男闘呼組のメンバーを中心に結成され、昨年から本格的に活動を展開しているRockon Social Clubの全国ツアー「KURE 5-56 Presents Rockon Social Club Reloaded Tour 2024」が7⽉10日(水)市川市文化会館からスタートした。以下、ライブレポートを掲載する。
昨年12月以来のツアーとなる初日は、「ポイントちょーだい」で幕を開けた。7月5日(金)より配信開始となり、バンド初となるド派手なMVも話題となっているRockon流の社会風刺ナンバーだ。ハードロックを中心に据えながらも、ジャズ、R&B、シンセポップなど、実に幅広い音楽性をブレンドし、独自のバンドサウンドを放つ彼らの魅力は、なんと言っても際立ったメンバー1人ひとりの個性にある。
成田昭次(Vo&Gt)、高橋和也(Vo&Ba)、岡本健一(Vo&Gt)、前田耕陽(Vo&Key)、青山英樹(Dr)、寺岡呼人(Gt&Ba)、こうして名前を挙げただけでも強烈なキャラクターが目に浮かぶようだ。そんな彼らが生み出す1つのサウンドは、バンドマジックの全てが詰まっていると言っても過言ではない。
オープニングの4曲をノンストップで駆け抜けた後の最初のMCで、いきなりこんな発表があった。
「ミニアルバムの発売が決定しましたー!」(高橋)。
9月6日(金)にリリースとなるミニアルバム『Summer of Love』の情報が解禁に。さらに、同作品に収録される新曲を2曲、続けて初披露。まずは「ブレイキングニュース」。こちらはヘヴィなギターサウンドと終末感漂うシニカルな歌詞が特徴的な楽曲だ。一方「天照ラス」は、人間が指し示す希望を歌ったミディアムバラードとなっている。奔放にやりたい音楽を突き詰める彼らのミニアルバムが楽しみになる新曲のパフォーマンスだった。
中盤以降は、ひたすら陽気なラテンナンバー「Te querrá mucho」、フォークロア風のアレンジが特徴的な「LIFE」など、Rockon Social Clubの魅力を全開に放ちながらフロアと一体になっていった。さらに、成田と寺岡、青山によるバンド、NARITA THOMAS SIMPSONの楽曲「花火と君」をRockon Social Clubでパフォーマンスするというサプライズもあった。
「この曲は今までの俺たちにはない。Rockonの新たな一面」と高橋が言って本編ラストに披露したのは、ミニアルバム『Summer of Love』から先行配信第2弾として7月17日(水)に公開されるタイトルチューン「Summer of Love」。80年代のアイドルポップソングを思わせるようなテイストに、しっかりとRockon Social Clubの個性を織り交ぜた楽曲は新鮮な驚きがあった。
そしてこのライブ一番の驚きは、アンコールに待っていた。
ぶっといベースのリズムから始まったのは、男闘呼組メドレー。このツアーのタイトルには“Reloaded”という言葉が冠されている。直訳すれば、再度装填する、再びロードする(読み込む)という意味になる。つまり、Rockon Social Clubは男闘呼組を再装填し、その歩みを丸ごと読み込んで新たな音楽の道を切り開いていく――そういう宣言に他ならない。
男闘呼組の再結成の活動とRockon Social Clubの活動が並行して行われていたのもうなずける。一方は確かに終わった。けれどそれは、終わりを意味するのではなく、新しい始まりを告げていたのだ。
ラストに披露した「TIME ZONE」のイントロが鳴った瞬間の会場の沸騰は、今のバンドにしか起こせないムーヴメントだった。ここから最終日の9月12日(木)・13日(金)の日本武道館公演まで全30公演で彼らが見せる“夢のつづき”をその目に焼き付けてほしい。
公演情報
「KURE 5-56 Presents Rockon Social Club Reloaded Tour 2024」
2024年7⽉10日(水)千葉・市川市⽂化会館
収容人数:約1,800人