◆それは役者やスタッフをもっと信用していいと思えるようになったということなんでしょうか?
もちろんそれもあります。ただ逆にいえば、期待すればするほど“信用できないな”と思うことだってあるわけです。でも、それも含めて成り立っていくものなんだなと思えるようになったんです。いえ、もちろんこれまでだって“芝居はみんなで作っていくもの”というのは、言葉では分かっていましたよ。分かりながらも、最終的には1人で苦しんでいた気がして。でも、もうちょっと引いて物事を考えていいんだなと、そう思えるようになった昨今ですね。
PROFILE
●いわまつ・りょう…1952年3月26日生まれ。長崎県出身。劇作家、演出家、俳優、映画監督。1989年、「蒲団と達磨」で岸田国士戯曲賞受賞。近年は2018年に「薄い桃色のかたまり」で鶴屋南北戯曲賞を受賞した。2021年4月13日(火)スタートのドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)に出演。また、出演映画「シン・ウルトラマン」の公開が控えている。
作品紹介
「M&Oplaysプロデュース『そして春になった』」
CS衛星劇場 2021年3月20日(土)後5・00〜6・15 出演:松雪泰子、ソニン
CS衛星劇場 2021年3月27日(土)後5・00〜6・15 出演:片桐はいり、瀧内公美
<STAFF&CAST>
作・演出:岩松了
出演:松雪泰子、ソニン/片桐はいり、瀧内公美
<STORY>
映画監督の別荘は別荘地の林の中にあった。別荘の窓からは湖が見え、その岸辺には一本の木が立っている。監督の妻(松雪泰子/片桐はいり)と愛人であった女優(ソニン/瀧内公美)は、かつてこの別荘で互いを憎しみの目線で伺い合ったこともあった。いや、それは若い新しい愛人が監督に付きっ切りになった今でも憎しみの残骸となって2人にまとわりついていたのである。しかし、ある日、ある出来事がきっかけで2人の関係が変化していく…。
●text/倉田モトキ 撮影:宮川舞子(「M&Oplaysプロデュース『そして春になった』」)