上野優華インタビュー「自分にないものだからこそ、より深く想像できるのかな」

特集・インタビュー
2021年03月19日

「こういう感情を川崎さんの歌詞の世界からもらったという感じですね」

◆いろんなタイプの曲を歌える上野さんですが、最近は“失恋・片思いソング”のイメージが強いですよね。ご自身もそういった経験が多いのでしょうか?

全然そんなことはないですね。(“好き”と)言えないタイプでもないですし、“なんで言えなかったんだろう…”みたいに引きずるタイプでもなくて。そういう意味では、自分の本当の性格とは少し違うキャラクター像を最近は歌うことが多いんです。でも私の声にはすごく合っていると思うし、“切ない”とか“悲しい”という気持ちを歌で表現するのはすごく好きなこともあって、最近はそこに特化して歌っています。

◆自分の特性は理解していると。去年12月に配信リリースされた「好きでごめん」はご自身の作詞作曲ですが、やはり同じ流れにある“切ない”系の曲ですよね。

この曲に限らず、これまでハッピーな歌詞はあまり書いたことがないんです。自分で歌詞を書く時もやっぱり切ない気持ちや、かなわない恋について書くことが多くて。私自身はわりとハッピータイプの人間だとは思っているんですけど、どこか暗い部分が根っこにはあって、それが歌詞や声に出ているのかもしれないですね。

◆すごく落ち込んだ失恋経験があるわけでもないと。

まったくないです…すいません(笑)。だからこそ“ここまで悲しいのかな”とか、ちゃんと落ちるところまで落ちて考えることができるというか。自分にないものだからこそ、より深く想像できるのかなと思っています。

◆今回の新曲「愛しい人、赤い糸」は川崎鷹也さんの提供曲ですが、男性から見て女性に“こういうふうに思われたいな”という理想像を描いているような気がして。

そうですね。でも女性側にも“こういう恋がしたい”という理想があるので、そこはすごくマッチしているんじゃないかなと思っていて。“こういうきれいな恋をしたい”とか“こういう自分でいたい”と思っている女の子に、すごく刺さるポイントがある曲なんじゃないかなと思います。

◆上野さん自身の気持ちと、歌詞の世界観が必ずしも重なるわけではない。

かなわない恋だとしても“もしも彼女になれたら”ということを考えて、それでちょっと幸せな気持ちになれたり、逆にすごく儚くて切ない気持ちになったり、女子ってすごく忙しいなと思うんですよ。相手のことが好きで、でも話しかけられなくて…というモジモジした感じが私にはまだ分からないというか。そういう経験がなかったので、曲から教えていただいたんです。こういう感情を、川崎さんの歌詞の世界からもらったという感じですね。

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