連続テレビ小説『ひよっこ』で、みね子(有村架純)の働く「すずふり亭」の料理長・牧野省吾(佐々木蔵之介)の娘・由香を演じる島崎遥香さん。母親が亡くなったことをきっかけに素直になれない“跳ねっ返り娘”となってしまった由香との共通点や、AKB48を卒業して女優の道を歩むことへの思いを語っていただきました。
オーディションというだけで、気持ちがグサっとくる
◆連続テレビ小説『ひよっこ』が朝ドラ初出演となる島崎さん。出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか。
私は有村架純さんの友達役と聞いてオーディションを受けさせていただいていたので、マネージャーさんから「合格したよ」という連絡がきたときは「まさか、自分が友達役に…」って本当にびっくりしました。そこで友達役ではありませんでしたが、脚本の岡田(惠和)さんが「この役(由香)はどうだろう」って言ってくださっていると知って(笑)。ぜひやらせてほしい、ありがたいなと思いましたね。
◆制作統括・菓子浩さんは「オーディションでの島崎さんの演じ方は際立って見えた」とおっしゃっていました。
オーディションには慣れていなくて、「オーディション」っていうだけで気持ちがグサっとくるような状況になるんです。なので“苦しい苦しい”とは思っていたんですけど、やるからには絶対に合格を目指していこうって思っていましたし、そこからは全力投球でした。
◆ご自身が演じている由香というキャラクターについて教えてください。
私ってオーディションの時にこんなイメージを持たれていたのかな~と少しだけショックでしたね。結構猫をかぶっていたつもりだったのに、なんか見抜かれたのかな~(笑)。これを言ったら皆さん笑う気がするんですけど、私はかなり繊細で泣き虫です。現場では、辛いことがあってもなるべく耐えて、お家に帰ってから泣きますけど。ただ由香の本当はこう思っているのに強く言ってしまうようなところは、自分の性格と似ているなと。まだ数回しかお芝居させていただいていないのですが、その数回でキャラクターがころころ変わっているような感じもあります。自分でも由香がいい子なのか悪い子なのか分かんないなっていうつかみどころのない感じでしょうか。
◆初登場のシーンでは、とにかくつんつんしたみね子への“塩対応”が見られます。
由香を演じるのは、本当に難しくて。具体的には初日で言うと、せりふがとにかくきついのでその加減の調整、そしてのちに出てくるシーンでは、発している言葉と言い回し。スタッフさんとの話し合いで、そこの部分では由香の中にある優しさが見えないようにしたいっていうことになったので、せりふ自体の内容はものすごく弱いんだけど、強く見せなきゃいけないという微妙なラインがすごく難しかったです。
◆みね子役の有村さんや、お父さん役の佐々木さんとお会いした時のお2人の印象は?
有村さんは、こんなにもいい人っているんだなって思うくらい、私たち共演者に対してだけでなく、スタッフさん、マネージャーさんに対してもいい人です。佐々木さんはまだお芝居ではご一緒させていただいていないのですが、テレビの中にいる人というか“芸能人”というイメージですかね(笑)。
“自信を持ってこの道に進もう”って思えるようなものを探していけたら
◆AKB48卒業後も数々のドラマで活躍中の島崎さんですが、今後の展望を教えてください。
女優としての手応えみたいなものはほとんどないです。自分としては、まだ1人で活動を始めたばかりなので、いろんなことを…こんなに話せないから、バラエティは無理かな?(笑)、でもいろいろチャレンジしていく中で“自信を持ってこの道に進もう”って思えるようなものを探していけたらなと考えています。
◆そんな島崎さんが演じる由香は第70回(6月22日(木))から登場します。最後に『ひよっこ』の見どころをどうぞ!
この作品に携わることになって、由香ってどういう子なのかな、どうしたらいいのかなって常に考えています。由香がこのままつかみどころのないまま終わるのか、ちゃんと心根からの言葉を発信する日がやってくるのか、そこは私自身も楽しみにしています!あと…やっぱり家族と話す機会があってほしいなという願いもありますね。
■PROFILE
しまざき・はるか…1994年3月30日生まれ。埼玉県出身。A型。『ゆとりですがなにか』『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)など、数々のドラマに出演。現在放送中のドラマ10『ブランケット・キャッツ』(NHK総合)では、動物看護師・水島楓役で出演中。
■番組情報
連続テレビ小説 ひよっこ
放送日時:NHK総合 前8・00~8・15
BSプレミアム 前7・30~7・45
©NHK
●text/山下紗貴