“お祭り”という言葉のとおり、さまざまな趣向を凝らした演目で楽しませてくれるのが、『FFXIVファンフェス』のコンサートだ。美麗な演奏が続いていく中、突如、オタマトーンを持った祖堅が登場。
舞台中央に用意されたマイクスタンドの前に立つと、始まったのは「シヴィライゼーションズ 〜ラケティカ大森林:昼〜」。本来、この曲は女性が主旋律を歌っていることもあり、男性が原曲キーで歌うのはかなり難しい。
それにも関わらず、無謀にも高音を搾り出そうとする祖堅の歪な歌声と、彼が奏でる2台のオタマトーンが織りなす強烈なハーモニーは、良く言えばサイケデリック。そうでなければ、なんともカオスかつシュールな光景で、曲を終えて逃げるようにステージを去っていく彼の姿に、コメントのタイムラインは大盛り上がり。
そんな様子を静かに見守っていたKeikoは、ポップな旋律が耳に残る「Pa-paya」を披露し始める。身体を揺らしながら軽快にピアノを弾いていると、ニワトリのかぶりものをした祖堅に連れられて、ファイナルファンタジーシリーズでお馴染みのキャラクター・チョコボ(※『FFXIV』ではアルファという名前をもつ)とモーグリが登場。軽やかな音色に合わせて、1人と2匹がダンスを繰り広げる、和やかな一幕に。
そんな笑顔のあふれるステージが、「砕けぬ思い 〜ハーデス討滅戦〜」で重厚な世界に一変する。めまぐるしい勢いで指を走らせていく圧倒的なスキルと、鬼気迫る熱量でもって、ラストまで一気に駆け抜けていく圧巻の演奏に、タイムラインには賛辞の声が流れていた。
そして、Keikoが「もう1曲行くよ!」と叫ぶと、歓喜に沸くタイムライン。本編最後の曲として、『漆黒のヴィランズ』の代表曲の1つである「Tomorrow and Tomorrow」が披露される。
まばゆい光に照らされる中、Keikoの奏でる柔らかなピアノの音色と、Amandaの歌声と歌唱映像、そして涙なしでは語れないゲームの名シーンを見事に融合させたドラマティックな演奏と演出に、タイムラインは感動の声であふれかえっていた。
流れ続けるアンコールの文字に応え、Keikoと祖堅の2人がステージに再び登場。「笑って終わるから安心して」と、最後は「ロングフォール 〜異界遺構 シルクス・ツイニング〜」を連弾することに。
ちなみにこの曲は、祖堅を中心に結成されたFFXIVオフィシャルバンド・THE PRIMALSもアレンジ/カバーしていて、ミュージックビデオではダンスパフォーマンスを披露している。それを受けて「弾きながら踊ってくださるんですよね?」と、祖堅にKeikoが無茶振りをしていたのだが、開始早々、空いているほうの手で振りを披露し、ユーザーを喜ばせる。
息のあったコンビネーションで繰り広げられる躍動感たっぷりの演奏は、まさにフェスティバルという名にふさわしいパフォーマンス。ファンフェス初日は、そんなお祭りモードのにぎやかな空気の中で幕を下ろしたのだった。