武田玲奈主演の映画「人狼ゲーム インフェルノ」が4月7日(土)より公開。本作に出演するBOYS AND MENの水野勝、平松賢人、吉原雅斗が演じたキャラクターや撮影現場の様子、そして役者としての目標を語った。
◆演じたキャラクターと演じる部分での自分なりに工夫をした点は?
吉原:辻遊馬という、映画版から参加するクラスメイト役を演じさせていただきました。監督といろいろ相談をさせてもらった時に、クラスにはカースト制度というものがあって、すごくいじめる子がいるグループがあり、クラスになじむのが苦手なグループがあり、どちらにも属していないような普通の子を演じてほしいという話があって。結構普通の子を演じることって難しくて、何が普通なのかと考える中で、何か発言する時でもひとつ勇気を出して話すような子を演じようと自分の中で決めて。それにつながるしぐさや、何かするときにアクションを起こすための気持ちづくりが大変でしたね。すごく苦戦したシーンがあったんですが、その時に監督からある言葉をいただいて。そのシーンは僕がみんなに勇気を出して発信するシーンなのですが、そこで監督が助監督をやっていた時に大切にしている言葉があるんだよって、「演じる側の自分が一番感動しないとその周りの人を感動させられない。自分が一番入らないと、見ている人をのめりこますことはできない」それを踏まえながら、自分の中でいろいろ試しながらやった感じです。
平松:越智一二三という役を演じさせていただきました。辻君とはちょっと違うタイプで、クラスの中ではいじめる側のグループに属している人で、かといっていじめるのが好き、誰かをいじめたいというわけではなく、何か面白いことが大好き、自分が楽しい、誰かが笑ってくれることを最優先してしまうばかりに、それがいじめにつながってしまうという役なんですけど。基本的にちょっと馬鹿というか、人のことを考えられない、勉強もそうですね。人狼ゲームを深く知らないけれども、そういった中でゲームに放り込まれてどう頑張っていくかが越智君ですね。
◆普段のキャラクターに似ているのでは?
平松:明るく、いつもニコニコしている部分は一緒ですけど、学生時代はどちらかというと辻君タイプというか、マスクをしてメガネをして友達が誰もいないような。
◆本当に?
平松:本当なんですよ。
水野:これが本当なんですよ。名前も知らないぐらいですから。
平松:大学にも少し行っていたんですけど。いつも5人ぐらいでごはんを食べていて、3人ぐらい名前を知らないんです。聞くタイミングが分からなくて。
水野:誰とごはんを食べていたんだって(笑)。
平松:ボイメンにいるときは、こういう感じですけど、普段はそんなことなく…、真逆の役を演じたぐらいです。
吉原:僕と同じ高校だったんで、頑張っているなと思って(笑)。本番やカメラが回っていないところで盛り上げているのを見て、頑張っているなーって見ていました。
平松:みんなの中に入った時に違和感があったら嫌じゃないですか。出会った瞬間、カメラの回るまでも陽気でいようと、すごく頑張っていろいろな人に話しかけていましたね(笑)。
水野:謎の男役を演じています。綾部監督とは「みんな!エスパーだよ!」でご一緒させていただきました。謎の男のシーンはところどころしかないですし、まず迷ったのが、少ないシーンの中でどういう人なのかをしっかりと演技で分かりやすく伝えるのか、分からないままで終わらせるのかをすごく迷いました。監督に相談をしたら、分からないまま終わらせた方が面白いと仰っていただき。ルックスもいろいろ変えた方がいいのではないかとも思ったんですが、見た目も裏切りたいからルックスもそのままでいいよと言われて。そのままでいこうとなりました。また、複雑な役どころで、受け答えもA.I.のような感情を出さなくていいし、話していることも本当のことか分からないようなテンションでいいと言われて、引き算の演出をされて楽しかったですね。
◆難しいですね。
水野:難しかったですね。短いシーンでいろいろ見せたくなってしまうんですけど、あの人何だったんだろうなというイメージ。そこに今回は重点的に意識して演じましたね。
◆ミステリアスな役割だったんですね。
水野:いろんな情報が出てくるんですが、本当のことは人の本質が見えるという人狼ゲームの核となる部分で、それ以外は多分本当のことか分らかないという感じです。
◆以前武田玲奈さんからもすごく現場を盛り上げていただいたと聞きました。具体的にどんなことをして盛り上げたのでしょうか?
