辻村深月のベストセラー小説を実写化した映画「傲慢と善良」(読み:ごうまんとぜんりょう/9月27日(金)全国公開)のW主演を、藤ヶ谷太輔と奈緒が務めることが決定。コメントが到着した。
原作は、2019年に単行本が発売された辻村深月の同名小説。現代に生きる人々のリアルな恋愛観や価値観が20代、30代を中心に多くの共感を呼び、第7回ブクログ大賞を受賞。2023年最も売れた小説となり、発行部数は93万部を突破(※ジュンク堂書店池袋本店調べ 2023年売上、文芸/文庫新書ジャンル)。
SNSやメディアのレビューコーナーを中心に取り上げられることも多く、「人生で一番刺さった」「明日からの生き方が変わるかも…」「どんどん引き込まれて最後は感動した」「男女で感想が分かれそう!」「まさに私のことだ」など、さまざまな感想が広がっている。
また、Amazon、楽天、Yahoo!などのレビューサイトでは星4点以上を獲得し、辻村作品の他作品に比べても高い評価を獲得している。
主人公の架と真実はマッチングアプリで出会い、婚約。しかし直後、真実が失踪してしまう。彼女を探すうち、“知りたくなかった過去とうそ”が明らかに。すべてをさらけ出した2人がたどり着く、“一生に一度の選択”を描くドラマティック恋愛ミステリーだ。
30代になり、マッチングアプリで出会った真実と付き合うもなかなか将来を決めない「傲慢」な西澤架を演じるのは、「そして僕は途方に暮れる」でダメ男役を演じて好評を博した藤ヶ谷太輔。出会ったときから衝撃を受けたこの小説について、「一番心に刺さって感銘を受けた小説。もし映像化されるなら絶対に自分が演じたい」と思っていたという。
「子供の頃に置いてきてしまった気持ちが言語化されている。辻村先生が自分のことを知っているのかと錯覚するぐらい」と、架の一挙手一投足に共感を重ねた藤ヶ谷。映画化決定前からテレビや雑誌などで「人生で一番好きな小説」と紹介していたこともあり、辻村も「藤ヶ谷さんに演じてもらえてうれしかった」と語っている。
一方、親の敷いたレールの上で「善良」に生きてきたが、婚約直後に謎の失踪を遂げる真実を演じるのは、奈緒。ドラマ『春になったら』での好演も記憶に新しい彼女もまた「辻村先生の映画に出るのが夢だった」と。
「ミステリー要素がありながら、人生の選択について見つめ直すことができる作品。誰のどの部分に共感するか、人によって解釈が変わる面白さもある」と原作の魅力を熱弁。撮影現場に訪れた辻村も「このお2人に架と真実を託せて本当によかった」と絶賛した。
また、原作発売当初から「藤ヶ谷君と奈緒ちゃんに演じてほしい!」「表紙が奈緒ちゃんぴったり!」という声がSNSで広がっており、ファンからも望まれたキャスティングが奇跡的に実現。
ドラマ『やめるときも、すこやかなるときも』以来、4年ぶり2度目の共演となる藤ヶ谷と奈緒は、撮影現場では恋愛観から人生観に至るまでさまざまなことについて話し合い、人生のすべての価値観を共有した様子。久しぶりの共演に「お互い大人になった気がする」と語る。
監督は「東京喰種 トーキョーグール」「サヨナラまでの30分」を手掛け、公開待機作「ブルーピリオド」でもメガホンをとった萩原健太郎。
「原作小説の行間にある架と真実の感情の機微をお2人が繊細に表現してくださったおかげ」と語り、「”傲慢”さと”善良”さは表裏一体で、きっとその狭間を行き来しながら生涯付き合っていかなければなりません。本作が、完璧じゃない他人や自分を受け入れて前に向かって進む一助となることを願っています」とメッセージを寄せた。
脚本は、ドラマ『最愛』にて感情を揺さぶるせりふと緻密な構成力で大きな反響を巻き起こした清水友佳子。辻村からの信頼も厚く、互いにリスペクトの念を持ちながら本作の脚本を完成させた。
それまで恋愛も仕事も順調だったが、30代になり、将来についての考え方が合わず恋人にフラれてしまい、マッチングアプリで婚活を始める架。「漠然とモヤモヤと感じていた感情が言語化されている」と、人生の選択を迫られるこの世代特有の悩みに、藤ヶ谷も大きく共感した様子。
そんな中、控えめで“善良”そうに見える真実に出会い婚約するも、真実が突然の失踪。両親や昔の友人を訪ねて彼女を探す中、予想もしなかった“知りたくなかった過去とうそ”に直面していく。
真実を演じる奈緒は、自身も「周りから善良そうに見られることが多い」という。「地方出身ならではの恋愛観や価値観にも共感できました」と、役について語っている。恋愛や結婚だけにとどまらず、人生の大切な時に訪れる“選択”についてのリアルな感情が描かれた物語だからこそ、自身と重ね合わせて共感できるのだろう。
そして、原作のカバーイラストを手掛けた雪下まゆが描き下ろした、ティザービジュアルが解禁。書店でも一際目を引くインパクトで原作を印象付けた、小説「傲慢と善良」のカバーイラスト。今回は映画化に向け、原作版の「その先の物語」を表現するイラストとなっている。
