今年3月に惜しまれつつ終了した人気音楽バラエティ番組『saku saku』の後継番組として、4月からスタートした『関内デビル』。その初回収録に潜入し、MCの小林龍二さん(DISH//)、加村真美さん、大場英治さん(菊谷宏樹ディレクター)にインタビュー。ゲストと共に台本なしのゆる~いトークを展開する同番組の魅力について、3名にたっぷり語っていただきました。
気の利いた言葉はいらない。ただ“生きざま”を出せればいい(大場)
◆架空の喫茶店「関内デビル」を舞台に、小林さんがアルバイト店員、加村さんが常連客、大場さんがオーナーという設定でトークが展開されています。初回とは思えないほど和やかな雰囲気で収録が進んでいましたが、手応えはいかがですか?
大場:手応えですか? 全くないですね。
小林・加村:(爆笑)
小林:ないですね~(苦笑)。
大場:3人とも意外と人見知りなので、それぞれの人見知りの歴史がぶつかったね。それがうまいほうに転がると思うんですけど、まだお互いの手の内を探り合ってる感じだね。
加村:探ってましたね(笑)。
大場:「(平泉成さん風に)おまえは、このあと何をしゃべってくるんだ!」みたいなね。
加村:…ありがとうございま~す。
小林:ははは(笑)。こういうフリーな番組は初めてなので緊張しました。コーナーがあるわけでもないですし。あと、今の物まねじゃないですけど、“ジェネギャ”が結構あったりして反応し切れないところもあるので…。
加村:ジェネギャって何!(笑)
大場:今どきの子はジェネレーションギャップをジェネギャって言うんだ…。まあ、俺もわざとバブル世代のネタを言って、2人の反応を楽しんでるところはあるんだけど。
小林:ドSじゃないですか!(笑)
◆(笑)。加村さんは収録を終えていかがですか?
加村:台本が一切ないって聞いていたんですけど、半信半疑だったんです。でも、今日来たら本当になくって(笑)。案の定あんまりしゃべれなかったので、これからが大変だなって思いました(笑)。
◆そういった不安を全く感じさせないトークでしたよ!
大場:真美ちゃんは壁作ってるんですよ。誰も入れさせない壁を。
加村:そうかもしれないです(笑)。
◆大場さんは前身番組『saku saku』で13年間“黒幕”としてパペットを操ってこられました。番組を一緒に作っていく上で、先輩としてお2人に何かアドバイスはありますか?
大場:アドバイスというか、ただ2人の生きざまを出せればいいと思っているので、慣らしみたいなものはすべて私がやろうと。…ちょっと今、カッコよかったね!
加村:先輩って感じ!(笑)
大場:全知全能の神みたいなね。
加村:あはははは(爆笑)
大場:でも基本的にはそうだと思うんですよね。気の利いたことは言えるに越したことはないけど、それは芸人さんとかがいくらでもやってくれる。思ったことを言ってくれればそれでいいと思っています。我々はリアルの緊張感とかを大事にしていて、これは最初でしか撮れないものなんですよね。何ていうかその、レアメタル?
小林・加村:???
大場:ほら、携帯にちょっとしかついていない、レアメタルっていう…。
◆お2人ともぽかーんとしていらっしゃいますが(笑)。
小林:こういうことが多いんです(笑)。
大場:まあ最初はこんな感じですけど、収録ではこのギクシャク感が俺としてはよかったなと思いました。
小林:それ聞いて、ちょっと安心しました(笑)。
加村:ホッとしましたね。
小林:正直、一本撮り終わった時「これで大丈夫なのかな?」って思ったので(笑)。
大場:大丈夫大丈夫。収録と実際に放送されるものって全然違うから(笑)。
ここで学んだことを持ち帰って、DISH//のメンバーを打ち砕いてやります(笑)(小林)
◆この番組ならではの魅力というか、今後見せていきたい一面などはありますか?
小林:もう素の自分でいくしかないので、リアルタイム感というか、“生もの感”を楽しんでいただけたらなと。
大場:やっぱりビールも生がおいしいですよ。
加村:お魚も生が好きです(ハート入れてください)
大場:段取りがちゃんとしてる面白いテレビ番組ってたくさんあるし、むしろそっちのほうが多いと思うんです。でもこの番組の、あえて段取りのない感じ? 何て言うんだろう。いくらでもパンチ打ち込めるみたいな。ノーガード戦法? ガンジー? 無抵抗主義? そう、ガンジーの精神でいってみたいなと思います。
小林:…そうですね! 僕もそんな感じでいきます!(笑)
大場:あと、一応音楽バラエティというくくりですけど、音楽の話なんて全然してないですから。
小林:音楽要素は本当にないです(笑)。
大場:と言いつつ、今後はナチュラルに出てくるとは思うんですよね。
小林:で…出てくるんですか?