吉原:撮影とはまた別に、親睦を深める、ルールを詳しく理解するという名目でプライベートの人狼ゲームを開いてくださって。実際にランダムでカードをひいて、やって楽しかったですし、主役の玲奈ちゃんが早めにつられたり、映画ではありえないような展開が起きて。僕とかが最後まで残ってしまって(笑)。そういうことで親睦を深めたりして。あと、平松君が、差し入れをもっていったんですけど。名古屋のお土産を、ういろやゆかりとか。でも僕たち3人でBOYS AND MENじゃないですか。賢人が買ったとしてもBOYS AND MENからってすればいいじゃないですか。なのに「平松賢人様からの差し入れです」って、こいつモテにいきやがって。現場で。ポイントを稼ごうとしたんですよ。そんなことされたら、僕らは何も持ってきていなかったので肩身が狭かったですよ。
平松:最初はスタッフさんにボイメンからでいいですよと言ったんですけど、僕の裏が見えたんでしょうね。本当は僕が買ってきたのに…って。いざ紙を見たら、「平松賢人様より」って書いてあって(笑)。
水野:モテにいってましたね、「おいしいですー」「ありがとうございます」ってキャッキャしてたね。
平松:ただのういろじゃなくて、女子ウケしそうな「ウイロバー」を買ったんです。話題提供が下手くそで、どういう話をしたらいいか分からなくて、でもそれもひとつのネタになるじゃないですか。なので、名古屋以外にも違う現場でお買いものできる時間があったら、差し入れを買って持っていっていましたね。
◆実際に撮影に入る前に人狼ゲーム経験は?
水野:僕はやったことがあります。
◆結構強いですか?
水野:どちらかいうと強い方ですね。
◆コツはあるんですか?
水野:コツですか・・・何なんだろう。相手の気持ちを読み取る感じですか。この人はあの人を疑っているなとか。そこに便乗すると仲間が増えていって、だんだん仲間を増やして、うまいこと切り捨てるんですよ(笑)。
◆強そうですね(笑)。実際のキャラクターと違うと思いますが、どこに注目してほしいですか?
水野:ある意味淡々とシーンを撮っていったので、その中でも、多少目線や少し表情を一瞬変えたり細かいことをしたのでそういう部分を見てくれたらうれしいです。あと何なんだろう感、ナゾ感を感じてもらえたらいいですね。
平松:僕、彼女がいるんですよ!作品の中で。
水野:唐突だな。思わず「おめでとう!」って言いそうになった(笑)。
平松:彼女がいまして、同じクラスメイトのみんな知っている仲ではあるんですけれど、だから一人で戦っているわけではない。彼女がいるからそういう戦い方になるというか。あまりネタバレになるので言えないけど、二人分の思いがあるよというのを感じてもらえたらいいですね。
◆現実では彼女いるってなかなか言えないですよね?
水野:現場で彼女として紹介されましたよ。「僕の彼女です」って。
平松:舞い上がっちゃって。
水野:全体的にはしゃいでいましたね。女性にちやほやされて、うれしかったんだよね。
平松:いまでも撮影の期間に戻りたい(笑)。
吉原:人狼ゲームの集められたメンバーにチーム感がある中、僕は一人ぼっちだったので劇中でみんなが話していることが知らないことが多くて。取り残されている感があるからこそ話すことに勇気がいったりするようなイメージで、話す前に考えて意識をしました。そういうことが伝わるといいですね。
◆人狼シリーズはヒロインが若手俳優への登竜門となっている中、どんな雰囲気で、共演者としてヒロインの武田さんをどう見ていましたか?
水野:日数が少なかったんですけど、僕たちは知っていて、武田さんも僕たちのことを知ってくださっていて、現場で会うのは初めてでした。人見知りな方だなと思いました。でもお芝居に真剣に向き合っていて素敵だと思いましたね。僕はそこまでしか分からなかったです。
平松:僕がはしゃいでいたのは前半で、みんなが生きている状況だったんですけど。日数を重ねるごとにピリピリしてきて、撮影前も撮影後もそういう空気になってきて、そこから主演の玲奈ちゃんともほとんど会話しないですし、こうしようとかいう話もなくずっとそういう空気感。後半はほとんど会話をしていないですね、僕以外にも共演者の皆さんもコミュニケーションをとっていなかったですね。
◆役に没頭するために集中して?
平松:そういう感じでしたね。
吉原:僕はそのあたりは知らないですね(笑)。最初はすごく、勝君と同じく人見知りな方だなと思ってたんですけど、意外と打ち解けるとノリがよくて。あと結構笑い上戸なのかなと思いました。笑うのが好きというか、ちょっと物事が起きるとケラケラ笑うイメージ。あと、ちょいちょい毒舌な感じもありました。あと、コーヒー飲めます!
水野・平松:それはいらないよ~
吉原:ブラックで飲んでいます!ここだけの話。
◆投票のシーンは観ている側も、ものすごく緊張感が伝わりました。実際に投票シーンの前後の雰囲気や、撮影で苦労したことは?
