初日に引き続き、この日もSNSには様々な関連ワードがトレンド入り。両日共に大盛況となっていたのだが、イベント2日目を締め括ったのが、THE PRIMALSによるスペシャルライブだ。
THE PRIMALSは、『FFXIV』のサウンドディレクターである祖堅正慶(Vo./Gt.)を中心に、GUNN(Gt.)、イワイエイキチ(Ba.)、たちばな哲也(Dr.)、マイケル・クリストファー・コージ・フォックス(Vo./『FFXIV』ローカライズスーパーバイザー)によって結成された、『FFXIV』オフィシャルバンド。
結成当初は公式アレンジアルバムへの参加や、ファンフェスでのパフォーマンスが主な活動だったが、ユーザーからの熱望に応え、2018年には単独アルバムの発表と、Zeppツアーを開催。
この日のライブでも多くのプレイヤーを熱狂させ、その興奮度合いは、めまぐるしい勢いで流れ続けるチャットのタイムラインが物語っていた(当日のライブは、たちばな哲也の代わりに、城戸紘志がサポートドラムを担当した)。
『FFXIV』のマッチング待機画面から、ゲームに登場するキャラクター・アルバートの映像を経て、ライブは「貪欲」からスタート。重厚かつ緊迫感のあるバンドサウンドを響き渡らせると、そこへ原曲のボーカルを務めているアメリカ在住のシンガー・Jason Charles Millerの歌唱映像がクロスフェードされる。
同じステージに立ってはいないものの、画面上では間違いなく共演しているように感じられる演出は、オンラインだからこそできるものと言えるだろう。そんな興奮を「To the Edge」のずっしりとしたグルーヴが高めていく。
ロールプレイングゲームのBGMというと、シンフォニックで雄大なイメージを自然と思い浮かべることが多いだろう。もちろん『FFXIV』にも「究極幻想」のような壮大な意匠が施されたものもあり、この日のライブではコージが黒いローブを纏って姿を現す演出で盛り上げていた。
しかし、そもそも『FFXIV』のバトルシーンのBGMは、90年代に隆盛したデジタルロックやビッグビートを彷彿とさせる「輝ける蒼 〜希望の園エデン:覚醒編〜」をはじめ、ロックサウンドを基調としたものも多い。そんな楽曲群をバンドアレンジすることによって、肉体により強く訴えかける仕上がりになっているのが、THE PRIMALSのサウンドの特徴だ。
また、原曲のイメージに沿う形だけでなく、大胆なアレンジが施された楽曲もある。神々しいクワイアが組み込まれた「女神 〜女神ソフィア討滅戦〜」は、ブルージーなミディアムナンバーにシフトチェンジ。ボーカルを担当するGUNNの歌声とも絶妙にマッチしていた。