7月12日(火)午後6時30分より早稲田大学大隈記念講堂にて、『TOKYO FM/早稲田大学国際文学館 共催「村上春樹presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」』が開催される。それに先駆け、村上春樹と山下洋輔からコメントが到着した。
村上春樹が早稲田大学に入学した翌年の1969年7月、学園紛争真っただ中の早稲田大学で、学生たちが大隈講堂に保管されていたピアノを運び出し、キャンパス内の4号館(現在の8号館の場所にあった校舎)で、山下洋輔トリオ【山下洋輔(Pf.)、中村誠一(Ts.)、森山威男(Ds.)】によるフリージャズライブを敢行した。
対立する学生たちも、その時だけは山下洋輔トリオの魂の演奏に聴き入ったという伝説が語り継がれている、このライブ。山下は当時27歳で、この時の演奏は山下洋輔トリオの初レコーディングにもなった。
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)は、1969年竣工時は8号館と呼ばれ、現在は早稲田キャンパス4号館となり、地下1階には「ピーター・キャット」(村上春樹が経営していたジャズバー)のピアノ(国分寺から移転後の千駄ヶ谷の店に置かれたピアノ)が置かれている。
「4号館」と「ジャズ」と「ピアノ」、これらの言葉は、村上春樹と山下洋輔の不思議な因縁を物語っているようだ。そんな経緯もあり、7月12日(火)に『TOKYO FM/早稲田大学国際文学館 共催「村上春樹presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」』が開催決定。
山下洋輔トリオがライブを行った時代に大学生活を送り、小説によって自由と理想と愛を語り続けている村上が、半世紀以上(53年間)の時を超え、学生たちに力強いフリージャズでエールを送った山下とともに、伝説のライブを再現する。
当日は村上と山下洋輔トリオに加えて、坂本美雨も司会で参加。現役学生のジャズ演奏や山下と村上のトークなども織り込みながら、ジャズの自由な精神が横溢するライブイベントとなりそうだ。村上と山下からのコメントは下記に掲載。
なお、本イベントは限定会場チケット、及びオンライン配信チケット(1週間のアーカイブ付)を販売する。詳細は特設サイトを参照。
村上春樹 コメント
1969年に早稲田大学四号館でおこなわれた山下洋輔トリオの「乱入ライブ」は、今では伝説の語り草となっています。今回「早稲田大学国際文学館・村上ライブラリー」が開設されたのを機に、同じメンバーで「再乱入ライブ」をやろうじゃないかという乱暴な思いつきで、このたびのコンサートが催されることになりました。
「村上春樹presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」というのが正式名称です。
オリジナルの乱入から既に半世紀以上が経過してしまったわけですが、大丈夫。ご安心ください。乱暴な精神はまだしっかり生きて、引き継がれています。
ジャズの伝統を継承し、引き受けながら、新しい独自の地平をがっつり拓(ひら)き続けてきた山下洋輔さんの音楽。それをひとつの糧として、推進力として、ぼくら自身の新しい地平を共に明るく拓いていこうではありませんか。
山下洋輔 コメント
村上春樹さんのお導きで、早稲田大学の大隈講堂で、1969年から53年ぶりに、中村誠一、森山威男の最初のトリオでライブができることになりました。
当日は、20代のころの気持ちで演奏したいと思っています。
社会状況は当時とは大きく変わりましたが、相変わらず世界は騒然としています。
我々の演奏が、現在の若い世代に何ごとかを伝えることになればうれしいです。
楽しみにしています。
イベント情報
TOKYO FM/早稲田大学国際文学館 共催「村上春樹presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」
2022年7月12日(火) 早稲田大学大隈記念講堂
午後5時30分開場/6時30分開演
※リアルタイムフル配信 (生配信後、1週間のアーカイブあり)
司会:村上春樹、坂本美雨
ゲスト:山下洋輔(Pf.)、中村誠一(Ts.)、森山威男(Ds.)ほか
特設サイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/yamashitalive/