前にサプライズで山田と浜辺が登場し、特別ホームルームを行うというもの。何も知らない生徒たちは突然流れ出した本作のティザー映像に大興奮。割れんばかりの歓声と拍手の中、2人が登場した。山田が「こんにちは。すごい…!元気ですね。今日はよろしくお願いします」、浜辺は「熱量がとても高いのが伝わってきます。負けないようにたくさんお話できたらなと思います」とあいさつ。
特別ホームルームのテーマは「夢」。350人の生徒を前に、2人はまず自身の学生時代を振り返った。「僕はどちらかというとやんちゃな学生さんだったような気がします。共演している野村周平も同級生で、授業中に後ろを向きながら2人でやいのやいのやったりして、先生に怒られていました」と山田。また、文化祭について「ダンスイベントみたいなものに仮面を着けて出たんです。それは楽しかったですね」と笑顔を浮かべた。
そんな話を受け、浜辺は「私は本当にずっと眠くて… 勉強も授業を聞くのもすごく好きなんですけど、どうしても抗えなくて寝ちゃって怒られたりしていました。体育祭も、文化祭も部屋から出ずにずっと寝ていたからあまり楽しめた思い出がなくて。うらやましいです」と。その一方で「芸能の活動をするために高校を選んで上京して通っていたので、とにかく卒業することを頑張りました。どれだけ眠くても朝6時とかに起きて用意して、学校に行っていましたね。“卒業をする”というのがお母さんとの約束だったので、そこをとにかく目標にしていました」と努力の日々を明かした。
また、当時持っていた夢を問われると、山田は「僕はあまり夢だったり目標を持たなくて。僕、器用じゃないので目の前にあることをやるのに精いっぱいになっちゃうんです。でも、常に全力でやり続けるということを自分の信念として掲げてたような気がします」と。浜辺は「何としてでもこのお仕事を成功させて、帰ってもう一度住まわせてください… と頼むようなことにならないようにしようというのが根底にありました。せっかく送り出してくれたので、応援をし続けてもらえるようなお仕事ができたらいいし、活動が成功して順調にいけばいいなと思っていました」と振り返った。
イベントでは生徒の悩みを解決する相談コーナーも。「気持ちを切り替える方法と、集中力を持続させる方法を知りたい」という薬剤師を目指す生徒には「そのすてきな夢をかなえるための階段だと思えば、乗り越えられるような気がします。僕の場合は、アイドル、俳優業、バラエティといろいろなスイッチがあるんですけど、現場に行ったら“今日はこのモードでやる”と自分の中に落とし込むというか。かなえたい夢であれば、そんなに難しいことでもないのかな」と山田。
浜辺は「私も結構(切り替えることが)苦手なんじゃないかなって思っていて。なので、やるっていうことを周りにも宣言したり、自分の逃げ道をなくしていったり。あと、私は友達とご飯を食べることが大好きなんですけど、そこが少なくなってしまうとストレスになってしまうので、遊ぶときはしっかり遊んでたくさん笑って。楽しかった〜、やり切ったなって思えたら勉強の方にもぐっと集中できると思います。たくさん遊んでほしいです!」と伝えた。
続いては、看護師を目指している生徒から「将来夜勤で眠くならないか不安です。お仕事に行くときに眠くてたまらないときはありますか?」という質問が。浜辺は「本当にまだまだ成長期なのかって思うぐらい眠くて。18歳のときなんて、カメラの前で本番中も寝ちゃうぐらい、眠くて眠くて仕方なかったんです。やっぱりカフェインですね。特にコーヒーは、学生時代は飲んでいなかったんですけどすごく集中力が上がります」と。
さらに「18歳からお仕事のときは朝に必ずカフェインが入った栄養ドリンクを飲んでいます。それをやるとスイッチが入るし、飲まないとずーっとぼんやりしているんです。そういうスイッチになるような何かを見つけたら勝ちだと思います。私が眠い魔人なので分かります(笑)」と笑顔を見せた。
山田は「多分、学生のときの眠いと社会人になってからの眠いってまたちょっと質が変わるのかなと思っています。なので、夜勤になっても多分“お仕事”という意識が勝手に自分の中に入ってくると思います。今ある悩みっていうのは、働いてみると意外となくなってるかもしれないですね」と不安を和らげた。
