漫画家・清野とおるが知人から心霊話を聞き、そのスポットに実際に出向いてお酒を飲むという実体験を描いた同名漫画が原作のドラマ『東京怪奇酒』(テレビ東京ほか)が2月19日(金)からスタート。本作に本人役で出演する主演の杉野遥亮さん、原作者の清野とおるさん、実際に怪奇体験を多く持つ芸人・チャンス大城さんに、現場裏話や死生観、開運行動を語ってもらいました。
◆お互いの印象を教えてください。
杉野遥亮:僕、チャンスさん大好きです。初めてお会いしたとき、変わった方だなあって思いました。チャンスさんがいると、現場も明るく和やかな雰囲気になりましたよね。
チャンス大城:杉野さんは性格も良くて。芝居もうまくてね。
清野とおる:こんなに全てを兼ね備えた男がいるのかなっていう。まさに非の打ち所がなさすぎて、逆に怖くなったといいますか。1つくらい非があるだろうと思って杉野さんのことをずっといやらしい目で見てたんですけど、結局何もなかったですね。
杉野:いやいや、まだ猫かぶっているかもしれないですよ。
清野:いつかそれを暴きたいですね。
杉野:清野さんは、僕が清野さんの漫画の世界で演じる上でも「杉野さんの好きにやってください」ということを言っていただき、とてもありがたくて心強いなと思いました。全体的に清野さんも変わっている人です(笑)。
◆あらためて清野さんが漫画『東京怪奇酒』を描こうと思った経緯を教えてください。
清野:『東京怪奇酒』を描くまで主に居酒屋やスナックに通いつつ、そこで体験したことを描いていたんですが、40歳に差しかかった時に飽きたというか、あまり刺激を受けなくなってきたんです。人と密に付き合うことにも疲れてきてしまい、じゃあ心霊スポットに行こうかなって思ったんですよね。幽霊は恐ろしいけど、人間みたいに気を遣いまくる必要ないですし。あと単純に昔から怪談話が好きだったので、一石二鳥かなと。
◆ドラマ化のオファーを聞いた時はいかがでしたか?
清野:実写化は無理だと思っていたので、そもそも期待すらしてませんでした。でも、実は怪奇スポット以上にパワースポットにも足しげく通っていたんですよ。だからもしかしたら無意識のうちにパワースポットの影響で、ドラマ化が決まったんじゃないかな~とニラんでいますよ。
杉野:じゃあ次はパワースポットを巡る漫画の実写化しませんか?「みんなで運気上げていこうぜ!」っていうドラマ(笑)。
清野:パワースポットを巡る漫画は既にたくさんあるので(笑)。怪奇現場でお酒を飲んだりご飯を食べたりするのは誰もやったことないんじゃないかなと思ったのが本作を描いたきっかけの1つなんですよ。
◆怪奇酒をするようになってからアイデアがたくさん浮かぶようになったと伺いました。
清野:普通だったら誰も率先してしないようなことをあえて進んでやると、自分の脳がびっくりするんですよ。脳がびっくりすると、その分新たな視野が広がるというか価値観が生まれるというか。怪奇酒って僕の中では脳トレみたいなものなんです。
杉野:びっくりするのが脳トレだとしたら、ジェットコースターじゃだめだったんですか?
一同:(笑)
◆大城さんは今の話を聞いていかがですか?
大城:はいはいはい。あの、本当にこう…。
杉野:聞いてなかったでしょ!(笑)
一同:(笑)。
大城:話が壮大だったんで…。何についてしゃべったらいいか…。
杉野:聞いてなかったんですよね?(笑)
◆今回、清野さん、大城さんをはじめ、出演するゲストの方々はオカルトかいわいで著名な方ばかりです。
杉野:スタジオに皆さんが集まる機会があって。最初は「清々しいスタジオだな」って思っていたのに、なぜか帰る時、時空が歪んでいるように感じたんですよ。やっぱりそういう人たちがたくさん集まっているからかなって思いました。
清野:まず一堂に会さないメンバーですもんね。大島てるさんと「ムー」の編集長・三上さんは初対面だったんですが、大島さんは引っ越しする時は毎回お世話になっているし、「ムー」は小学校低学年のころから児童館で読みあさってましたからね。お会いできた時は感動しました。
大城:僕も引っ越しするたびに大島さんのサイトは見ています。
◆大城さんは昔から怪奇現象に遭遇することが多いそうですね。
大城:そうなんですよ。高校生の時は“悪魔のピータ”を見ましたね。その頃、同級生の家によく遊びに行ってたんですけど。そのお母さんが霊媒師さんで、霊を自分の中に一度取り込んで家に連れて帰ってから供養するらしいんですよ。それで、いつも家の中で「バーン!」とか「カタカタカタ」っていうポルタ―ガイスト現象もすごくて。
ある日、僕がその家に1人でいる機会があったんですけど、台所の冷蔵庫の上になんか気配を感じるんですよね。ぱっと見たら、角生やして緑色で鎧みたいなのをまとって、先っちょが尖った鉄の棒を持ってあぐらかいていて。「おまえ誰や!」って聞いたら、こんな怖い顔して「ピータや!」って言うんです。本当の話です。ご当地の悪魔やねん。
杉野:こういう感じでチャンスさんが明るく楽しくお話をしてくれて場が和むことが多かったです。ムードメーカーでしたよね。
◆実際に、死を身近に感じたことはありますか?
