3月14日(日)にデビュー20周年を迎え、その記念すべき日にファンへの感謝の思いを込めたベストアルバム「20XX“THE BEST”」をリリースするw-inds.。インタビューでは、アルバムについてはもちろん「TV LIFE web」独占で“今だからこそ言える相手の好きなところベスト3”も教えてもらいました!
◆まず初めにデビュー20周年記念ベストアルバム「20XX“THE BEST”」をリリースすることになった経緯を教えてください。
橘慶太:10周年、15周年を迎えた時にライブをやったんですが、10周年の時は常に前しか見ていなくて、俺たちのやりたいことをやるからついてこい! ぐらいのイケイケな感じでかなり尖ってたんです。
千葉涼平:尖ってたね~(笑)。
橘:でも、15周年ライブをやった時に、こんなにも多くの人がw-inds.のことを支えてくれていて、ここにいるみんなのおかげでw-inds.があるんだなということを再確認できて。こういう周年は自分たちだけの年じゃない、自分たちが頑張ったからだけではなく、応援してくださっているファンの方たちにとっても大切な日なんだという気持ちが芽生えて、その時から次は20周年を目指そうという考えになったんです。でも、コロナ禍で20周年の日に生でライブができないということは昨年ぐらいから気づいていたので、この時期にみんなに感謝の気持ちを伝えるには、まずベストアルバムを出して、みんなで20年を振り返りながら思い出を共有できたらいいなと思いリリースを決めました。
千葉:せっかくこのタイミングでベストアルバムを出すなら、僕たちが入れたい曲というよりも、ファンの方々が選んでくれた楽曲を収録したいという思いがあり、初回限定版のスペシャルディスクには音楽ストリーミング配信サービスの再生回数が多かった楽曲(シングル曲を除く上位曲)を収録することにしたんです。
◆収録曲が出そろった時に、納得した部分や逆に意外だった曲はありますか?
千葉:僕たちの予想とはまるで違いましたね。
橘:僕的に特に意外だったのは、最新アルバム「100」の曲が結構入っていたこと。まさか新しい楽曲がこんなにも入ってくるとは予想していなかったので驚きましたし、うれしかったですね。
千葉:正直懐かしいナンバーが占めるんだろうなと思っていたので、面白い一枚になった気がします。僕は最近w-inds.って僕らだけじゃなく、スタッフさんやファンの方々も含めてw-inds.なんじゃないかなと思っていて。
橘:確かに。みんながw-inds.の一員だよね。
千葉:だからこそ、ここまで寄り添い合ってこれたのかなっていう気がしています。
◆またこうしてアルバムを通して、2人の音楽に対する真摯な姿勢、ひたむきな情熱やこだわりが如実に表されたことで、ファンの方たちもあらためてw-inds.を応援してきてよかったなと実感できるんじゃないかと。
橘:そうであってもらえたらうれしいですね。逆に、w-inds.を応援していることが恥ずかしいとか、w-inds.のファンであることを隠したいとか思われてたら、僕たちがやってきた20年は一体なんだったんだって、やり切れない気持ちになりますから(笑)。
千葉:でも、昔は結構「陰ながら応援してます」とか言われてたよね。
橘:言われてたね~。
千葉:いやいや、「陰行くなー!」っていう(笑)。
橘:僕たちは王道なアイドルではなかったから、ファンの方からしてもそことの差別化が難しかった部分はあると思います。でも、最近は音楽性が好きで、w-inds.の音楽をみんなに広めたいと思ってもらえる応援の仕方をしてもらえることが多くなって。それがとてもうれしいですし、ありがたいなと思っています。
◆デビュー当初はアイドル要素が強めでしたが、そこに留まるのではなく、海外に視野を向けて自分たちの音楽を追求。パフォーマンスのスキルを上げ続けた結果、世界中から認められるダンスボーカルグループとしての地位を確立しましたよね。
橘:正直、王道を行くアイドルの皆さんと同じ土俵に立っても勝ち目がなかったですから。そう考えたら違うところを探すしかないなというのは、今思っても賢明な判断だったと言うか、間違ってなかったと思いますね。
千葉:最初のころは与えられたものをただこなすといった感じで、自分たちの意見が通らないことのほうが多かったんです。でも、少しずつアルバムの中で自分たちのやりたいことがやれるようになって、「CAN’T GET BACK」からシングルでも自分たちが本当にやりたい音楽を形にすることができて、それをたくさんの人たちに評価してもらえたことで自信につながりました。
◆まさにw-inds.は自ら道を切り拓いてきた印象がありますが、毎回大きな壁が立ちはだかるだけでなく、時には四方八方を取り囲まれてしまうようなこともあったと思います。自分たちの音楽とパフォーマンスを武器に数々の障害を乗り越えていく中で、心が折れてしまうような瞬間はなかったですか?
