佐野勇斗さん、飯豊まりえさんで送るファンタジーラブロマンス『僕だけが17歳の世界で』がAbemaTVで配信中。幼なじみの航太と芽衣を演じたお二人に、この甘く切ない物語の見どころや撮影中の出来事などをお伺いしました。
◆出演が決まって最初にどんなことを思いましたか?
佐野:台本を読んでとても面白いお話だなと思いました。この作品はミステリアスな要素もあって、読み進めながら、実際これを僕が演じるとなると難しいな、どうなるんだろうなって、期待と不安が入り混じった気持ちになりましたね。
飯豊:私はすごくすてきなお話だなと思いました。胸キュンもあるけど群像劇でもあって、しかも幼なじみの恋愛やファンタジー要素もある。今回のプロデューサーさんは13歳のころからお世話になっていた方なので、こんなすてきな作品のキャストに選んでいただけたことが純粋にうれしかったです。だから絶対にたくさんの人に見てもらいたいって強い思いがありました。
◆高校の同級生は24歳になり、佐野さん演じた航太だけが17歳のままという設定でしたが、役作りで難しいことはありましたか?
佐野:正直に言うと脚本を読んでいる時は自分に似ているし、やりやすそうだなと思いました。仲の良い5人全員が高校生だったころのシーンは、想像どおり楽しくてやりやすかったんですけど、僕以外のみんなが24歳になってからは暗いシーンも多いんです。
飯豊:航太だけ死んでいるしね…。
佐野:そう。僕だけ死んで、みんなは大人になっている。その中で17歳感を出すのが難しかったですね。しかも重いシーンだからふざけるわけにもいかなくて。監督さんに「17歳感が消えてるぞ」って教えてもらいながら、ずっと「17歳だ」ってことを意識してお芝居しました。
◆飯豊さんは芽衣を演じる上で意識したことはありましたか?
飯豊:等身大の役柄でした。当て書きをしてくださったのでやりやすいんですけど、久々の恋愛モノを演じるのがとても難しかったですね(笑)。例えば、ここは泣くのを我慢したいけど、気持ちは悲しいから涙が出ちゃう。でもそうするとイヤな子に見えてしまうから泣いちゃダメと言われたりするんですね。そういうのが難しかったです。あと常に寄りで撮られてるでしょ?
佐野:うん、寄られてたね。
飯豊:寄られるからすてきに撮られたいじゃない(笑)。でもそれを意識すると、自然とお芝居を抑えちゃうことになったりして。あとは泣くシーンも多いから楽しいけど、その気持ちを抑えるのも大変で…。
佐野:芽衣の気持ちを演じるのは大変だよね。
飯豊:「もっと好き感を出して」って言われても、久々の恋愛モノで恥ずかしさもあるから、好きって気持ちを隠して出し切れないとか、いろいろ苦戦しました。
◆航太と芽衣はお互いを意識し合っている幼なじみですが、小さいころから一緒にいた二人はお互いのどんなところを好きになったと思いましたか?
佐野:航太は芽衣の何事にも全力で、何をやっていても楽しそうなところにひかれたんじゃないかと思います。劇中にはそういうせりふもあるんですよね。僕自身もそういう子が好きです。すてきですよね、全力で楽しそうな子。
飯豊:私が航太をすてきだなと思うのは、真っすぐで計算していないところです。言葉を選ばずに言うと、分かりやすくて単純(笑)。24歳の芽衣が「航太はバカがつくほど単純で、いくつになっても航太のまんま」って言うんですけど、その変わらない真っすぐなところにひかれたんだろうなって思いました。
◆お二人が胸キュンしたシーンを教えてください。
飯豊:航太が初めて弱い部分を見せるシーンは絶対に誰もがキュンとしちゃうと思う!
佐野:…。
飯豊:ここ言いたかった?芽衣が作ったおいなりさんを食べるシーン。
佐野:はい、同じー!(笑)僕は航太目線で話すと、そのシーンでより航太は芽衣を好きになったと思うんです。航太にとって一番つらい時に芽衣が一緒にいてくれる、僕も好きなシーンです。
飯豊:ああ、ここでね!あのシーンは早い時期に撮影して良かったよね?勇斗君は大変だったと思うけど、あれで距離が縮まった。
佐野:確かに!まりえちゃんは先にインしていて、僕が撮影3日目だったね。
飯豊:撮影前に勇斗君のお芝居を見て、泣きのお芝居がすごく繊細で全くうそがないなって思ったので、間近で見られるのがすごく楽しみでした。どんな感じなんだろうって。撮影中は、本当に特等席で見ている感覚でしたね(笑)。
佐野:それ、撮影が終わってから言ってくれたよね。
◆お芝居中、飯豊さんの視線感じました?