平松:すごく疲れますね、とにかく。頭も使うし、身体も疲れているし。撮影終わった後に一番感じました。撮影中は台本があってセリフも決まってるんですけど、主軸なだけであってそこからそれてもいいよと監督に言われていて。実際にやってみると、セリフは想像の中での言葉なので、実際に出来事が起きると、セリフのない人たちもしゃべりだして、それに対してリアクションが出てきて、主軸から離れてはいないけれども、新たなシーンが生まれたり、アドリブで進んでいったのが投票シーンでした。本当に緊迫したムードというか、実際に台本ではこの人って決まっているけど、違う人になってしまうのではないかという状況にもなって、心を乱される感覚ですね。
◆リハーサルから本番の流れとは思うのですが、それでもその時の感じに?
平松:リハーサルをセリフ合わせで1回するのですが、台本とやっぱり変わってくるんですよね。いいところは残し、いらないところは削って。また、繰り返すとみんなの言い方のテンションで新しいものが生み出されて。そういうのを3回ぐらい繰り返して、こういうふうにしようと決めて。実際に本番で変わっても監督がOKとしてくれたので。本当にみんなが生きている感じでお芝居をしました。
◆お芝居を見ている感覚がなくなり、どうやって作っていけたのか興味深かったです。
吉原:僕、1回しかやってないですけど、ほとんど覚えていないです(笑)。アドリブでほとんど構成されたので「うわー」ってなって終わっている。息も荒れているし、頭を使って頭も痛いし、飛び込んだりもして身体も痛いし。それも断片的で、めまぐるしすぎてここがこうで冷静でいることも大変で。気づいたらカットがかかって終わっていました。ほとんど誰が何を言ったか覚えていない感じです。
◆もし今後、新しい作品のお話がきたときにどんな役をやりたいですか?
吉原:僕は、“ザ・オタク”をやりたいですね。チンピラとか、陽の役が多くて、今回は若干、陰の役でしたけど突き抜けた設定ではなくて、普通に見える子、日常にいそうなタイプを演じることが多かったので。非日常が好きな役はセリフ回しも全く変わって、勉強することも多いと思うので、一回チャレンジしてみたいです。
◆何オタク?
吉原:もろ二次元の「萌え~」がやりたいですね。楽しそうだし、僕はゲームやアニメも結構好きなので。演技の幅が広がったらいいと思います。
平松:自分から遠い役を演じてみたいですね。前回ドラマに出た時も、犯罪グループのメンバーはありますが、犯罪者を演じてみたいです。悪~い役。
◆どんな悪い役?
平松:殺す、だます、薬をやってしまう。
水野:ピー(放送禁止)ですよ。
平松:悪いことをやっちゃう。自分から遠い奴をやりたいですね。作品の中で一切ニコニコしない。今までの自分の幅になかったような人物、犯罪者。
◆悪玉に関してはハードルが高そうですね。見た目として。
平松:そうですよね、だからそこを覆したいです。
吉原:目がきれいすぎるから無理ですね。見た時、この子は悪い子ではないと思いますから。
平松:じゃあ僕もオタクやってみたいです!
吉原:何でのってくるんだよー(笑)。
水野:今年28歳になりますが、役者と言うにはまだ程遠いので、とにかく今いろんな役をやりたいと思っていて。昨年はワンシーンも含めると7役程やらせていただき、どの役にもなれる人になりたいですね。妻夫木聡さんが素晴らしいと思っています。オタクや、清潔感のある役、「ミュージアム」では怖い役も演じられていて、どんな役にもなれる方。何役でもいい、今の自分を裏切れる役をやりたいです。割と好青年の役が多くて。リーダーなのでしっかり者のイメージをもたれるんですけど、実際はだいぶチャランポランなんですよ。逆に僕がもっている自型のイメージを本当は演技で発散したいです。メチャメチャやってみたいですね。
吉原:本当、好青年が多いよね。
水野:イメージで役をいただくことが多いので。
◆アクションはどうですか?
水野:アクションも続けていきたいですね。腰をけがしてしまい療養中なんですけど、最近また活動を再開しまして。アクションは続けたいです。
◆ド派手なアクション楽しみにしています。
水野:そのために頑張ります!
■PROFILE
映画「人狼ゲーム インフェルノ」
4月7日(土)公開
<出演>
武田玲奈、小倉優香、松本享恭、時人、平松賢人、都丸紗也華、貴志晃平、吉原:雅斗、海田朱音、水野勝、足立理、加藤虎ノ介
<スタッフ>
監督:綾部真弥
原作:川上亮
公式サイト:http://jinro-game.net/
©2018「人狼ゲーム」製作委員会