【インタビュー】『新春ドラマ特別企画 わが家』に出演!村川絵梨インタビュー

特集・インタビュー
2014年12月30日

2015年1月4日(日)に放送されるMBS/TBS系全国ネット『新春ドラマ特別企画 わが家』で、家族再会のきっかけとなる主人公の妹・ほの香役を演じた村川絵梨さんにお話を伺いました。

短い間だったけど“家族の雰囲気”がちゃんとありました

――向井理さん、長塚京三さん、田中裕子さんとそうそうたる役者さんたちと“家族”を演じるこの作品への出演が決まったときの感想はいかがでしたか

毎日幸せでした。台本を手にしたときから、光栄すぎて。
私が演じたほの香という役も、天真爛漫ですごく好きなんです。いつも直球ストレートで、結構すごいことを言っているんですけど(笑)、嫌味もないし、憎めないというか。
キャストの皆さんも、このお話も、全部が嬉しくて早く撮影したいなぁと思っていました。

――現場の雰囲気は?

本読みしたときは身震いしました。力入れたくても入れられないというか…。もうそこにいらっしゃるので、存在がドン、ドン、ドン、とあるようで、そこで私がしゃかりきに1人で芝居していても意味がないというか、そういう空気がありました。
いざ撮影に入るとすごく緊張して。でも、一瞬で取っ払えました。
撮影自体は何か月もなく、短い間だったけど、“家族の雰囲気”がちゃんとあって…。
そんな絆が最後には自然と生まれていて、クランクアップしたときはとても寂しかったです。

――ほの香に対して思うことや、自分とリンクするところはありますか?

(C)MBS

現場では自分が楽しかったので、ただはしゃいでいました。落ち込むことも、暗くなることもなく、いろんな人と話したりして楽しくしていました。ほの香と自分は似ているところが多いんだなぁと思っていました。意識はしていなかったんですけど。ほの香も私も明るいテンションで、結構失礼なことを言っちゃったりするタイプで(笑)。楽しいことが好きだし、正義感も強いほうだし。お兄ちゃんに対しても「こうしたほうがいいよ」とか、でしゃばっちゃったりとか…。でも実際には私は長女なので、ほの香みたいにずっと天真爛漫ではいられなくて、うらやましいなぁというところもありました。
ほの香はほの香で苦しんでいるところもあるんですけど、でもすごく自分を知っているし、多分ずっと幸せに生きていける人だなぁ、と。お母さんとお兄ちゃんに愛されて育ってきたんだなぁと思いました。

向井さんは、空気を体で出す方

――共演者の方とのエピソードを聞かせてください

(C)MBS

長塚さんは、ドラマの役のお父さんと一緒で、ふらふらしていらっしゃって(笑)。
本当につかみどころのない方でした。家のセットとかで待ってる時間があったのですが、私がぼーっとしていると、ふらーとやってきて「ふふっ」っと言ってきたり、逆に私がふらーっとしているとばったり会ったり…。時間があったときに1回だけちゃんとお話が出来て、長塚さんがたくさん海外に行かれていることを教えてくれました。「最近はもう疲れて行かれないけど」なんておっしゃってましたが、若い頃はいろんな国に行って、いろんな方と接してこられたから、独特の旅人みたいで。この役のお父さんの空気が常に漂っていて、捕まえておかないとどっか行きそう!という感じでした。

お母さん役の田中さんとはたくさん思い出があります。
これは女としてダメだな、と反省するエピソードがあるんですが…(笑)。
おせちを作ったり、味見をするシーンがあるんですけど、あんまり料理ができなくて、分からないんですよね。特におせちだと。
そうしたら裕子さんは首をかしげて「もっとこういうふうにして!」って(笑)。
栗きんとんを作るときは派手に散らかしてしまったんですけど、本当のお母さんみたいにいろいろと教えてもらって。味見をするときは、「もっとぺろっとやったほうがかわいいから!」と、細かい動作や所作を自然に教えてもらいました。「ダメ!こうこう!」って、お母さんみたいで楽しかったです。

向井さんは、何を話したかな?というくらい、たあいもない話ができる空気を現場で作ってくださいました。真面目な話をするわけでもなく、終始本当に兄弟みたいな感じでいたような気がします。
すごいなぁと思うのは、当たり前かもしれないけれど、せりふを絶対間違えないところ。
長いせりふも、ドライのときから間違えずに完璧で、さすがだなぁ…と圧倒されました。
なので、私も自然とピシッと、気が引き締まる思いでした。

あと、空気を体で出す方なんだなぁ、と。現場で緊迫した空気になるところは、向井さんから発されるものだし、穏やかなときも向井さんから発されるもので。
中心となる存在でいてくれたから、私もお兄ちゃんとして慕ってついていけました。
完全に寄りかかって芝居をしていた、という感じでした。

――印象に残っているせりふはありますか?

