BiSが10月23日に東京・中野サンプラザホールにてワンマンライブ「BiS STiLL STONE AGE」を開催。2,000名を超える研究員(※BiSファンの総称)を前に、圧巻のパフォーマンスを展開したライブをレポートする。
第3期BiSにとってはコロナ禍以前の2020年1月に開催した東京・LIQUIDROOM公演以来となる、会場に対してフルキャパシティでのライブとなった今回。感染防止対策を整えた会場を埋め尽くす研究員からは、静かな熱気があふれていた。
ステージに組み上げられた、ライブタイトルの「BiS STiLL STONE AGE」を感じさせる石器時代風のセットに、これからBiSが起こすライブへの期待感が渦巻く。そんな中で、轟音のようなSEが響き渡ると、BiSのミュージックビデオを担当する映像作家・山田健人による、現代から紀元前3万年まで遡るプロジェクションマッピングが映し出され、空間が石器時代までタイムスリップ。
SEが一瞬止まったかと思うと、ステージセットの“岩盤”が吹き飛び、岩の中からBiSメンバーが登場した。ド派手な演出に会場のボルテージも瞬時に跳ね上がり、ライブは冒頭からBiS、研究員ともにフルスロットルで駆け出していく。
メンバーの雄叫びとともに「LET’S GO どうも」でライブはスタート。オープニングからの興奮を保ちながら、キラーチューン「STUPiD」、ライブ映えのする「FOR ME」を連続投下し、さらなる熱狂を創出する。
ここで「はじめまして、私たち新生アイドル研究会BiSです」という自己紹介の後、「HiDE iN SEW」に突入。続く「I ain’t weak maybe..」とまるで聴き手に寄り添うような歌声に、情緒を揺さぶられる満員の研究員たち。
「DESTROY」では、ライブ開幕の演出を思わせるような破壊的なライブを繰り広げたと思えば、静から動へ展開の激しい「COLD CAKE」、“いいことってなんですか?”と問いかける「BASKET BOX」を連投。エモーショナルなライブも展開し、緩急を効かせたセットリストで研究員たちをさらに刺激していく。
チャントモンキーによるレクリエーションを挟んだ後、「次は一緒にネコちゃんになっちゃいましょう」というトギーの言葉から、手をネコのように振る動きが特徴的な「LOVELY LOVELY」へ。会場全体が笑顔でネコちゃんになりきっていた。研究員の支持が厚い「teacher teacher teacher」では、ステージセットの2階に駆け上がり、立体的なパフォーマンスを披露する。
続く「thousand crickets」では、2020年末に東京・LINE CUBE SHIBUYAにて開催した「The DANGER OF MiXiNG BiS」以来の“第2回BiSガチンコスクワット対決”を実施。楽曲中に高速スクワットする回数を競った結果、トギーが131回を記録し、連覇を果たした。
高速スクワットで足元がおぼつかない中、間髪入れず超攻撃的ナンバー「テレフォン」を発射。トギーの雄叫びのようなシャウトが、和やかな会場の雰囲気を切り裂く。続く「FUCKiNG OUT」でもメンバーの魂を削るかのような叫びで、今しかないこの瞬間を全力で研究員と共有した。
そして「つよがりさん」を歌い上げた後に、トギーがMC。「今歌った曲は『つよがりさん』という曲で、どうしようもない自分の弱さを素直に歌った曲です。私たちBiSはこの4人で2年間活動してきて、ずっと分かり合えなくてぶつかることがあります。今ここにいるあなたも、自分を分かってほしいとか、この人の気持ちを分かりたいって思うことがあると思うんですけど、気持ちとか、性格とか、目に見えないものを“分かる”ってすごく難しいですよね」と語りかける。
続けて「自分ももがきながら見つけてほしいって思いながら、メンバーとぶつかり合いながら走ってきました。研究員のみなさん、BiSを見つけてくれてありがとうございます。そして、BiSが好きな気持ちは研究員と一緒です。それだけは分かり合えます! 次の曲、心を込めて歌います。聞いてください」と話した後、「I WANT TO DiE!!!!!」へ。
そこからメンバーの熱い想いを乗せた「TOUCH ME」「this is not a love song」「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」と第3期BiSの極上の“エモ”ソングを連続で炸裂させ、研究員たちの胸を熱くさせたまま本編は終了した。
もちろん鳴り止まぬ拍手の中、BiSメンバーがステージ上に再登場。チャントモンキーが「今日は中野サンプラザに来てくださってありがとうございます!! 中野サンプラザのチケットを取ってから、みなさんは、どんな日々だったでしょうか?」と問いかける。
「ちなみに、私はと言うと、“23日早く来い。早く会いたい!”と、“もっと練習したいから、やっぱりまだ来なくていい!(笑)”という、超矛盾した気持ちが交互に訪れる毎日でした。研究員に死ぬほど楽しんでほしいから、いくらでも準備することがあるし、どれだけやっても足りないけど、早く会いたかったです!」と明かした。
そして「そんな楽しみにしていた今日は、信じられないくらいあっという間でした。今日のためにやってきたんだなってすごく思ったし、これから先ももっともっとやりたいって思いました。これからもBiSは、止まらずライブし続けます。今日は本当にありがとうございました! また会いましょう!」と力強く再会の約束を。
