CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送中の人気オリジナル番組『この映画が観たい』7月放送回は、ロックバンド[Alexandros]の川上洋平さんが登場。年間150本もの作品を見ながらも、マニアにはならず「にわかでいたい」と語る川上さんの映画への思いとは――。
◆今回、ご自身のオールタイム・ベスト5作品を選ばれましたけど、悩みましたか?
特に悩みませんでしたね。好きな映画を聞かれると「ブレイブハート」も「ダイ・ハード」もいつも入れているので。
◆見る作品を選ぶ基準はありますか?
その時々の感じですね。昔はレンタル店で2時間くらい吟味していました。2時間あったら1本見られちゃうんですけど(笑)。
何を見るかで一日のテンションも変わるし、人生で見られる本数は決まっているので、大事にしたいんですよね。
つまらなかったらつまらなかったでそれが面白かったりするし。
◆年間にどのくらいご覧になるんですか?
150本くらいです。本当は200本くらい見たいんですけどね。今年は何とか達成できるかな。
◆バンドのメンバーと映画の話をされることはありますか?
しますね。ドラムの(庄村)聡泰君がすごいマニアックなほうの映画に長けているので、そっちのジャンルは彼から教わったり。「鉄男」だったりとか日本の古い映画は彼から教わったりします。
あと大阪に僕の映画の師匠がいて。「大阪バイオレンス」とかマニアックな映画を教わりました。
ギターの白井(眞輝)君とは映画館でよく会います(笑)。
◆偶然にですか!?
同じ時間の同じ映画を見てるんです。地方のライブのときに前日入りで時間があって映画館に行って会うのは分かるんですよ。でも、普通に東京の映画館で会ったりするから「マジで!?」って。前の前の席が彼だったり(笑)。
◆ミュージシャン仲間と映画の話は?
ミュージシャンで映画好きな人って、けっこうこだわりが強くて。普通のテンションで話したいのに研究されているので…ちょっと入りにくいんですよね(笑)
僕は、にわかでいたいんです。
例えば映画の本を書くとしても、にわか目線で書きたいんですよ。監督はよく分かんないんだけど、みたいな。
にわかが一番楽だし、楽しいです。
◆それは映画との付き合い方の理想形な気もしますね。
最近、映画ってデートでもあまり使われなくなっているらしくて。もっと気軽に行けるような感じにしたほうがいいんじゃないかなって思うんです。
ミニシアター系とかだと、私たちが行ってもいいのかな、みたいなのがあるのかも知れないけど、気にしないで行きなよって。
うんちくを語る人がいるかもしれないけど、気負わずに行けばいいのにな、と。
◆劇場によってはちょっと特殊な雰囲気もありますもんね。
それはそれで素敵なんですけどね。もうちょっとオープンな感じにすれば、もっと劇場に行く人が増えるのにって思うんです。まあ、人が増えるのはイヤなんですけどね(笑)。
◆「きょうのキラ君」でカメオ出演をされましたが、スクリーンの向こう側にいきたいという願望は?
最初はあったんですけど、やっぱり無理だなって。
ミュージシャンは自分たちが作ったものを自分たちの好きなようにやっているから、歌詞を間違えても許されるじゃないですか。それが自分たちの作品だし。
でも、彼らは集合体であって、誰かが作った台本があって、それを撮ってという決められたことの中でやっているから、責任感が出てくると思うんです。
ミュージシャンも責任感がないわけじゃないですけど、そこに関しては僕は立ち入れないなって思いました。ただ好きなだけで見ていたいなって。
そこが俳優さんとか監督さんを尊敬する所以ですね。すごいと思います。
◆「きょうのキラ君」では教師役を演じました。
エキストラで出してくださいって僕からお願いしたんです。
セリフはなしでお願いします、通行人でいいんですけどってお願いしたんですけど、先生役でって言われてわりと出てたんですよ(笑)。2秒くらいでよかったんですけど。
大事なシーンで使われていたりして恐縮しました。
◆役者ではなくて監督をしてみるというのは?
