本仮屋ユイカ「すっごく元気になれるドラマです」『片恋グルメ日記』10・12スタート!

特集・インタビュー
2020年10月12日
『片恋グルメ日記』
『片恋グルメ日記』

◆本作の楽しさの表現のひとつとして、妄想シーンも大きな見どころとなりますが、演じてみていかがでしたか?

妄想シーンは、物語の頂点をワンシーンに込めるので難しかったです。
その盛り上がりを自分の中にリアリティを持ってできるかっていうのが勝負で、コロではあるけど世界線が違うから、また別の作品をやるくらいの集中力でやっていました。
1話はたぶん会社員のままだと思うんですけど、回を追うごとに全然違うシチュエーションも出てくるんです。もっと突飛なのものいっぱい出てくるんですが、その世界の中での役を作っておかないと演じられなかったので、2倍やった感じです(笑)。

妄想シーンって、男の子が何かを妄想して、フムフムって興奮してニヤニヤしてる画は見たことがあると思うし、想像しやすいと思うんです。逆に、女の子がそれをしてるってあまり見たことがないと思うんですね。それをやるっていうのはすごく画期的だなって思ったし、やりながらめちゃくちゃ恥ずかしいことやってるんだなって(笑)。
「ニヤニヤする」っていうト書きが多くて、この作品の中で2000回くらいニヤニヤしたんです。
その中でも、ただのニヤニヤじゃ面白くないから、自分がうれしいこととか、ちょっと恥ずかしいこととか、そういう普段人に見せないような、秘めて楽しんでるような部分を開示するように意識しました。
だから…普通に恥ずかしいです(笑)

でも、相手役が平岡(祐太)さんだからできたんだと思います。
やっぱり気心が知れてるから、お互いに“よーいドン!”でやりたいことを全部出し合えて。かなり濃厚な妄想なシーンになったのは、本当に平岡さんのおかげです。

『片恋グルメ日記』
『片恋グルメ日記』

◆平岡さんとの共演は2004年公開の映画「スウィングガールズ」以来ですが、16年たってまた同じ現場で一緒に仕事をするというのはすてきなことですよね。

この世界だからこそできることですよね。
でも、出会いは女優と俳優で出会った感じではなくて…っていうことを貫地谷しほりちゃんに言ったら「ちゃんと俳優同士で出会ってたよ」って言われたんですけど(笑)。
私としては物語の中で、普通にあか抜けない、さえない、“ビッグバンドをやらなきゃいけないっていう高校生”のときに出会っているから、幼なじみみたいな感覚がすごく強いんです。
そういう人が現場でどういうふうに立ち振る舞うんだろうっていうのが新鮮で。こういうところに俳優としてのこだわりがあるんだなとか、こうやって演技を作るんだっていうのが分かって、とても勉強になりました。
お互いに変わってないねっていうところと、そうやって仕事するんですねっていう発見と両方あって、すごく面白かったです。
ひらっちは、のほほんとしている癒やしキャラは10代のときから変わらずで、大人になってもそれを持ち続けていて。
かつ大人の俳優として言うべきことを自分で意見として相手に渡せる、貫き通すんじゃなくて、渡し方がすごく穏やかで上手で、すてきな俳優さんだな…、あっ!そうか!俳優さんなんだなって思いました(笑)。

本仮屋ユイカ

◆あの振り切った演技の裏には平岡さんとの関係性もあったんですね。

最初の本読みの時に、平林(克理)監督に私のYouTubeを見ていると言われて「うわ~、いやだなぁ(笑)」って思ったんです。
その「いやだなぁ」は、この人は本仮屋ユイカの本質から役を作ろうとしてるんだなって思って。逃げることは許されないし、徹底的にやらないと乗り切れない作品なんだなって。
うそもごまかしもなく生きようとは思っていますが、それだけはっきり宣言されて、いざ撮影をしてみたら本当に徹底的にやられる方で…。でもそれだけ私を信じてくれていたし、平林監督の言うことは全部面白かったし、この監督じゃなかったら私もこれだけ振り切れなかったと思います。本当に感謝しています。

◆平林監督がチェックしていたという本仮屋さんのYouTubeは本当にリラックスされていますよね。確かにコロのチャーミングさとつながる部分も感じます。

NGがないYouTubeにしたいと思っているんですが、それをそのまま役に反映させるというのは、本当に全ての自分の扉を全開にして演じるっていうことなので、ドキドキしました。でも、その分いろんな人が共感してくださるんじゃないかなっていう期待もあります。
いま、失敗が許されにくい世の中な気がしていて。本当はなんだってありだと思うんです。でもなんだってありって言われても、私自身も本当にありなのかなって疑う部分もあるし、いつもビビってるし。
それでも、あのYouTubeを見ることで「こんな適当な子いるんだな、ま、いっか」って思えるようなきっかけになってほしかったんです。
だから、コロが七転八倒する姿を見て、頑張れ!って応援してもらえたらうれしいし、私もやってみるか!っていうきっかけになったらうれしいですね。

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