日比美思インタビュー「たくさんのエネルギーをもらえる、今だからこそやる意味のある舞台だと思います」舞台「陽だまりの樹」

特集・インタビュー
2021年03月04日

3月5日(金)より上演される舞台「陽だまりの樹」でヒロイン・おせきを演じる日比美思さん。今回のインタビューでは公演初日を間近に控える彼女の元を訪れ、作品の魅力や稽古場での様子をたっぷりとお伺いしました!

◆「陽だまりの樹」はこれまでにも舞台のみならず、アニメ化やドラマ化もされている話題の作品です。出演のオファーがあった時はどんなお気持ちでしたか?

すごくうれしかったです! これほど大きな舞台に立たせていただけるということはもちろんですが、時代劇に出るのがずっと夢で。「いつかきっと!」という思いも込めて、実は願掛けのつもりで耳のピアスの穴をずっと開けずにいたんです。それだけに出演が決まった時は喜びと幸せでいっぱいでした!

◆どうしてそれほど時代劇に出たかったんですか?

なぜでしょうね…。正直に言うと自分でもしっかりとした理由が分からないんです(笑)。でも純粋にカッコいい武士や和服を着たきれいな女性に憧れがあって。それに子供のころ、学校から帰るとほぼ毎日『水戸黄門』が再放送をしていたんです。それをいつも見ていたというのもちょっと影響しているのかもしれないですね(笑)。

◆実際に稽古をしてみていかがですか?

浴衣で毎日お稽古をしているのですが、それだけでも笑みがこぼれちゃいます。自分で着付けもしないといけないので、教えていただいてからはちょっとだけ自分がレベルアップしたような気分にもなりましたし(笑)。ただ、やはり所作など慣れない動きもあるので大変です。しゃがんだり階段を上り下りする時も美しく見せないといけなかったりして。本当に毎日が新鮮で、全てがお勉強なので、稽古がスタートしてから今日に至るまで時間の流れがあっという間でした。

◆今回の舞台は日本の転換期といわれる幕末が舞台。さまざまな思想が飛び交い、多くの人々にとって生活や生き方自体にも変化が生まれた時代ですが、台本を読まれてどんな印象を持ちましたか?

今だからこそやる意味のある作品だなと感じました。この作品は菅田琳寧さん演じる蘭方医の手塚良庵と早乙女友貴さん演じる武士の伊武谷万二郎の2人が主人公の物語なのですが、激動の時代の中でそれぞれがいろんな出来事に巻き込まれていくんです。でも、逆境に負けることなく、強い気持ちで立ち続けようとする。そうした姿を見ていると、“私たちも彼らのように強く生きていかないといけない”と、たくさんのエネルギーをもらえるんです。

◆良庵と万二郎は性格も生き方も対照的な男性です。

まさに正反対ですよね。台本を読んでいても、最初は絶対に分かり合えないのではないかと感じました。でも、お互いのことをよく知るにつれて、「そういうものの見方もあるのか」とひかれ合う。それがやがて2人の生き方を変えていくことにつながるんですが、その過程もとてもすてきなんです。

◆いっぽう、日比さんはそんな2人と三角関係になるおせきを演じます。日比さんから見て、どんな女性だと感じましたか?

とてもかわいらしい女性です。純粋でいちずで。お寺の娘ということもあり、殺生を嫌っていて、“いつもみんなが笑える時代になればいい”と心の底から願っているところもある。また、普段は凛としていて強い信念も持っているんですが、恋をしている時のおせきさんは少しおっちょこちょいで(笑)。そのギャップも魅力的だなって思います。

◆おせきの心はやや万二郎に傾いてる印象を受けますが、でも争いごとが苦手な彼女にとっては武士の万二郎よりも、医師の良庵と一緒になったほうが幸せな人生を送れそうな気がします。

いやぁ、どうでしょう。そればっかりは分からないですよ〜(笑)。確かに、万二郎のように斬り合いがあるわけではありませんが、良庵は芸妓遊びが好きですからね。おせきさんにとっては、その心配があるんじゃないかと(笑)。それに2人ともすごく女性心をくすぐるんです。良庵には医術でみんなを救っていきたいという野望がある一方で、ちょっと性格的にだらしないところがあって(笑)、万二郎は常に武士としての誇りを持っていてカッコいいのに、恋愛のことになると不器用さが出てしまう。

◆どちらにも、つい守ってあげたくなる要素があるんですね。

そうなんです! そこがすごくかわいい。女性の皆さんにとっては、ほんと必見の2人です(笑)。

◆主演を務める菅田さん、早乙女さんとは初共演になりますね。

菅田さんも、早乙女さんも稽古に入る前は、クールな方なのかなと思っていました。お2人とも顔立ちがとてもおきれいなので、その印象から勝手ながら物静かな性格なのかなって。でも、菅田さんはよく稽古の休憩中にチョコを食べていらして。チラシの写真のカッコよさからは想像できないギャップがありました。また、体力もすごいんです。以前、稽古のオフの日があったので、次の日に「お体、休められました?」ってお聞きしたら、「別の仕事のリハーサルがあって、昨日も一日中動いてました」っておっしゃっていて。それを聞いて、“私もまだまだ頑張らないと”って思いましたね。

◆早乙女さんはどんな印象でしたか?