大城:僕は拳銃を2回突きつけられたことがあって。映画館でバイトをしていた時なんですけど。あの時は本当に怖かったですね。それ以来、普通のことがこんなに幸せなことなんだなって思いました。
清野:僕は、結構周りで人が亡くなることが多いので。だから人ってあっけなく死んじゃうものなんだなって。そういう覚悟というか、諦めみたいなものは常に持ってますよね。
杉野:僕も割と清野さんの考えに似ているかもしれない。僕も死ぬのはそこでお役目が終わったんだなって。そうなるようになっていたんだなって思うタイプです。
大城:修行なのかなって思います。死ぬ時は修行を卒業した時で、まだ死なないのは宿題が残っているんだろうな。
清野:杉野さんは現世に執着がないんですか?
杉野:死ぬのは怖いですよ。まだまだいろんな人とやりたいことたくさんありますし。でも死ぬことになったら、それはそれでその時が来たのかなと思います。
清野:僕が杉野さんくらいハイスペックで生まれてきていたら、めちゃくちゃ現世に執着すると思いますよ。長生きして人生楽しみ尽くしたいと思っちゃいます。
杉野:いやあ、ありがとうございます(笑)。
◆皆さんの開運行動を教えてください。
大城:僕はごみ拾いです。ある日突然、空から神様に見られている感覚になったんですよ。神様は見えないんだけど、確実に神様から見られているっていう感覚。そこから「神様、僕、ごみ拾いするのでちょっと見ててもらえますか?」「ちょっと仕事増やしてもらえませんか?」って言ってごみ拾いを続けていたら、本当に仕事が増えてきたんですよ。
杉野:僕も小さいころからごみ拾いしていました。当たり前のことですが、今は、ペットボトルのキャップ外して、分別してちゃんと捨てたり。僕も、誰かに見られている、ちゃんとやらないとばちが当たるんじゃないかと思って。
大城:コンビニのトイレもなるべく拭くようにしてます。やったら1ポイント。
杉野:僕もそれやります! いいことしたら、1ポイント。
清野:トイレ掃除は僕もやっちゃいますね(笑)。
杉野:開運行動ですよね。
PROFILE
●すぎの・ようすけ…1995年9月18日生まれ。千葉県出身。O型。最近の出演作にドラマ『直ちゃんは小学三年生』『教場II』『ハケンの品格』など。
●せいの・とおる…1980年3月24日生まれ。東京都出身。主な作品に漫画『東京都北区赤羽』、『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』など。現在は『さよならキャンドル』を連載中。
●チャンス・おおしろ…1975年1月22日生まれ。兵庫県出身。吉本興業所属のお笑い芸人。
番組情報
ドラマ25『東京怪奇酒』
テレビ東京ほか
2021年2月19日スタート
毎週(金)深0・52~1・28
出演:杉野遥亮、清野とおる、チャンス大城、松原タニシ、OKAMOTO’S オカモトショウ、R-指定(Creepy Nuts)、大島てる、三上丈晴(「ムー」編集長)、吉田悠軌、ありがとうぁみ、 シークエンスはやとも、ヤースー(スマイルシーサー)、ボルサリーノ関、岡山天音
チャンス大城、松原タニシらによる“怪談オールスターズ”によるオンラインイベント決定。詳しくは公式サイトにて。
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/kaikizake/
©「東京怪奇酒」製作委員会
●text/山村千晴 hair&make/Emiy styling/作山直紀
衣装協力/ジャケット・パンツ「ネペンテス」他スタイリスト私物