死ぬ間際に1本撮りたいかな。当たらなくてもいいやみたいな(笑)。
◆では今のところは出演よりは主題歌のほうで。
そうですね。仕事になるやつで(笑)。
エキストラはやりたいですけどね。
あの人、主題歌を提供した作品には出てるんだよっていう決まりがあれば面白いじゃないですか。
それで「エキストラアカデミー賞」があれば(笑)。
カメオ出演にあこがれていて。実はあの人、監督なんだよっていうのあるじゃないですか。
◆知る人ぞ知るっていう。
そう。あの感じが好きなんですよね。そこでちょっと映画にバグを入れたいなって。
◆それを見つける楽しみもありますよね。
そうなんですよね。そこもけっこう好きですね。
◆好きなジャンルはありますか?
ジャンルを問わず見てますけど、何となくサスペンスを楽しみにしている自分がいますね。
ラブコメとかも見ることは見るんですけど、見ていない映画がいくつかあったらやっぱりサスペンスを選んじゃいますね。
この間見た「ノック・ノック」っていう映画が結構ビミョウで(笑)。
口直しに見たマイケル・キートンの「スポットライト 世紀のスクープ」はよかったですね。
◆なかなかその2本立てはあり得ないですね(笑)
ラブコメだと基本的な流れができているから外すことが少ないんですけど、サスペンスは外すと痛いんですよね。
サスペンスはけっこう賭けなんですよ。こんなオチ?みたいな(笑)。
◆たくさんの映画を見てきた川上さんでも選別眼を身に着けるのは難しいですか?
最近は分かります。これはつまんないだろうなと思って見たらつまんなくてもそんなに落ち込まなかったり(笑)。
◆この監督の作品は必ず見るという人はいますか?
クリストファー・ノーラン監督は見ちゃいますね。気になります。
あとМ・ナイト・シャマラン監督も売れてないときの作品が好きで。あの「世にも奇妙な物語」的な雰囲気を作り出している人はいないですよね。不思議な魅力があるんです。
◆見た映画は記録されるんですか?
携帯にいつも記録しています。印象的なセリフとか、ゾーイ・デシャネルがかわいかったとか(笑)。点数は絶対付けていますね。
◆映画から影響を受けることはありますか?
めちゃくちゃあります。このセリフいいなあとか。
セリフもそうなんですけど、字幕でいい日本語だなとか。
たいした映画じゃないのに(笑)意外といいセリフがあったりして、見逃せないんですよ。
◆映画音楽についてはいかがですか?
ミュージシャンとしてはやっぱりやってみたいです。
「ALWAYS 三丁目の夕日」の佐藤直紀さんの曲とかすごい素敵ですよね。
音楽がいいとサントラ買っちゃいます。
いつかはやってみたいですね。
◆映画音楽を作ってカメオ出演するというのは?
完璧なパターンですね。セリフは絶対なしで!(笑)
◆番組で映画についてたくさんお話をされましたが、気持ちいいというか、出し切った感はありますか?
出し切った感ですか!?(笑)。今まで言いたかったけど言えなかったということはないんですけど、たしかにラジオで映画のことばっかりしゃべってると怒られちゃうんで(笑)。意外とこういう場ってないですね。
◆映画だけを語る場はないですよね。もちろんミュージシャンですし。
でも、音楽こそ語れないんですよ。自分が作ったものを語るのってちょっと気持ち悪くて。自分の作品の感想とか、どうやって作ったかっていうのは種明かしみたいでちょっと…(笑)。
映画だったら自分の感想を言えますからね。だから映画サークルを作りたいんですよ。
にわか限定、詳しい人は厳禁で(笑)。
■PROFILE
かわかみ・ようへい…6月22日生まれ。ロックバンド[Alexandros]でVo&Gtを担当。
2007年より本格的に活動開始。2010年1月に1stアルバム「Where’s My Potato?」を発表。2014年に世界三大メジャーレーベルの一つ・ユニバーサル ミュージックとグローバル契約を結ぶ。
■番組情報
「この映画が観たい#46~[Alexandros] 川上洋平のオールタイム・ベスト~」
自身の人生に影響を与えた映画について語る、ムービープラスの人気番組。今回、川上洋平が挙げたオールタイム・ベストは、「ダイ・ハード」「アマデウス」「ブレイブハート」「マグノリア」「24アワー・パーティ・ピープル」の5作品。
CS映画専門チャンネル・ムービープラス
7月3日(月)23:00~23:30ほか
番組ページ(http://www.movieplus.jp/movie-detail/index.php?film_id=CS-0000000200803412-046)
ムービープラス公式サイト(http://www.movieplus.jp/)