原作では真実が1人で夜景をぼんやりと見つめている姿だったが、今回は架と真実の2人で登場。真実が架の肩にもたれ掛かり同じ方向を見ているようで、どこか目線の先がそろっていない2人。温かい雰囲気の中にもミステリアスな要素が秘められ、見る者の想像力をかき立てるティザービジュアルに仕上がった。
併せて、場面写真も解禁。失踪した真実を探す架の、心配そうにも、切羽詰まったようにも見える表情と、原作の表紙をほうふつとさせる真実。2人の表情の対比が、すれ違いを予感させる。藤ヶ谷と奈緒、萩原監督、脚本・清水、原作・辻村のコメントは下記に掲載。
藤ヶ谷太輔 コメント
映画化が決まる前から、「人生で1番好きな小説」に挙げていたほどこの作品が大好きでした。辻村さんは僕のこと知っているのかなって思えるぐらい、僕自身の物語のように思いました。「もし映画化するなら絶対に架を演じたい。かなわなければ一生後悔する」と思い、原作の関係者の方へもアプローチしてご縁がつながり、本作のオファーをいただきました。僕の俳優人生の中でも並々ならぬ思いで演じました。まだ気づいていない潜在的な感情に気づくことができ、自分の世界が広がるような作品です。恋愛面だけでなくミステリー要素も織り込まれている、とても魅力的な作品です。
奈緒 コメント
辻村先生の作品に出演したいとずっと思っていたので、今回夢がかなってうれしいです! 私自身いいところばかりの人間ではないのですが、昔から「いい子だよね」と善良に見られることも多いので、真実とリンクしました。地方出身ならではの恋愛観や価値観にも共感できましたし、私自身30代目前となり人生の選択を考える時期になりましたので、さまざまな選択が描かれているこの作品に出合えて幸せです。藤ヶ谷さんや監督と、結婚や恋愛の価値観についてとことん話し合いました。自分が好きになれなくてふたをしたい気持ちを「傲慢と善良」という言葉が救ってくれるような、とても希望のある作品です。
監督・萩原健太郎 コメント
架は天然なんだけど、どこか憎めないキャラクターです。スターなのに誰とでも常にフラットに接する藤ヶ谷さんと重なる部分を感じました。藤ヶ谷さんのコアにある、そういう人間に対する優しさが常ににじみ出て、現場でどんどん架のことが好きになりました。
奈緒さんは真実というキャラクターの背景をどこまでも深く広く、想像力をもって演じてくださいました。撮影前は想像していなかった真実の姿を見るたびに、真実が自分の想像を超えて魅力的な女性であると気づかされました。原作小説の行間にある架と真実の感情の機微をお2人が繊細に表現してくださったおかげで実写映画化した意味を強く感じました。
「傲慢」さと「善良」さは表裏一体で、きっとその狭間を行き来しながら生涯付き合っていかなければなりません。本作が、完璧じゃない他人や自分を受け入れて前に向かって進む一助となることを願っています。
脚本・清水友佳子 コメント
発売以来、多くの読者の心を揺さぶり続ける本作の脚色を担うプレッシャーは計り知れないものでした。小説の完成度があまりにも高いため映像作品として再構築するのは大変難しい作業でしたが、世界観を見誤らぬよう何度も原作を読み返し、辻村先生の助言もいただきながら執筆を進めました。
完成した本編を見て強く印象に残ったのは、藤ヶ谷太輔さんと奈緒さんの圧倒的な表現力です。不完全だからこそいとおしい、架と真実がそこにいました。お2人の緻密で繊細なお芝居が、物語に深い奥行きを与えてくださいました。ラブストーリーでもあり人間ドラマでもある本作が、見てくださった皆さまに愛していただける作品になることを祈っています。
原作・辻村深月 コメント
「あ、架と真実がいる」お2人の姿を撮影現場で目にしての、最初の感想でした。ただ、原作の2人はともに一癖も二癖もある人たち。そんな架と真実そのものと言われるのは抵抗もありませんか? と尋ねる私に、「いえ! 今この瞬間は、その言葉が何よりもうれしいです」と藤ヶ谷さんが答え、奈緒さんがほほ笑みながらうなずいてくださった瞬間、ああ、このお2人に彼らを託せて本当によかった、と感じました。
何年も前から架役の藤ヶ谷さんが原作を心に深く刺さった本として、いろんな場面でお話ししてきてくださっていたこと。真実役の奈緒さんが中学生の頃から私の本を愛情深く読んできてくださったこと。以前から伺ってとても光栄に思い、感謝してきました。映画の完成を心から楽しみにしています。
作品情報
「傲慢と善良」(読み:ごうまんとぜんりょう)
2024年9月27日(金)全国公開
配給:アスミック・エース
公式サイト:https://gomantozenryo.asmik-ace.co.jp
公式X:@goman_zenryo
公式Instagram:@goman_zenryo
©2024「傲慢と善良」製作委員会