豪華キャストが集結した映画「町田くんの世界」に主演している細田佳央太君と関水渚さん。1000人を超える候補者の中からオーディションで選ばれた2人が、主演に抜擢された瞬間の心境や豪華共演陣とのエピソードなどを語ってくれました。
池松さんとの共演シーンは撮影前から楽しみでした(細田)
憧れのお姉さんに優しくしていただいてうれしかったです(関水)
◆オーディションで選ばれたそうですが、主演に抜擢されたときの気持ちはいかがでしたか?
細田:僕から話していい?
関水:うん。
細田:主演に選んでいただいて素直にうれしかったです。でもすぐにプレッシャーを感じて緊張もしました。
関水:その場で2人でお芝居をした後、すぐに監督が「いいよね」と言って決めてくださったんです。だから本当にびっくりしました!すごくうれしかったんですけど、同時にプレッシャーを感じて、「自分で本当に大丈夫かな…」という不安な気持ちでいっぱいになりました。
◆お2人が共演者のお名前を聞いている瞬間の動画を拝見しましたが、どんどん顔が強ばっていくのが分かりました(笑)。
細田:ええっ!?ってびっくりしました。もちろんプレッシャーも緊張もありましたけど、監督からも「全力でやってほしい」というお話があったので、プレッシャーに負けてる場合じゃないなと。逆に「食らいついて全力でやらなきゃ!」ってスイッチが入りました。
関水:私はびっくりしすぎて、自然と固まってしまいました(笑)。「こんなスーパースターの方たちと一緒にお芝居をやらせていただくなんて、大丈夫なのか自分!?」ということで頭が真っ白になりました。
◆オーディションで一緒にお芝居をしたときのお互いの印象は覚えてますか?
細田:いやぁ…あった?
関水:うーん…。
細田:その時は勝ち取りたいという気持ちで、一生懸命役を演じていたんです。集中していたので、ほかは何も見えない状態でした。自分の持っている力を出して全力でやらなきゃと思っていたので、そこまで気が回っていなかったと思います。
関水:いろんな町田くん候補の方々と、何回もお芝居をしたんです。私もいっぱいいっぱいだったので、細田君と最後に一緒にお芝居をしましたが、「この方はこういう人なのか」と考える余裕はありませんでした。
◆では、現場で初めて会った時の印象はどうでした?
細田:大人の女性だなって思いました(笑)。お芝居するのは初めてと言ってましたけど、普通に「先輩だ!!」と思いました。
関水:私は細田君より学年的には3つ上なのですが、普段私は上に立ったりまとめたりするタイプではないので、「お姉さん的なことは何もできないぞ」って不安で。でも細田君はしっかりしているので、撮影中はいろんなことで助けていただきました。
細田:撮影が終わってから気軽に話すようになりましたね。撮影期間は自分たちのことでいっぱいいっぱいだったので、終わってから「あんなことあったよね」って思い出話みたいな感じで話すことが増えました。
関水:だね(笑)。
◆撮影が終わってあらためて気がついた一面はありますか?
細田:「ここまで話す人なのか!?」って思いました(笑)。撮影中は静かな方なのかなと思っていたんです。でも撮影が終わってからは、子供っぽくて無邪気なところがあると分かって、話しやすい人だなって思いました。
関水:細田君は意外と抜けてるところがあるなと思いました(笑)。
細田:そうなんです。結構、自分は抜けてるところがあるんです(笑)。
関水:人差し指と親指をくっつけて作るハートのポーズを知らなかったり、キャストが発表されたときも「え…」って顔をしたりして…。
細田:わざとじゃないです!(笑)
関水:しっかりしているのに、話している時に、そういうかわいらしい反応をすることが多いので、抜けているところがあるんだろうなって思いました(笑)。
◆ハートの話で思ったんですけど、流行にあまり興味がないとか?
細田:そう…いや、うん。昔のほうが好きだったりします。
関水:高校生で知らないのはびっくりだよ!
細田:そうなんですね。また一つ新しいことを覚えました(笑)。
◆撮影中の出来事で覚えていることを教えてください。
関水:つらいことのほうが忘れないよね。
細田:町田くんの走り方はつらかったかも。町田くんは50メートルを12秒台で走る設定なんですけど、それでも一生懸命走ってるんです。一生懸命走ってるけど、遅く見せないといけない。それをどう表現するかってなった時に、前ではなく上にエネルギーを持っていくような動きになったんですね。それで太もも上げみたいな形になりました。あそこは監督や演出部の方にアイデアを出していただいて、皆さんと一緒に考えて作っていきました。
関水:私はプールで町田くんがハンカチを渡してくれるシーンの段取りのときに、何回やっても「全然違う」って言われてしまったんです。終わりが全く見えなかったですし、「これはいつ撮影できるのかな」ってすごく不安になりました。でもそうやって諦めずに監督に指導していただいて、すごく感謝しています。
◆時間をかけて、丁寧に作っていったのが分かります。完成した作品を見てどう思いましたか?
細田:悩みに正面からぶつかって解決しようとする町田くんの姿勢がステキだなと思いました。
関水:私もすごく良い話だなって思いました。一緒に撮影していない部分は、町田くんが猪原さんに一生懸命になるシーンがたくさんあって印象的でした。「こんなに一生懸命になってくれたんだ」って、猪原さんとしても私としてもうれしかったです。
◆好きなシーンを挙げるなら?