大場:みんな音楽好きだっていうんで、何かいい音楽の話でもあればいいなって思うんですけど…。俺あんまり音楽に興味ないんだよね。
小林・加村:えええええええええ!?(笑)
小林:ないんですか!
加村:ちょっと、大場さん問題発言!(笑)
大場:DISH//以外興味ないんだよ。音楽って身近にあるものなので、いわゆる流行りの音楽もそうだけど、小学校のときに流行った曲とか、卒業式の泣ける曲とか、そういうテーマでどんどん盛り上がったらいいんですよ。あと、ゲストの方との交流が増えていくとまた違うと思うし。今、2人は「おじさんが話していることをとりあえず聞いていよう」「台風が過ぎ去るまで待とう」みたいな感じだと思うんですよね。
小林:ははは!!!(爆笑) 耐え忍ぶ感(笑)。
大場:そうそうそう。
◆小林さんは耐え忍んでいるんですか?
小林:いや、まあそういう気持ちもちょっと…。
大場:ははは!(爆笑) 強烈な台風だからね!
小林:たまに分からない言葉が出てくるので、そのときは「何だろう?」と思いながら、ただ時が過ぎるのを待っています(笑)。でも、今後は僕ももっともっと面白い話ができるように頑張りたくて。あと、僕はこの番組で初のMCに挑戦させてもらってるんですが、実は、DISH//もライブMCには台本が一切ないんです。だから、ここで学んだことを持ち帰ってメンバーを打ち砕いてやろうと思います(笑)。
大場:武道館でさ、「おまえらの中に人見知りは何人いるんだー!」ってね。
小林:言ってみたいですね(笑)。
◆最後に、番組の見どころを交えて、視聴者の方にメッセージをお願いします。
大場:トーク番組という体ですが、音楽も含めて、実は“生きざま合戦”になっていて。龍二君も真美ちゃんも人生いろんなことがあったんでしょうけど、俺もすごくいろいろあって。全く違うところで違うことをやってきた人たちが、あの喫茶店という空間で生きざまを見せ合いつつ、ゲストの方たちの生きざまも出てくる。当初そういう番組やりたいと思っていたので、それがいろんな形で変化していけばいいなと思います。
小林:ゲストの方のいろんな考え方や価値観もたくさん飛び交っていくと思うので、うまく引き出したいですよね。だから、皆さんには「そういう考えの人もいるんだな」って思いながら見ていただきたいです。
大場:世の中広いからね。
◆音楽バラエティでありながら、ドキュメンタリー番組のようですね。
大場:そうですね。ドキュメンタリーっていうと敷居が高い感じがしますけど、俺たち3人のバカのドキュメンタリーみたいな。バカメンタリーです。
加村:何かちょっとかわいらしい感じですね(笑)。
大場:そうね。じゃあ最後はトリの真美ちゃんがきれいにまとめて。
加村:え~~! きっつ~!!! …そうですね。普通に生きていたら絶対に交わらないであろう3人が番組をやっているという点ですでに面白いので、私たちが生み出す空気感も楽しんでほしいです! 私もどんどん成長していって、最終的には大場英治さんを超えるぐらいの…。
大場:それは絶っ対無理だから!
小林:あはははは(爆笑)
加村:いや、超えます…!
大場:まあそういう気合いは大事よね。
加村:大場さんのいいところをいっぱい吸収して、ひと回りもふた回りも大きくなっていきたいなって思います。私たちが成長する姿、そして“生きざま”を楽しんでください!
■PROFILE
小林龍二
●こばやし・りゅうじ…1997年1月6日生まれ。東京都出身。A型。
ダンスロックバンド・DISH//のメンバー。DISH//の歴史が詰まった5th Anniversary Memorial BOX「Delivery DISH//?インディーズベスト添え?」が5月5日(金)発売。ドラマ『釣りバカ日誌 Season2 新米社員 浜崎伝助』(テレビ東京系 毎週(金)後8・00)の主題歌「I’m FISH//」が6月7日(水)発売。
加村真美
●かむら・まみ…1993年1月12日生まれ。岩手県出身。O型。
岩手県のご当地ヒーロードラマ『鉄神ガンライザー』のヒロインに抜擢され注目を集め「1000年に2人目の美少女」として話題に。これまで東北ローカルCMも含め数多くのTVCMに出演。
大場英治(菊谷宏樹ディレクター)
●おおば・えいじ(きくや・ひろき)…1966年5月10日生まれ。東京都出身。
tvkの長寿音楽バラエティ番組で13年間に及びパペットを操縦してきた、通称“黒幕”。今回、3年の時を経て大場英治として顔出し出演。キャッチフレーズは「1000年に2人目のおじさん」。
■番組情報
<ネット局>
・チバテレ
毎週(月)深1・30~2・00
・三重テレビ
毎週(水)深0・20~0・50
・サンテレビ
毎週(金)後6・30~7・00
『関内デビル』HP:http://www.tvk-yokohama.com/kannaidevil/
●photo/関根和弘 text/金沢優里