連続テレビ小説『エール』で、二階堂ふみ演じる音の豊橋時代の“ミュージックティーチャー”御手洗を演じている古川雄大さん。7月20日(月)からの第4週再放送では、副音声も担当する古川さんに、初の“朝ドラ”出演の感想や、山崎育三郎演じる“プリンス”佐藤久志とのライバル対決の裏話も聞きました。
奇抜さの裏に、弱い部分や葛藤があるところが御手洗の魅力
◆初の“朝ドラ”出演で、過去のトラウマから「先生」と呼ばれることを嫌う個性的な声楽講師・御手洗という役柄を演じた古川さん。あらためて出演の感想を教えてください。
御手洗という面白く個性的な役をいただけたことは本当に幸せです。反響もたくさんあり、やっぱりたくさんの方にご覧いただけているんだなと、あらためて感じました。御手洗はせりふにも奇抜な部分があったりしたので、どこまでやっていいのかという不安があって。でも監督には取りあえずその時の自分が思った120%で一度見ていただいて、そこから話し合いながら調整していく時間があったのが良かったなと思います。役作りに関しても、自分でボイスメモでせりふを録音したものを何回も録ってみたり、ピアノや歌のこともサポートを徹底してやってくださって。周りの環境がしっかり整っている分、御手洗という役により近づけたと思います。
◆あらためて、御手洗の魅力はどんなところでしょうか。
奇抜で個性的、分かりやすく目を引くキャラクターですが、その裏に弱い部分や葛藤がしっかりとあるところでしょうか。裕一さん(窪田正孝)の音楽の才能を人助けに使ってほしい、自分のような人を助けてほしいという願いも持っていますし、音さん(二階堂ふみ)とはお互いの実力を認めながら、師弟関係というより友達感覚の方が強く映る“同志”というか。そういったそれぞれとの関係性もしっかりと描かれているから、愛されるキャラクターに仕上がったんだと思います。
育三郎さんはすごく頼れる存在
◆第13週では、新人歌手発掘オーディションでの久志(山崎)との対決も話題になりました。普段ミュージカルの現場で共演する山崎さんと朝ドラで共演した感想は?
育三郎さんはすごく頼れる存在なので一緒にやらせていただく安心感がありました。撮影前に育三郎さんと監督さんとお話しする時間を設けていただき、「私はスターだ」(御手洗)、「私はプリンスだ」(久志)と、お互いの自信がどんどんぶつかっていく感じになったんです。動きはアドリブで、僕の口が回らず育三郎さんが「あ?」となるくだりなどもアドリブだからこそ、いい意味でリアルなシーンになったと思います。
◆ご自身もオーディションを受けた経験があると思いますが、共感できるところは?
僕は御手洗のように“最後のチャンス”“絶対に決める”と意気込むよりは、どちらかというと少しラフな気持ちで挑んでいるかもしれないです。自分の全力を見てもらって、落ちたら仕方がないという意識で臨んでいることが、僕の場合は良い方向に行っているのかなと思います。ただミュージカル「モーツァルト!」のオーディションを受けた時はちょっと意識が違いました。自分の全力を出さないとつかめない役でしたし、「僕はこの役を絶対やりたいんだ!」とアピールする気持ちが強かったです。そういった部分で言えば、御手洗と通じる部分があるかもしれないです。
◆ちなみに自粛期間中にリモート飲み会をしたと番組で話されていましたが、その時のことを教えてください。
最初は幼なじみの2家族と計5人でやったんですが、通信環境が不安定で思ったよりもくちゃくちゃになっちゃって(笑)。1人がしゃべって、1人が「え?」って聞き返して、その「え?」も被ったりして、そうこうしている間に1人だけフリーズしてる、みたいな(笑)。そういうのも全部ひっくるめてすごく楽しくて、3回くらいやりました。普段だったら絶対飲み会とか行かないんですけど…。あとはミュージカル「テニスの王子様」の青学4代目の仲間と、今回の自粛期間でより仲良くなりました。30歳超えたおじさん4人がテレビ電話で3時間くらい話したり(笑)。でもそれが全然苦じゃなく、むしろ求めていたところがあって。現場で人と会ってコミュニケーションをとっていたのが一切なくなってしまった時、自分は人と触れ合っていたいんだな、とあらためて感じました。
PROFILE
古川雄大
●ふるかわ・ゆうた…1987年7月9日生まれ。長野県出身。A型。ドラマ『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』『下町ロケット』、ミュージカル「エリザベート」「ロミオ&ジュリエット」「モーツァルト!」などに出演。
番組情報
連続テレビ小説『エール』
NHK総合
毎週(月)~(土)前8・00~8・15ほか