現在放送中のドラマ『最後の晩ごはん』(BSジャパン)に五十嵐海里役で出演中の中村優一さん。ドラマの見どころや、撮影中のエピソードについて伺いました。
海里の天真爛漫さは憧れます
◆本作は、椹野道流さん原作小説のドラマ化です。台本を読んでみて作品の印象を教えてください。
僕が演じる五十嵐海里は、杉浦太陽さん演じる夏神さんに助けられたことから始まって、夏神さんが営む「ばんめし屋」で働くようになります。実はそのお店には幽霊もお客さんとして来店するんですが、海里は夏神さんを手伝いながら料理で幽霊たちを成仏させようと奮闘します。幽霊たちにもそれぞれ生きていた時の悩みだったり、それまで歩んできたストーリーがあって、全体を通してすごく温かい作品だなと感じました。
◆演じられる海里には、どのような印象を持ちましたか?
海里はねつ造スキャンダルによって芸能界を追放され、事務所の社長にも「実家の芦屋に戻りなさい」と言われて、地元に帰ることになるんです。僕も一度、芸能活動を休止していた時期があるので同じ境遇になった分、海里のせりふや置かれている状況が理解できますし、共感する部分もありました。ただ、僕はスキャンダルで辞めたわけじゃないですよ(笑)。海里自身は人懐っこくて人を喜ばせることが好きな人。そんな海里が好きですし、ピュアで無邪気という天真爛漫なところは憧れますね。
夏神さんは定食屋を営んでいるので料理上手な役なんですが、太陽さんも普段から料理されているのですごくお上手で。僕自身はこの作品が決まるまでは、包丁を触ったことがあまりなかったんです。現場では、太陽さんから包丁の使い方や出汁の取り方を教えていただきました。作品上では師弟関係なんですが、プライベートでも役柄の関係そのままというか、本当の兄貴みたいでした。
◆その杉浦さん直伝の包丁さばきや調理が劇中で見られるんですね。
そうですね。実際に2話でだし巻き卵を作るシーンがあったんですが、それは家で練習しました。家で練習しても、現場の厨房にあるフライパンは本格的なフライパンなので、焦げ付いたりしてなかなかうまく作れなくて。また撮影では、卵を溶いて、フライパンに油をひいて、卵を流し込んで…という一連の撮影だったので、工程を把握するためにいろいろと勉強しました。今後の海里の料理シーンも実際に僕が作っていたりするので、練習の成果を見ていただければと思います。
◆2話からは、新たにメガネの付喪神・ロイドが登場しました。
僕がメガネを拾ったことにより、僕がロイドの主人になります。主人ということもあって、海里はロイドには強気な態度を取るんですが、結局は助けられっぱなし(笑)。ロイドはすごく優しいキャラクターでいつもニコニコしているんですが、演じられる篠田三郎さんご自身も役柄そのままで。個人的に小さいころからウルトラマンを見て育ってきた僕にとって、『ウルトラマンタロウ』に出演されていた篠田さんと一緒にお芝居ができてすごくうれしかったです。
ばんめし屋は実際に営業しているお店を使用しているため、深夜12時からお昼の12時ぐらいまで撮影していました。その中でみんな睡魔と戦っていたり、お芝居や料理と戦っていたり…といろんなことと戦っていました(笑)。さらに太陽さんに篠田さん、千村利光監督をはじめとしたスタッフさんも熱量のすごい方たちばかりで、1つひとつにこだわりながら撮影をしましたので、僕たちの戦いをぜひご覧ください。
◆最後に今度の見どころを教えてください。
今後も1話ごとに豪華なゲストの方々が登場されます。僕自身が憧れていた俳優さんたちもいらっしゃって。その方たちとお芝居ができたのはすごくうれしかったですし、勉強させていただくことがたくさんありました。海里としては、お店で働きながら幽霊をはじめ、いろんな人と触れ合うことによって成長していきますので、楽しみにしていただければと思います。見どころとは関係なくなっちゃうのですが、僕自身テレビ東京さんのバラエティやドラマが好きで。ついこの前もマネージャーさんに『池の水をぜんぶ抜く』に出たいって話していて、このドラマをきっかけにBSジャパンさんやテレビ東京さんの番組に出演したいです!(笑)
■PROFILE
●なかむら・ゆういち…1987年10月8日生まれ。神奈川県出身。O型。主な出演作は『仮面ライダー電王』、ドラマ『ふたりのスピカ』、映画「八重子のハミング」、「スレイブメン」ほか。佐藤和夫役で出演する舞台「アンフェアな月」が2月22日(木)より東京・天王洲銀河劇場にて上演。
■ドラマ情報
『最後の晩ごはん』
BSジャパン
毎週(金)後11・30~深0・00
●photo/金井尭子 text/宮西由加