イトー・ムセンシティ部は「最近すごく、“好きなものを好きでい続ける”って難しいことだなって考えてました。わたしは学生時代に、プレッシャーに押しつぶされたり、自分には向いてないなって思って、好きなことを辞めてしまったことがありました」と。
さらに「夢を追い続けるうちに、あの人より劣ってるからできないだろうなって諦めそうになったり、自分には才能がないな…とか考えてしまうことがありました。でも、BiSはそれを超えてしまうくらい変な存在でいろんな個性のメンバーがいて、変なスタッフさんがいて、何が劣ってるかとか才能がないとかそれをなくすような魔法があるように思います」と語る。
「BiSってそんな魔法ありますよね? その魔法は研究員にもありますよね? だからBiSを続けてられるんだと思います。これからもBiSで諦めず歌わせてください! 今日はありがとうございました!」と感謝の言葉で締めくくった。
ネオ・トゥリーズも「なんかほんとに時間が過ぎるのが早くて…あっという間でした。今日ライブしてる時 、すごい魔法みたいな時間だなぁとずっと思ってました」と振り返る。
「ここにいる1人ひとりが、それぞれ全く違う人生を送っているけど、こうしてライブで同じ時間を一緒に過ごしていると、音楽を通して心と心が繋がりますよね。繋がっています! 今日もライブ中に目と目が合う度に、研究員との、この尊い時間をずっと大切にしていきたい。って何回も思いました」と明かす。
そして「今日も、来てくれたあなたに感謝を伝えようといろんな言葉を考えていたんですけど、考えれば考えるほど、ありきたりな言葉しか出てこない自分にすごいムシャクシャしました。でも伝えさせてください。ありがとうございます!」と素直な言葉で感謝を。
最後に「これからも全身全霊 BiSは音楽を届けたい! ライブがしたい! って、改めて思いました。今日、一緒にBiSの新たな一歩を踏み出せたこと本当にうれしいです。これからもよろしくお願いします!」と力強く挨拶した。
トギーは「最近、未来のことって本当に何も分からないなと思うんですけど。わかんないですよね? でも、わかんないからって不安になるのは違うなって思いました。BiSの未来は、BiSにしか作れないから、なんでもできるんだって信じて、言い続けて、いつの日か今日の言葉が本当になるようにこれからも死ぬ気でいきます」と決意を見せる。
さらに「BiSはもっと大きな場所で歌いたいです。BiSは絶対に武道館に立ちます。研究員を武道館に連れていきます!」と宣言。4人それぞれに想いのこもったMCから、アンコール1曲目に「LOVE」でありったけの愛を研究員に届け、ラスト「CURTAiN CALL」では、歌詞の「もう終わり? 帰りたくない」を身体全体で表現し、ライブの幕を下ろした。
その後、12月のカバーアルバム発売と来年の新ツアー開催を発表し、ライブは終了かと思われた…。だが「BiSは、2022年もブイブイ言わせていくのでこれからもよろしくお願いします!」というトギーの決意表明に続いて、「あの〜、まだ足りないんで、あと1曲歌ってもいいですかぁ」と、おかわりとなる「CURTAiN CALL」がスタートする。
彼女たちの生命力を振り絞るかのように発せられた歌声は、会場の全ての人の心に突き刺さったことだろう。“石器時代”と銘打ったワンマンライブで、さらなる進化を見せつけたBiS。今後も彼女たちが巻き起こしていく怒涛の展開に、期待せずにはいられない。
SET LIST
「BiS STiLL STONE AGE 」2021年10月23日(土)中野サンプラザ
1. LETS GO どうも
2. STUPiD
3. FOR ME
4. HiDE in SEW
5. I aint weak maybe..
6. DESTROY
7. COLD CAKE
8. BASKET BOX
9. LOVELY LOVELY
10. absolutely meeeeee
11. teacher teacher teacher
12. thousand crickets
13. テレフォン
14. FUCKiNG OUT
15. つよがりさん
16. I WANT TO DiE!!!!!
17. TOUCH ME
18. this is not a love song
19. BiS-どうやらゾンビのおでまし-
EN1. LOVE
EN2. CURTAiN CALL
EN3. CURTAiN CALL
この記事の写真(全12点)
●photo/sotobayashi kenta
リリース情報
Cover Album『BiS DiVE into ROCKS』
2021年12月1日(水)発売
【初回生産限定盤】6,500円(税込)
【通常盤】3,300円(税込)
ライブ情報
東名阪ツアー「NEW GENERATiON BiS TOUR」
2022年1月19日(水)東京・Zepp Tokyo
2022年1月21日(金)大阪・なんばHatch
2022年1月22日(土)愛知・Zepp Nagoya
WEB
BiS Official Site:https://www.brandnewidolsociety.tokyo
BiS Official Twitter:@BiSidol
ULTRA STUPiD RECORDS:@ULTRASTUPiD_BiS