細田:2人で叫びながら走るシーンが好きでした。「分からない!」って叫び合うのを俯瞰で撮っているのも面白いですし、お互いの気持ちがぶつかり合っているのがいいなって思いました。
関水:私も叫び合うシーンは好きです。2人ともうまく言えないことをワーワー言いながらとりあえず走って。あの感じが大好きなのと、あとは町田くんが木に登ったり、自転車で爆走するシーンも大好きです。本当に一生懸命なのが分かるから(笑)。
細田:僕はまた別に好きなシーンがあって、池松壮亮さんと一緒にお芝居したバスの場面が好きなんです。撮影前から楽しみでした。あそこまで自分の言葉を出しながら大人と子供がぶつかり合うことってなかなかないと思うんです。2人ともハイになっていて、芝居中にカットがかかってカメラ位置を変えている間もニヤケが止まらなかったです。それぐらい楽しかったです。
関水:私も池松さんと電車の中で撮影したシーンがあったんですが、その場面の設定も面白くて、池松さんとお芝居ができたのもすごく楽しかったです。
◆ほかにも豪華俳優陣が出演していますが、共演してみてどうでしたか?
細田:本当にいろいろ学ばせていただきました。撮影中は自分の役のことでいっぱいだったんですけど、岩田さんや太賀さんが自分のプライベートなお話を聞いてくださって。緊張をほぐしてくださいました。
関水:皆さん、本当に気さくにお話してくださいました。聞きたいこともたくさんあったんですが、現場に行くと自分のことでいっぱいになってしまって…。私からお話はなかなかできなかったんですが、皆さん優しくしてくださいました。一番うれしかったのは、前田敦子さんとお話した時。「私、日焼けしやすくて」と話したら、翌日日焼け止めを持って来てくださったんです。何気なくお話したことなのに、「これ、すごくよく効くんだよ」って。日焼け止めを頂いて、すごくうれしかったです。
◆普段のお2人はどんな人ですか?
細田:学校でははしゃぎます。
関水:へえ!!
細田:落ち着いているように見られることが多いんですけど、友達と一緒に話す時は騒いでたりします。実は小さいころから、母親に「男なのによくしゃべるよね~」と言われてました(笑)。自分の好きなことになると話が止まらなくなります。
関水:私はさみしがり屋で友達がたくさん欲しいんです。だから自分から話しかけに行ったりして、しゃべる方なんですけど…イジられがちかも(笑)。
◆ということは、初対面の人にも話しかけられそうですね。
関水:恥ずかしいし、緊張もしますが、黙っているよりは自分からいきますね。
細田:僕は自分からはあまり話しかけたりしないんですけど、何かきっかけがあって話すようになったら止まらないですね(笑)。共通の趣味があると分かった瞬間に、「それ何してるの!?」って前のめりでいきます!
◆今、一番好きなことは何ですか?
細田:何だろう…。学校では「この映画見た?」って話すことが多いですね。「ここ感動したよね」とかずっと話してます。今回の作品を通してさらに映画が好きになりました。
関水:私は本が好きです。今は「彼女、お借りします」という漫画にハマってます。「町田くんの世界」もハマって何回も読みました。気に入ったセリフを自分で言ったりしながら(笑)。
◆ハマると何度も読み返すタイプ?
関水:物事全部そうなんです。ハマるとずっとそればっかりになる。今チョコクロワッサンが好きなのでずっと食べています。ただ…結構飽きるのも早いです(笑)。
細田:僕も一緒です(笑)。好きになった映画やドラマ、漫画は何度も見ちゃいます。漫画はある巻にハマったらそればかり読んだりして。「このシーン好きなんだよな~」と思いながら。音楽も好きになったら、1週間くらい同じ曲を聴いてますね。
関水:1曲をずっと聴く気持ち分かる!
細田:好きなアーティストが新曲を出したら、ずっとそればかりとか(笑)。
関水:分かる!気が合うね(笑)。
■PROFILE
●ほそだ・かなた…2001年12月12日生まれ。東京都出身。A型。小学2年生の時に芸能界に入り。現在、『連続ドラマW 悪党~加害者追跡調査~』(WOWOW)に出演中。
●せきみず・なぎさ…1998年6月5日生まれ。神奈川県出身。O型。15年、「第40回ホリプロスカウトキャラバン」ファイナリスト。映画「カイジ ファイナルゲーム」が2020年公開予定。
■映画情報
<STAFF&CAST>
監督:石井裕也
原作:安藤ゆき
脚本:片岡翔、石井裕也
出演:細田佳央太、関水渚/岩田剛典、高畑充希/前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香/佐藤浩市/北村有起哉、松嶋菜々子ほか
<STORY>
運動も勉強も苦手で、見た目も地味な町田くん(細田)。でも人を愛する才能がズバ抜けていた!そんな彼が初めて“わからない感情”を知った時、周りのすべての人を巻き込んで、驚天動地のドラマが動き出す!みんなどうする?どうなる?
©安藤ゆき/集英社©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会
●photo/関根和弘 text/佐久間裕子 hair&make/竹井温(細田)、伏屋陽子(ESPER)(関水) styling/岡本健太郎(細田)、蔵之下由衣(関水) 衣装協力/ete、leialoha accessories