千葉:それはなかったですね。
橘:僕は基本的にスーパーポジティブなので、おかげさまでここまで頑張って曲も作れるようになりましたし、壁があったことが逆にありがたいなと思っています。何より純粋に音楽が好きだからこそ、ここまで徹底的に突き詰めていくことができたんじゃないかなと。もちろん今もその部分は昔と変わらないし、この先も変わることはないと思います。
◆涼平さんは、昔から取材の合間に少しでも時間があるとダンスをしていて、その姿を見るたびに本当にダンスが好きなんだなと計り知れないダンス愛を感じていました。
橘:懐かしい! ずーーっと踊ってましたね。
千葉:アハハハハハ!
橘:ライブで台湾に行った時も、わざわざブレイクダンスをやるために、台湾のダンススタジオを借りて練習してましたし。
千葉:やらないと不安なんですよ。ライブでやる内容を確認するためにというわけではなく、単純に自分のスキルが落ちるのが嫌で。踊らないと昨日より下手になるんじゃないかなって気になっちゃうんです。
橘:とにかく練習するというストイックさはすごいですし、めちゃくちゃ偉いんですけど、ライブの本番前にいきなり手首痛いとか言い出して。それはやりすぎでしょって(笑)。
千葉:2~3時間集中して練習するから、疲れちゃうんです(笑)。アップはできてるんですけどね。
橘:これから本番っていうのに加減を知らないんですよ(笑)。でも、最近はちょっと休みを入れるようになったり、効率的に練習するようになったよね。
千葉:けがとかで体にでるようになって、やりすぎはかえってよくないんだなって。
橘:毎日ガムシャラにやればいいってもんじゃないって気づいたんだ。
千葉:まあ、10代だけですね、それができるのも(笑)。
◆慶太さんはマインド的な部分では常にポジティブでいられても、身体的な部分での悩みを抱えていた時期がありましたよね。
橘:確かに声が出なくて、結構ナイーブな時期がありましたね。ライブ前とかも全くしゃべらなかったですし…。
千葉:誰も話しかけちゃいけないような空気を出してたよね(笑)。
橘:でも、自分でも忘れもしないのが「Timeless」ツアーの時からめちゃくちゃしゃべるようになったこと(笑)。昔は練習した以上のものを本番で出してやろうと思って、ギリギリまで自分を追い込んでライブに臨んでいたんですけど、その分練習の時にアベレージを上げておけばいいんだって思って。普段の練習をめちゃくちゃ頑張って、本番前に練習するのをやめたら、調子がよくなってそれまで変に考えすぎていたんだなと気づいたんです。今、僕は35歳なんですけど、35年の間の1時間一生懸命頑張ったところで、変わることってほぼないというか。それよりも日ごろの練習やその積み重ねが大事だと思っています。
◆お二人とも、ストイックの極みですね。
橘:時間は無限にあるものではないですし、使い方次第で人生が変わると思っているので、1分1秒を無駄にしないように自分のプランに当てはめるようにしています。でも、最近は心の余裕も必要だと思うので、練習するだけでなく、家族と過ごしたりすることでリセットすることも心がけてますね。音楽を追求することに対しては、そもそも苦だと思ってないので、苦しんでストイックにやっているというつもりは全くないですし、とにかく楽しいからやってるという感じですね。
◆それでは「TVLIFEweb」独占エピソードとして、今だからこそ言える相手の好きなところベスト3を教えてください。
橘&千葉:(同時に)3!?
