井上拓哉インタビュー「ダメっぷりは自分に似ている」連続テレビ小説『おちょやん』

特集・インタビュー
2020年12月18日

現在放送中の連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合ほか)で、主人公・竹井千代(杉咲花)の奉公先の芝居茶屋「岡安」とライバル関係にある、芝居茶屋「福富」の1人息子・富川福助を演じる井上拓哉さん。

関西を拠点に活動中の「劇団Patch」に所属し、テレビやラジオなど活躍の場を広げ続けている井上さんは、『おちょやん』でなんと朝ドラ出演5回目! そんな中でも今回の役は特に驚きの連続だったそうで…。

◆『おちょやん』に出演することが決まった時の感想を教えてください。

今回で5回目の朝ドラ出演になりますが、福助は僕にとって今までで1番大きな役。これまでの4回は短い期間での出演だったので、今回の話を聞いた時は長く出演させていただけることになりそうだというのに驚き、トランペットを演奏するということにまた驚きました。
10代から大人になり年を重ねていくのを演じることができるのは、うれしいことだし大きなチャンスだと思っています。ただ最初は全く実感がなくて。ほんまに自分が福助を演じるんだとようやく実感できたのは、撮影が始まってからなんです(笑)。

◆自身の役柄についての印象や演じる上で楽しみにしていることを教えてください。

福助は芝居茶屋の跡取りなのですが、トランペットに夢中で、口だけで行動に移さない男。第一印象は、ダメな男だなと(笑)。ただなんとなく憎めないというかほっとけないキャラクターで、ダメっぷりは自分に似ているところがあると思います。
僕にも適当なところがあって、友人に「適当な部分があるけどなんか憎めないよな」と言われたこともあります。でもそういった人間性は福助との共通点なのかなと、台本を読んで感じました(笑)。
それよりも大変なのがトランペット。これまで楽器はやったことがなかったので、ある意味、役作りよりも大変です。5か月間、毎日練習していますが、最初は音すら鳴らなくて。音が出るようになったら、また次の壁が立ちはだかって…。
何度も投げ出したいと思ったのですが、次第にもっと上手になりたいという欲が出てきて、楽しさに変わってきました。今回初めて共演させていただく杉咲さんが「トランペットはどうですか?」と声をかけてくださって。
「かなり難しいです」と答えたら、ご自身もやってらっしゃったみたいで「すごく分かります」と言ってくださったんです。もう共感してくださっただけで報われるというか、とてもうれしかったですね。

◆特にここに注目してほしいという点はありますか?

やはりトランペットの演奏でしょうか。…自分で自分のハードルを上げていますね(笑)。でも毎日トランペットには触っています。自宅ではミュートにしていますが、ミュートを外したほうが感覚的にもなじむと思うので、近所の高速道路脇の森みたいな人気のない場所でよく吹いているんです。
そこだと大きい音を出しても気兼ねしないので、伸び伸びと練習できて。でもたまに自転車が通ったりするので、その時は演奏を止めて携帯を触るふりをしたりしています。小心者ですよね(笑)。
「音に色気を出すように」と言われているのですが、これがなかなか難しくて。色気というのは出そうといって出せるものではないですから。なので意識しすぎず、真摯に役と向き合っていくことで、年を重ねた福助にも音にも色気を出せるようになれたらいいなと願っています。

◆放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

台本を最初に読んだ時に、ほんまにおもろいなと思ったんです。大阪らしい人情も出ているし、切ない場面でも面白くて、素晴らしい作品だと思います。福助の今後の成長ぶりをぜひ見届けていただけたらうれしいです。

<番組情報>

連続テレビ小説『おちょやん』
NHK総合ほか
毎週月〜土曜日 前8・00〜8・15ほか

<WEB>

番組公式HP:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/
番組公式Twitter:https://twitter.com/asadora_bk_nhk

©NHK

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