高畑充希さんが主演を務める『にじいろカルテ』(テレビ朝日系 (木)後9・00)の最終回が、3月18日に15分拡大で放送される。山奥にあるのどかな虹ノ村を舞台に、病を抱えた内科医・紅野真空(高畑)が看護師・蒼山太陽(北村匠海)や外科医・浅黄朔(井浦新)と共に患者の診療に当たる姿を、村の人々との交流も交えて温かく描いた本作。高畑さんにインタビューを敢行し、撮影を振り返っていただきました。
◆撮影は昨秋から約4か月にわたって行われ、放送前にクランクアップしていたそうですね。今、オンエアはご覧になっていますか?
毎週見ています。現場がとてもいい空気だったので、それを画面越しにもう一度感じられて、懐かしい気持ちになっています。
◆真空という役を生きたことについてはどう心に残っていますか?
虹ノ村というリアリティーとファンタジーの狭間みたいな世界で、共演者やスタッフの方々に優しく包み込まれていたような感覚があって。約4か月、すごく心地よく過ごさせていただきました。ただただ撮影が楽しくて、大好きなチームだったので、この時間がずっと続けばいいなと思いながら演じていましたね。
◆放送前の取材では、監督の演出に左右される部分が多く、「まだ役をつかみ切れていない」とおっしゃっていました。
そこは最後まで変わらずでした。でも、それでよかったのかなと思っています。事前に自分の中で何かを決めたとしても、現場に行ったら監督のアイデアでどんどん変化していく。だから、ゴール地点を決めずにその場その場の空気を楽しもうと。
◆オンエアをご覧になっていて、監督の演出がどういう意図だったのか答え合わせができているのではないですか?
そうですね。ああやって撮影したものがどうドラマになっているのかを見られるのは楽しいです。「こう編集するんだ」とか「あのシーンとあのシーンはこうつながるんだ」とか「監督があの時ああ言っていたのは、こういう意味があったんだ」とか。そういう新しい発見がいろいろあって。
◆真空を演じる上で、やはり太陽役の北村匠海さんと朔役の井浦新さんの存在は大きかったですか?
このドラマの主人公は真空ではありますが、私は真空と太陽と朔の3人の物語だと思っています。北村さん、井浦さんと一緒にシーンを作り上げていく時間がたくさんあったので。私たち、似ている部分もあれば全然違う部分もあって、それがとてもいいバランスになっていて。2人だと何か物足りない。“3人で1つ”みたいな感覚がありました。
◆真空たち3人が出会い、お互いを知り、絆が深まっていく過程は、きっと演じるお三方の実際の関係性にも通じていて、それがお芝居にいい影響を及ぼしたのではないかと想像するのですが?
まさにそのとおりだと思います。ただ、実を言うと1話から順番に撮影していたわけではなくて。出会いのシーンもお二人と大分仲良くなった後だったので、その時は「どんな感じで演じればいいのか分からないね」って話していましたけど(笑)。でも、確かに役と同じように私たちの距離も縮まりましたし、だからこそ撮影が終わって離れるのは寂しくて。お二人と3人組を演じられたのは、本当に運が良かったなと思います。
◆虹ノ村や、そこで一緒に過ごした皆さんが恋しくなっているのではないですか?
そうですね。虹ノ村のロケ地は自然の多いところで、そういう環境でずっと撮影できていたのも楽しかったです。他の仕事ではなかなかないことなので。あの自然の中に戻って、またみんなとワイワイしたいなと思いますね。
◆今も連絡は取り合っているのですか?
はい。いろんな方々と。北村さん、井浦さんに限らずチームみんなすごく仲がいいんです。西田(尚美)さんとは毎週ドラマの感想をメールし合っています(笑)。
◆いい関係性が続いているんですね。
この関係性は簡単には切れないと思います。まだみんなあの村に生きている感じがしますね。
◆そういう関係性を築くために、現場で何か心掛けていたことはあるのでしょうか?
特にはないです。現場には4世代くらいの方たちが集まっていましたが、その垣根もなく、みんなコミュニケーション豊かで。私が主演だからってことは考えなくてもいいくらい。だから、私はただその中に交じって、先輩たちからいろいろなお話を聞いたり、子役ちゃんと遊んだり。全世代の方々と楽しく過ごさせていただきました。
◆では最後に、最終回の見どころをお聞かせください。
最終回は、病と共存してきた真空がどんな選択をするのか。どう明るく突き進んでいくのかが一番のテーマ。太陽、朔との絆もぎっしり詰まっているので、そこも見逃さずに楽しんでいただけたらなと思います。
PROFILE
●たかはた・みつき…1991年12月14日生まれ。大阪府出身。AB型。ミュージカル「ウェイトレス」が上演中。待機作に映画「明日の食卓」(5/28(金)公開)、「キャラクター」(6月公開)、「浜の朝日の嘘つきどもと」(2021年公開)などがある。
作品紹介
『にじいろカルテ』
テレビ朝日系 毎週(木) 後9・00~9・54
※3/18の最終回は、後9・00~10・09の拡大版!
脚本:岡田惠和
監督:深川栄洋
出演:高畑充希、北村匠海、安達祐実、眞島秀和、光石研、西田尚美、泉谷しげる、水野美紀、井浦新ほか
<3/18最終回あらすじ>
虹ノ村に新たな住人がやってくる――。
無口で愛想がなく、謎に包まれた1人の男性・藤田(柄本時生)。張り切りまくりの霧ケ谷(光石研)は、一軒の空き家を案内するが…?
そんな中、虹ノ村の面々は、まもなく訪れる“のど自慢大会”の準備の話題で大盛り上がり。ほほ笑ましく聞いていた真空(高畑充希)だが、嵐(水野美紀)から「真空ちゃんの分も申し込んでおいたよ」と突如言われてあぜん。なんと真空、朔(井浦新)、太陽(北村匠海)の3人で虹ノ村診療所チームとして申し込み済みだという。有無を言わさず参加することが決定し、驚きつつもうれしい真空。だが、時おり感じる手の痺れに、一抹の不安を感じ始め…。
そして翌日。診療所に、もがき苦しむ藤田がやってくる。霧ケ谷に抱えられ「足が痛い」とうめくものの、原因が分からず首をかしげる朔。そこへさらに、脚立から落ちた西川、何やら様子がおかしい佐和子(水野久美)、そしてついには骨折したらしいまじょたく(池田良)まで現われ、緊急手術が行われることに…!突然嵐のように忙しくなった診療所で、真空、朔、太陽は見事なコンビネーションで次々に患者を救って行く。
「私たち、最強の3人だよね」
楽しくて、やりがいがあって、最高の仲間に恵まれて――。そんなある晩。3人が笑いながら食卓を囲んでいると、突然真空の表情が一変。そのまま床に倒れ込んでしまい……!
別れはいつも、突然訪れる――。
医者でも患者でも、どっちでもいいよ。
お願いだから僕らのそばにいて――?
果たして、真空の運命は…?
ありがとう、ずっと大好き――。
©テレビ朝日