千葉:今まで言ってないことを3つってことですよね?
橘:それはかなりハードル高いでしょ~。
千葉:あっ、ありました。僕は慶太のおしゃべり好きなところが好きです。慶太は新しい現場で初対面の人がいても話を振ったり、軽くいじったりしているんですが、そのおかげでその場の空気が和むんです。僕は慶太みたいに自分から積極的に話しかけたり、いじったりできないから、それが自然とできてしまう慶太がうらやましいですね。
橘:常にしゃべってるよね。この間オンラインライブの収録をしたんですけど、夜の6時から夜中の3時までという長丁場で一切休憩をせず、ひたすらしゃべってましたからね(笑)。それぐらい人とコミュニケーションをとるのが好きなんです。
千葉:疲れ知らずどころか、終始、陽のオーラが半端ない!
橘:“とにかく明るい橘”!
一同:(笑)
橘:昔はおしゃべりな部分を隠して、ステージではクールに決めていたつもりだったんですけど、いつの間にかとにかく明るい橘になっちゃってて。いろいろ考えて自分のブランディングをしてきたのに、それだけが計算外でした(笑)。
千葉:そのギャップが僕的にはよかったですけどね。
橘:おしゃべりな僕とは対照的に、涼平君は口数は少ないけど一言一言に力を持ってるんですよ。
千葉:僕が発言する前に慶太と(緒方)龍一君がたくさんしゃべって温めてくれてたから。
橘:それ、僕らが涼平君の前振りのためにいるみたいじゃん!(笑)
千葉:でも慶太は、僕と龍一君が言えないことも言ってくれたり、音楽面においても常に慶太が前に立って戦ってくれてたからこそ安心できて、慶太についていこうって思えたよ。
橘:いやいや、僕はただ思ったことを素直に言ってただけなんですけどね。逆に涼平君は気持ちを押し殺すのがうまいというか。
千葉:こういうことを言ったらどうなんだろうって相手を気にしてしまう部分もあったけど、それ以上に「まぁいっか」って気持ちが強かったからかな。
橘:涼平君の“まぁいっか”精神、僕は好きですね(笑)。だからこそ、うまくやれた部分があったと思うし。だって、僕みたいな人間がもう一人いたとしたら、常に殴り合いになっちゃいますから(笑)。
千葉:そう考えると絶妙なバランスだよね。
橘:もちろんお互いを認め合ってるんだけど、いい意味で深く入り込みすぎないという。
千葉:ちゃんと距離感が保たれてるのが良かったよね。
橘:結構僕は涼平君に対して「もっとこうしたほうがいい」とかズバズバ言っちゃうんだけど、涼平君は僕が作ってきた曲とかに対しても常に「いいね!」って褒めてくれるから、もしかして涼平君は僕に対して我慢している部分があるのかなって思ったり…。僕としてはダメ出しもしてほしいし、言い合いたいんだけどね。
千葉:そうなの? そもそもお互いのスタイルやいい部分が違うから、我慢は一切してないよ。僕の性格的に自分は自分って考え方だからさ。
橘:そんな中で僕は涼平君に自分の考えを押し付けちゃってるっていう(笑)。
千葉:いやいや、むしろ僕としては慶太のそういう部分を前向きに捉えているし、惜しみなく自分のスキルを共有してくれるのは、慶太の好きなところだなって。楽曲のレコーディングやディレクションは慶太がやってくれるんですけど、そういう時にいつも具体的なアドバイスをくれるのでありがたみを感じています。
橘:細かいところまで言うからね。
千葉:そのおかげで僕自身もすごく理解しやすいし、レコーディングをするたびに、「あっ、また歌がうまくなれそう」って思える(笑)。何より慶太自身がうまいからいいお手本になるし、説得力があるんですよね。
橘:じゃあ、これからも遠慮なく言わせていただきます(笑)。僕からしたら、自分は自分という芯の強さを持っていて、他人のことに関与しないというのは、涼平君の好きなところですね。あと、ただ話を聞いてもらえるだけで嬉しい時ってあるじゃないですか? 涼平君って余計なことを言わないし、自分の言葉で相手の人生を決めたくないというポリシーがあって、相手の言葉を受け止められる寛大さがある。そこもすごいところだなって思いますね。
千葉:自分のアドバイスでいい方向に行けばいいんですけど、いい方向に行かなかった場合、僕のせいになっちゃうじゃないですか。それがちょっと嫌なんですよね…。
橘:確かにね。僕も涼平君から20年間、一度もアドバイスもらったことないですから(笑)。
千葉:いや、あるよ!「慶太、それ病院行って診てもらったほうがいいから」って。
橘:あ~体調悪い時は必ず言われてたわ…。
千葉:体のことは言います(笑)。
橘:あと、頭が固いところ。自分は自分、他人は他人ってところがあるから、自分で一度決めたことは曲げないという。
千葉:それダメなところでしょ!
