大泉洋が主演を務める、映画「室町無頼」が2025年1月17日(金)に公開決定。その製作発表会見が2月11日(日)に開催され、主演の大泉、長尾謙杜(なにわ男子)、松本若菜、北村一輝、柄本明、堤真一らが登壇した。
自らの力で時代を切り拓いた「無頼」たちを描いたアクション・エンタテインメント「室町無頼」(原作:垣根涼介「室町無頼」新潮文庫)。時は室町、「応仁の乱」前夜の京で、腐りきった政治と世の中を叩き直そうと命懸けの戦いに挑んだ者たちの姿を描く。そんな本作が、2025年1月17日(金)に公開決定した。
それに際し、製作発表会見が2月11日(日)に開催。主人公・蓮田兵衛を演じる大泉洋をはじめ、長尾謙杜、松本若菜、北村一輝、柄本明、堤真一らキャスト陣と、監督・脚本を手掛けた入江悠の7名が登壇した。大泉は「タイトルを見ただけでもワクワクしたのですが、脚本を読んでみても非常に痛快で。この作品の舞台は室町時代ではありますが、どこか閉塞感を感じたり、 政治に違和感を覚えたりという部分では現代にも通じるような」と本作の印象を。
「ただ、脚本を読み進めていくにつれ、スケールが大きくて、これどうやって撮るのだろうかと思って。いざやってみると、思いのほかこの人たちは人力でやるんだな、もうちょっとCGとかでやってくれないのかなと(笑)。ぜいたくなやり方でもあるのですが、何か工夫なかったのかなとも思う、とにかく我々が大変な映画でした(笑)」とぼやきもこぼした。
なお、撮影は巨大なオープンセットに膨大なエキストラを集めて一揆のシーンを行ったり、巨大扇風機で風を巻き起こしながら撮影するなど、すぐそばにいるキャストの声も聞こえないほど過酷な環境で進められたとのこと。兵衛に拾われ成長する才蔵役を演じる長尾も「初日に爆発のシーンを撮影したのですが、もう今までに感じたことのないくらいの大爆発で。爆風を感じるくらいにすごくて、“ここまでやるのか!”と今後の撮影が楽しみになった1日でした(笑)」とにっこり。
高級遊女・芳王子役の松本は「私が出演する場面は少人数での撮影だったので、今お聞きした大爆発のようなシーンはありませんでした(笑)」と。「ただ、監督は木々の揺れ方ひとつにもすごくこだわってらっしゃって、そういう小さなこだわりが大きなスケールにつながっているのだなと思うと、早く全体を見たいなと楽しみが増しました」と語った。
また、本作は本格的なアクションシーンにも注目が高まるが、大泉は「これまでも舞台や映像で殺陣をしたことはあるのですが、ここまでというのはなかったので、去年の夏はもうずっとこの映画の殺陣の稽古をしていました。僕ももう50才ですし、久々に殺陣をやるので、“1から教えてください”と言ったのですが、アクションの監督さんが体育会系の方で、上から振り下ろすやつを初日から100本やりまして(笑)」と告白。
兵衛の悪友であり、宿敵・骨皮道賢を演じる堤との一騎打ちのシーンもあるというが、堤曰く「僕は台本上ではそんなに殺陣のシーンがなかった」そう。「道賢は大将なので(そのシーンも)馬に乗っていればいいはずだったのですが、急に馬を降りて兵衛と戦うことになりまして(笑)。僕ももう今年還暦なので、腰が痛くて痛くて…。撮影日以外は接骨院に行くかマッサージに行くかで、京都でえらい散財しました(笑)」と吐露した。
なお、長尾演じる才蔵は“超人的な棒術”を武器に戦うキャラクター。棒術に初めて挑んだ長尾は「棒が六尺あるので長くて使いづらかったのですが、練習を重ねていくうちに少しずつ振れるようになっていって。僕も大泉さんと同じように初日から100本振ろうと言われたのですが、いろいろな形があり、結局500本ぐらい振って…。これが続くのか、と泣きそうになりました(笑)」と。「でも、すてきな方ですごく熱心に教えてくださって、監督がいたからこそ完成できた作品」と感謝を述べた。
続けて、大泉の座長ぶりに話題が及ぶと、長尾は「めちゃくちゃ笑わせてもらって。ご飯に連れて行っていただいたりして、楽しく撮影することができました」と賞賛。すると、大泉は「この映画はほとんど長尾君(才蔵)の成長の物語なんです。最初は汚くて長尾君だって分からないようなところから、どんどんアホみたいにカッコよくなっていって(笑)。棒術もすごいし…」と。
「寒い中、ふんどし一丁で延々と稽古させられていたんです」と大泉が長尾をねぎらうと、長尾からは「この映画の3分の1ぐらいはふんどしです(笑)」と驚きの情報が。すると、大泉は「なので、ちょっと見えているかもしれないですよ。長尾君のあれ、出てます。長尾君の“無頼”が、長尾君の“六尺棒”が…」と暴走し、長尾が「危ないです、やめてください!(笑)」と必死に静止する場面も。
記者からの質問で本作への出演を決めた理由を問われると、大泉は「僕は時代劇をたくさん見てきた年代で、時代劇に出演できる、さらには入江さんの下でここまでスケールの大きな作品に関われるということはそうないので、役者としては心躍るものがありました。今の日本の役者であれば、誰だってそうじゃないかなと思います」と回答。
大泉の現場作りに話題が及ぶと、民を虐げる大名・名和好臣を演じる北村は「僕は撮影に入ったのが後半のほうだったのですが、本当に(大泉が)疲れていて、大丈夫かなと思いました(笑)。でも、すごく集中はしていて」と。すると、大泉は「北海道でしか仕事していなかったころから北村さんとは共演させてもらっていて。今回は久しぶりだったのもあり、空いた時間には楽屋に入り浸り、いろいろな話を聞いてもらって、主演と言いながら私のほうが甘えていました」と関係の深さを感じさせた。
最後は、大泉の思う“カッコよさ”について「蓮田兵衛という人は、男が憧れる分かりやすくカッコいい人だと思います。何も頓着なく見えながら、実はすごい信念を持っていて、命懸けで時代を変えようとしていく、そして仲間を守って、絶対に立ち向かえない敵に立ち向かっていくわけですよね。“無頼”と書かれた紙を懐にしたため、巨大な政治というものに挑んでいく姿というのはカッコいいなと思いました」と。「なので、できれば今後はずっと兵衛を演じていけたらと。兵衛か歌手かの2択でやっていきたい!」と大泉節で熱弁した。
作品情報
「室町無頼」
2025年1月17日(金)公開
監督・脚本:入江悠
原作:垣根涼介「室町無頼」(新潮文庫刊)
出演:大泉洋
長尾謙杜、松本若菜、北村一輝
柄本明
堤真一
配給:東映
©2025「室町無頼」製作委員会