佐野:と言っても見守ってくれるシーンだったので(笑)。
飯豊:泣いている航太を抱き寄せるっていう(笑)。
佐野:聖母マリアでした!
飯豊:私の中ではユーミンさんの「守ってあげたい」が脳内再生されていました(笑)。
佐野:泣くシーンって、一緒にいるキャストの方が大事だったりするんですよね。
飯豊:隣でワチャワチャしていたら、泣きづらかったりするもんね。
佐野:まりえちゃんはちゃんと気遣ってくれるので、泣くシーンもやりやすかったです。
◆もしも奇跡が起きたら、もう一度会いたい人はいますか?
佐野:僕は母方のおばあちゃんです。僕が小学生のころに亡くなったんですけど、僕がこういう仕事をすることを一番応援してくれていたんです。今、僕がこうしてドラマや映画に出してもらっていることを知らないまま亡くなったので、作品を一番見てもらいたい人ですね。
飯豊:私は中学校の時の親友ですね。事故で亡くなってしまったんですが、その子には芸能界に入りたいって夢があったんです。でも今も応援してくれている気がするので…。この作品が終わったらお墓参りに行こうって思っていたんですね。その子を思いながら、今回の作品は臨みました。
◆では、もし今の中身のまま17歳に戻れるとしたら何がしたいですか?
佐野:僕はダンスですね。アイドルもやっているんですけど、ダンスがすごく苦手なんです。運動は大体できるのに、ダンスは本当にできなくて…。もし高校からやっていたら変われるじゃないかなと。今、必要なのは本当にダンスだから、今17歳に戻ったらサッカーはやらないです(笑)。
飯豊:私は学生の時に、学校をもっとより良くしたいって思っていたんです。でも何も言わなかったんですよね。学級委員はやらなかったし。でも今思えば、あのころもっとやっておけば良かったなって。「もっとこうしたらいいよ!」ってみんなに意見を言ったり。今だったら学級委員もやっちゃいそうです。私、今熱いから!
佐野:そうなんだ!?(笑)
飯豊:だって明日も絶対に生きているって言える人なんて1人もいないんだよ!
◆そう思うのも、この作品に出演したからですね。
飯豊:そうです。「今、好きな人がいる人、手を挙げて!じゃあ伝えて!」って、みんなをアシストしたい!(笑)
佐野:うまく作品につなげたなぁ(笑)。
■PROFILE
Hayato Sano
●さの・はやと…1998年3月23日生まれ。愛知県出身。A型。主な主演作に映画「小さな恋のうた」「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」など。4月スタートのドラマ『FAKE MOTION-卓球の王将-』(日本テレビ)に出演。ボーカルダンスユニットM!LKのメンバー。
Marie Iitoyo
●いいとよ・まりえ…1998年1月5日生まれ。千葉県出身。B型。主な出演作にドラマ『サイン-法医学者 柚木貴志の事件-』、映画「シライサン」「惡の華」など。4月スタートのドラマ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)に出演。
■作品紹介
AbemaTV『僕だけが17歳の世界で』
AbemaSPECIALチャンネル
毎週(木)後11・00から配信
毎週最新話更新(全8話)
<STAFF&CAST>
脚本:相沢友子
演出:小椋久雄
出演:佐野勇斗、飯豊まりえ、結木滉星、大友花恋、渡辺佑太朗、浜野謙太、YOSHI、古田愛理、袴田吉彦、石田ひかり
<STORY>
幼なじみの航太(佐野)と芽衣(飯豊)は互いを意識していたが、17歳の時、航太は事故で突然この世を去る。7年後、故郷に戻った芽衣は、航太との思い出が詰まった桜の木を訪れる。そこに17歳のままの航太が現れ…。
●photo/金井尭子 text/佐久間裕子