金曜ドラマ『恋する母たち』で、吉田羊さん演じる母・優子の息子・大介役でドラマ初出演を果たす奥平大兼さんに、役どころや、理想の大人像などを伺いました。
見たことがない世界で興味が湧きました
◆本作がドラマ初出演となる奥平さん。出演が決まった時はいかがでしたか?
映画「MOTHER(マザー)」を経験して少し自信がついたので、出演が決まった時はうれしかったですね。「ドラマの現場を経験できるんだ!」という喜びが強かったです。
◆誰にも言えない秘密と悩みを抱えた母親たちのラブストーリーと少し大人の世界が描かれていると思いますが、台本を読んだ時はどんな印象を受けましたか?
母親が恋に落ちるという、自分では見えない、見たことがない世界なので興味が湧きました。自分の母がドラマと同じ立場だったらと考えると、ちょっと見方が変わりますけど…(苦笑)。3人の母親がメインのストーリーですが、その夫たち、息子たちの話も描かれるので、すごく面白いお話になっています。僕が演じる大介の物語もあるので、個人的にはそこを注目してほしいですね(笑)。
◆引きこもりの高校生という役を演じるに当たってはどんな準備をされましたか?
僕は大介のようにすごく頭がいいわけではないし、自分の家族に対して大介が抱いているような感情を持っていないので、せりふ1つをとっても「何でこんなことを言うんだろう?」と悩みました。大介を100%理解するのは難しいと思い、大介に近い役が出ているドラマを見て、それを参考に役作りをしました。大介はきっと地頭がとても良くて、見えないところでちゃんとやっているんだろうな、とか想像しながら演じています。
◆両親役の吉田羊さん、矢作兼さんとは共演シーンも多いと思います。ご一緒されてみていかがですか?
矢作さんは父親役として大介が時間を共にするシーンが一番多いんですが、カメラが回っていない時もコミュニケーションをとってくださって。そのおかげで本番でも同じ空気感で親子のように話ができています。吉田さんとはまだ一緒のシーンがないんですが、やはり合間には声をかけてくださったりして、本当に優しい両親です(笑)。
知識がある大人になりたい
◆母親たちは“恋”という誘惑に負けてしまいますが、奥平さんは何かの誘惑に負けてしまったことなどありますか?
服は結構衝動買いしちゃうタイプですね。よくお洋服屋さんへ行くんですけど、買うつもりとかなく、ウインドーショッピングをしに行くんです。実際に見に行って、店員さんに「この服何着あるんですか?」と聞いた時に、いっぱいあったら大丈夫だなって思うんですけど、残り2~3着とか言われるとまずいなって思って、どうしようって悩みつつも、結局その場で、来月頑張ればいいかなと思って、買っちゃうんです(笑)。自分が欲しいものに対しての誘惑にはすごく弱いと思います。
◆ドラマにはいろいろな大人が出てきますが、奥平さんの理想の大人像を教えてください。
大人になってから知識がない自分になるのが嫌だなと最近になって思い始めたんです。学校の勉強はもちろんちゃんとやらなくちゃいけないんですけど、自分の好きなものに対してもっと知識を増やしたいなって。学校の勉強とは別に、本をたくさん読みたいなと思っています。
◆例えばどんな本を?
今はゴッホの人生が描かれた本を読んでいます。僕は音楽が好きなんですが、特にクラシックが好きで、中でもショパンが一番。ショパンの名曲はたくさんあって、それを聞いたことはあっても、なぜその曲が出来たのかというところまでは知らないので、そこも掘り下げてみたいんです。ゴッホの本が読み終えたら、次はショパンについての本を読みたいなと思っています。
◆今後どんな役に挑戦してみたいですか。
具体的には定まってないんですが、いろんな役をやってみたいなという気持ちがあります。映画「MOTHER(マザー)」でも、この『恋する母たち』でも、割と暗い役が続いているので、1回ちょっと明るい役をやってみたいかも。暗い役は暗い役で楽しいですが、明るい役をやってみたいなという気持ちが以前より強くなりました。
PROFILE
奥平大兼
●おくだいら・だいけん…2003年9月20日生まれ。東京都出身。俳優デビュー作の映画「MOTHER(マザー)」の周平役で注目を集める。今作が連続ドラマ初出演。
ドラマ情報
金曜ドラマ『恋する母たち』
TBS系
2020年10月23日スタート
毎週(金)後10・00~10・54(初回15分拡大)
●photo/中村圭吾 text/田中ほのか