「意地を張るのも男だけど、頭の下げどころを知っているほうがもっと男だわ」。
私のせりふではないんですけど、まさにこの男2人の物語でぐさっと来るというか。
このせりふかっよすぎませんか?(笑) 男の人、みんな座右の銘にしたほうがいいと思います(笑)。あと、今思い出したのは、お母さん・鯛子さんのせりふなんですけど「布団はふかふかにしておきたいの。誰がいつ帰ってきてもいいように」。こういう家族の温かさとか、みんな同じ匂いを漂わせている感じとか、家族のことを五感で思い出すせりふがいっぱい散りばめられているなぁと思います。お正月に1人で見たら泣いちゃいますね、会いたくなって…。私の家族も放送を楽しみにしてくれているので、見てほしいなぁと思います。

親との関係や自分を見つめなおす機会になるいいドラマ

――では、村川さんご自身のわが家での思い出や、実家に帰ってきた、と思う瞬間は?

やっぱり匂いってすごいですよね。同じものを食べて、同じ環境にいたから、“家に帰ってきた!”と1番感じるのは匂いですね。私は14歳で東京に来て、妹も違う高校に行って、みんなバラバラに暮らしていているから、年末年始でさえも集まることがなくて。
なので、このドラマみたいな話って現実でも周りにたくさんいるし、家族がそろうことがレアというか。ちょっと緊張しちゃいますよね、全員集合、みたいな(笑)。
実際は自分にお兄ちゃんがいないし、お兄ちゃんが欲しくてたまらなかったです。ドラマでは憧れだったお兄ちゃんが出来た!という感じで、毎日楽しんでいました。

――最後にドラマの見どころを聞かせてください

とんでもない事件が起こるわけでもなく、ちょっとずつ小さな事件があって。ほの香が全部仕組んではいるんですけど。お父さんが20年ぶりに帰ってくることが大きな事件ではあるんですが、それが大げさではなくて、自然と受け入れられているというか。
それぞれがいろんな思いを抱えて生活していたんだなぁというのかひもとかれていきます。
でも家族って本当にそうだなぁ、と。本音で話すことってなかなかないですもんね。
このドラマで言うなら、父と子のけんかでみんなの感情が爆発して、そういう機会があることが大事なんだなぁと思います。このドラマの最後のシーンはとてもうれしくて。何かきっかけがあると再生できるんだなぁと思いました。放送されるのはお正月なので、きっと久しぶりに家族そろっている人が多いと思います。会っていなくても“家族はどうしているかな…”と、1年の中で家族のことを1番考える時期だと思うんです。子どもはみんな、親孝行したいな、と思っているけど、仕送りをしているだけが親孝行じゃないし…とか。
何万通りといろんな家族があって、距離感があって、もちろん1人で見る人もいると思うんですけど、このドラマには親との関係を見つめなおすせりふがいっぱいあって。それに自分を見つめなおすいい機会になるドラマだと思います。ぜひご覧ください。

 

PROFILE

村川絵梨…むらかわ・えり
1987年10月4日生まれ。大阪府出身。
2004年、映画「ロード88 出会い路、四国へ」で主演を務め、本格的に女優業に進出。2005年、NHK連続テレビ小説「風のハルカ」のヒロイン・水野ハルカ役に抜擢され、以後はドラマ、映画、舞台と幅広く活躍中。

オフィシャルサイト(http://artist.amuse.co.jp/murakawa/


ドラマ情報

  

『新春ドラマ特別企画 わが家』MBS/TBS系列全国ネット
2015年1月4日(日)後9・00~11・03

作:井沢満
演出:竹園元(MBS)
プロデューサー:竹園元(MBS)、深迫康之(MBS)、布施等(MMJ)
音楽:渡辺俊幸
主題歌:『ホームにて』高畑充希feat.KOBUDO-古武道-(ワーナーミュージック・ジャパン)
出演:向井理、田中裕子、村川絵梨、長塚京三/
市川実日子、きたろう、草村礼子、濱田マリ

■あらすじ
人材レンタル会社「友情物語」のスタッフ・桜木一歩(向井理)は、都会の片隅で他人の孤独や心の傷を埋める稼業をなんとなくこなす日々を送っていた。器量がよく、客からの人気も高い一歩だが、30歳を過ぎても自らは家庭を持つ気は全くない。その理由は、子どもの頃に父・武士(長塚京三)が突然家を出て行ったという過去があるからだ。そんな一歩の実家は三浦半島の海辺にあり、今は母・鯛子(田中裕子)が1人で暮らしている。
一歩にはバスガイドをする妹・ほの香(村川絵梨)がいるが、同じ東京にいながら互いに連絡先さえ知らない。
鯛子は正月さえ戻ってこない子どもたちに不満を募らせつつも、音信不通の夫や子どもたちがいつ帰ってきてもいいように気丈に家を守っている。そんな鯛子のもとへ、ほの香から「結婚するので先方の家族と会ってほしい」と電話が入る。同じ頃、常連客の1人暮らしのお年寄り・琴子(草村礼子)のもとで擬似家族を演じていた一歩にも“ある仕事”が舞い込んでいた。

公式HP(http://www.mbs.jp/wagaya/

小説版『わが家』

定価/本体620円+税
井沢満・著(竹書房文庫)

好評発売中


(C)2015「わが家」MBS

 

●取材/田代良恵

 

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