橘:そんなことないよ。言葉を変えると、自分のルールを1つも破らないってこと。
千葉:そう言われると嫌な気がしないですね(笑)。
橘:僕も頭は固いんだけど、途中で柔軟性が出てきて、時代によって変化しちゃう部分があるんです。でも、涼平君は20年間たっても一貫した意志の強さを持ってるんですよね。
千葉:そうかなー。慶太はどんな時も物事を俯瞰で見られるからすごい。僕は一定の位置から動かないから。
橘:絶対動かないよね(笑)。逆に僕は自分目線はほとんどないかもしれないです。何かを作る時の構造とか、僕たちが知らなくてもいい部分含めて全部知りたいタイプ。そこを知ることによって、周りの人たちの大変さやありがたみが分かると思うから。
千葉:おお~。そういう部分も慶太の好きなところですね!
◆3月14日(日)に開催される初のオンラインショー『20XX“THE MUSEUM”』の見どころを教えてください。
千葉:見どころは全てです。どの瞬間も最高でした!
橘:正直、最初はオンラインショーに対して乗り気ではなかったんです。生のライブならではの感覚が好きだったので、ファンの方がいないとあの空気感は絶対出せないだろうって思っていたので。でも、オンラインだからこそできることとして通常のライブとは違う世界観を提供したいなと思い、ライブとミュージックビデオと短編映画(物語)の3つを織り交ぜたんです。そうしたら、もうカッコよすぎて、最初から最後までずっとアドレナリンが出っぱなしでした(笑)。さっき楽屋でずっと話してたって言ってたじゃないですか? 僕、いいものが作れてる時って延々と話していられるんですよ。
千葉:確かにちょっとでも心配なことがあると楽屋に戻って出てこなくなるからね(笑)。でも慶太が延々と話すほど、手応えがあったという。
橘:普段はあまり積極的に自分たちの作品を見てほしいとは言わないんですけど、今回は絶対に見てほしいです!
千葉:期待を裏切らない自信はあるので、皆さんぜひ見てください!
◆では最後に、20周年を迎えた今の新たな目標や夢を教えてください。
千葉:こういう世の中の状況なので、落ち着いたら生のライブを届けたいというのが今の1つの夢です。2人体制で新たなスタイルになった僕らの生の姿をファンの方たちに1日も早く見てもらいたいですね。
橘:まだ2人になって1曲しか出せていないのですが、2人だからこその可能性がまだまだあるんじゃないかと思っています。20周年ではありますが、デビューしたてぐらいの気持ちでチャレンジすることをやめずに、今後もw-inds.として進化し続けていけたらいいなと思います。
PROFILE
w-inds.
●ういんず…2000年に千葉涼平、橘 慶太、緒方龍一の3人で結成された男性ダンスボーカルユニット。2001年3月14日に「Forever Memories」でデビュー。日本国内に留まらず、中国や台湾・香港などの東南アジア全域にも活躍の場を広げ、デビュー15周年を経て橘慶太によるセルフプロデュースを本格化。2020年5月末に緒方が脱退し、同年12月に新生w-inds.としてDigital Single「Beautiful Now」リリースし、活動を再スタートさせた。
作品情報
w-inds. Best Album「20XX “THE BEST”」
2021年3月14日(日)リリース
●photo/大石隼士 text/星野彩乃
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2021年3月27日(土)23:59