早乙女さんはまさしく静かな方です。稽古で出番がない時はいつもじっと台本を読んでいらっしゃいますし。でも、殺陣の稽古に入ると別人のようになる。全体的な動きはものすごく柔らかいのに、重さを感じさせる剣さばきをされていて。思わず拍手してしまうほど美しいですし、そんな見事な殺陣を間近で見られる機会なんてそうはないので、稽古場ではいつもかぶりつきで見ています(笑)。

◆いい刺激になっているんですね。

はい。毎日がすごく楽しいです! できれば稽古が終わってほしくないって思ってしまうほどで。でも、早くお客さんの反応も見てみたいし、今は心がとても複雑ですね(笑)。

◆ちなみに、物語の中で良庵と万二郎は互いに影響を与え合いますが、日比さんがこれまでで大きな影響を受けた方っていらっしゃいますか?

お仕事を抜きにして言えば、母ですね。趣味や言葉遣い、好きな音楽や食べ物など、ほぼ全てにおいて母の影響を受けているんです。母とは昔からずっと仲がよくって。今はコロナ禍であまりお出かけできませんが、それまでは映画も水族館も、いわゆるデートスポットといわれる場所に行くのはいつも母と一緒でした(笑)。

◆仲がいいんですね。

3人家族なのですが、よくみんなで一緒にお酒を飲みにいったりもして。それによく、おやつを賭けてゲームをしたりもします。

◆平和ですね(笑)。でも、意外と白熱しそう。

ものすごく燃えますよ! 勝った人に翌日のおやつを選べる権利が与えられるんです。例えば、バームクーヘンかアイスかで全然違ってきますからね。内容自体はかわいらしいんですけど、3人ともかなり真剣になります(笑)。

◆(笑)。また、この「陽だまりの樹」は原作が手塚治虫さんの漫画ですが、普段漫画や小説を読むことは多いですか?

好きです。特に小説はよく読みます。今は舞台中なので、なかなか読む時間がありませんが。子供のころに大好きだったのは「赤毛のアン」。その後、しばらく読んでいなかったのですが、18歳くらいの時に柚木麻子さんの「本屋さんのダイアナ」という小説をたまたま本屋で見つけて、気になって買ってみたんですね。すぐに読みたくなって、近くの喫茶店に入ったんですが、そのまま一気に読んで、お店の中で一人で大号泣したという経験があります(笑)。

◆物語にものすごく感情移入されるタイプなんですね。

そうかもしれません。電車の中で映画の動画を見ていても、「やばい、これは泣く!」って、慌てて涙を隠すようにマスクを上げることがありますし。だからといって、途中でやめるわけにもいかないから厄介なんですよね(笑)。

◆(笑)。では最後に、今回の公演で楽しみにしていることを教えてください。

舞台は何度か経験させていただいているのですが、今回のような大きなステージは初めてですので、どんな感じなのかワクワクしています。それに、私にとっては初めての地方公演があるんです。場所が変わるとお客さんの反応も違うという話をよく耳にするので、それもすごく楽しみですね。しかも大阪公演ですから。どんなおいしいものをテイクアウトしようかと、今からいろいろと考えています(笑)。もちろん、その前にまずは東京公演をしっかりと楽しみたいと思います!

PROFILE

●ひび・みこと…1998920日生まれ。神奈川県出身。2009年、Dream5のボーカルメンバーとしてデビュー。2014年、グループ活動終了後、女優として活動。主な出演作に『3A組‐今から皆さんは、人質です‐』『真夏の少年~19452020』、映画「町田くんの世界」「生きちゃった」など。

作品紹介

「陽だまりの樹」

東京公演:202135日(金)~14日(日)会場:ヒューリックホール東京

大阪公演:2021327日(土)~28日(日)会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

原作:手塚治虫

上演台本・演出:樫田正剛(方南ぐみ)

出演:菅田琳寧(7 MEN 侍/ジャニーズ Jr.)、早乙女友貴/日比美思 /阿達慶(ジャニーズJr.)、太田将熙、近江谷太朗、我善導、高木トモユキ、中西良太/ダンカン

●photo/関根和弘 text/倉田モトキ

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