「自分に自信が持てなくなってしまうことがあります。どのようにして自信をつけましたか?」という質問には、山田が「僕はあまり周りの目を気にしないで生きています。気にしていると、自分が自分じゃなくなってしまうような気がしているんです。嫌われたらどうしようとか、この人こんなこと思っているんじゃないかな、と思うとどんどんマイナスな方に進んでしまうので。そうじゃなくて、自分が生きたいように自分らしく生きるっていうのをテーマに、僕は生きています」と。
続けて「自信が常にあるわけではないですが、自信がなくなることがなくなるように、自分の考え方を変えるというのも一つの手かなというふうに思います」とアドバイス。浜辺は「私も自信がなくなることがある気持ちがすごく分かるので、いま勉強になりました、ありがとうございます(笑)。ちなみに、私はホルモンバランスなのかなとか思って、気持ちの整理をしています」と明かした。
ライフセービングと学業を両立している生徒からは「試合数がとても多く、練習もきついです。モチベーションを高める方法を教えてほしいです」という質問も。山田は「スポーツと勉強以外にやりたいことが出てきちゃったりすると“こっちやりたいのにこっち行かなきゃ”というふうな気持ちになっちゃうと思うから、逆に自分の中で“今日はこれを頑張ったら、次の休みは絶対これをする”と考えたり。自分の中で優先順位や優先日程をちゃんとスケジューリングしてあげると、わりとモチベーションが保てるというか。“これを頑張れば明日これが待ってる”と思ったり。僕はそういうふうにやっています」と提案。
浜辺も「モチベーションはあるんだけど、それをいかに高く保っていくかというのは、とても難しいことだなと思っていて。本当に自分のプライドとの戦いではあると思うので、“負けたくない”という気持ちだったり、“やりたい”という気持ちを自覚して、自分の中で育てて高めていくことが、結局は全部のモチベーションを高めることにつながっていくんじゃないかなって思っています」と。
そして「時間の作り方を教えてください」という相談には「作ろうと思って作っていないのかもしれないです…! 今日でいうと、この前に一本生放送があって少しだけ時間が空いていたんですけど、その間に僕は買い物に行きました(笑)。ここ時間空いたからここで何かしよう、みたいな行動力が結果時間を作るのかな。ここちょっと空いたからこれやってみようって思う気持ちが大事なのかもしれないですね」と山田。
浜辺も「全部を1週間前から決めて時間割を組んでというのがすごく苦手なので、何かやらなきゃっていうことがあったり、やろうと思ったときにいろいろ考えちゃうと結局やらないっていうことにつながっちゃうことが多くなる気がしていて。考える前にもう立っちゃう、予約入れちゃうとか、先に行動をぱっと起こしちゃった方がやることにはつながるんだろうなと思います。フットワーク軽く、あまり固く考えすぎずに向き合っていくのもいいんじゃないかなって思っています」と寄り添った。
最後に、浜辺が「今日はたくさんの温かい反応と挙手をいただき、ありがとうございました。質問をいただいたことで考えるきっかけになりましたし、楽しい時間でした。忙しい学生さんばかりだと思うんですけど、ぜひ時間をうまく見つけて映画を見て、息抜きしていただけたらうれしいなと思います。ぜひお友達同士でもたくさん見にきてください」。
山田は「僕が大事にしている言葉で『夢は見るものじゃなくてかなえるものだ』っていう言葉があります。これから夢をかなえる学生さんたちにとって、自分の行動力一つでその夢がかなうかどうかが決まってくる時期になると思いますが、絶対にかなえるために、今を大切に生きてほしいなというふうに思います。そして、映画を見てもらったら人の行動力でここまで人間が変わることができるんだと感じることができると思いますので、忙しいと思うんだけれど、映画を見て“私たちこの2人に会った”って思ってもらえればと思います(笑)。『サイレントラブ』をお願いします」とあいさつし、イベントを締めくくった。
作品情報
「サイレントラブ」
2024年1月26日(金)全国ロードショー
出演:山田涼介、浜辺美波
野村周平/吉村界人、SWAY、中島歩、円井わん
辰巳琢郎/古田新太
原案・脚本・監督:内田英治 共同脚本:まなべゆきこ
音楽:久石譲
主題歌:「ナハトムジーク」Mrs. GREEN APPLE(ユニバーサル ミュージック/EMI Records)
配給:ギャガ
©2024「サイレントラブ」製作委員会