「勝手にふるえてろ」で多くの女性の共感を集めた大九明子監督の最新作「美人が婚活してみたら」が3月23日(土)より全国公開中。主人公は、容姿は申し分なく仕事も充実しているが、どこか足りない毎日を過ごすタカコ。そんなタカコを演じたのはタカコと同年代の黒川芽以さん。同年代だからこそ感じた本作の魅力を黒川さんに聞きました。
「美人なら結婚できるとは限らない」って本当にそうだと思いました
◆黒川さんが演じたタカコはどんな女性だと思いますか?
純粋に恋愛できない女性だなって思いました。「美人なら結婚できるとは限らない」ってせりふがあるんですけど、本当にそうだと思いました。中身が大事ってきれいごとではなく、長い目で見たら今からの人生の方が長いわけなんで(笑)。私の年齢的にすごく感じているんですよ。30代になって、イケメンだからとかよりもやっぱり長く一緒にいるのはどういう人がいいのか考えますよね。劇中でも矢田部(田中圭)と園木(中村倫也)はすごい対照的なんです。確かに若い時は矢田部のような男性にひかれちゃうけど、結婚するならば園木のような人。でも、園木も何か足りないんですよね。タカコの揺らぎが分かります。
◆タカコに対しては共感できる部分が多かったですか?
もちろん分からない部分もありました。そういう時は監督に相談していたんですが、すらっと教えてくれるんです。「タカコと大九監督は似ているのかもしれない」と撮影の途中で思い、監督の色に染まった方が絶対にタカコになれるし作品的にも面白くなるだろうと全てをゆだねました。あと、監督は演出でかわいいことをさせようとしてくれるんですよ(笑)。口をパクパクさせたりとか。そういうクスっと笑えるちょっとかわいいみたいな。私、そういう演出を今までされたことがなかったのですごくうれしくもあり、恥ずかしくもありました(笑)。
◆「婚活」に対してのイメージは変わりましたか。
「婚活」は結婚に対して積極的な人たちのイメージでしたが、この映画を通して、自分磨きを頑張っている人だと思いました。みんな普段よりもメイクや服装などきれいにしていて、おしゃれに気を使っているんですよね。それってすてきなことだなと思いました。
◆共演された臼田あさ美さん、田中圭さん、中村倫也さんの印象を教えてください。
あさ美さんとは初めての共演だったんですが、テレビのイメージそのまんまでした。本読みの段階から違和感もなく自然と親友になれました。幸せいっぱいのオーラがすごかったですよ(笑)。圭さんは朝と夜との現場でのテンションが違いすぎて面白いです。朝は半分寝てる感じだったのに夜はめっちゃ元気で(笑)。倫也君とは10代のころ、朝ドラ『風のハルカ』で共演してて、その後もたまに共演者の方たちと集まったりもしていたので幼なじみ感があって、久々にがっつり二人で演技するのがうれしくもあり恥ずかしくもあり、なんか不思議な感じでしたね(笑)。
◆最後に本作のPRをお願います。
この映画を見れば「婚活」のイメージが変わると思います。30歳前後の同じ年代の方は共感すると思いますし、それ以外の方も勉強になったりとか笑えたりするところもたくさんあると思います。女子同士のあるある会話を楽しんだり、自分にとってどんな人と結婚すればいいのかというのをあらためて考えたりするきっかけになるかもしれません。男性に女性はこういう会話をしているんだというのが知ってもらえる作品だと思います。
■PROFILE
黒川芽以●くろかわ・めい…1987年5月13日生まれ。東京都出身。O型。最近の出演作にNHK土曜ドラマ『みかづき』、映画「21世紀の女の子-セフレとセックスレス-」「はずれ家族のサーヤ」など。今後の出演作に映画「僕に、会いたかった」(5月10日(金)公開)など。
■作品情報
「美人が婚活してみたら」
全国公開中
<スタッフ&キャスト>
監督:大九明子
原作:とあるアラ子
脚本:じろう(シソンヌ)
出演:黒川芽以、臼田あさ美、中村倫也、田中圭、村杉蝉之介、レイザーラモンRG、市川しんぺー、萩原利久、矢部太郎(カラテカ)、平田敦子、成河
<ストーリー>
仕事にも容姿にも恵まれていたタカコ(黒川)だったが、不毛な恋を続けるうちに気づけば32歳。自分を変えるため、そして安泰な人生をゲットするためにタカコは婚活することを決意。親友で既婚者のケイコ(臼田)の勧めで婚活サイトに登録するが…。
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●photo/中村圭吾 text/冨口菜美 hair&make/帆足雅子(プランセット) styling/原田幸枝