◆細川さんから“うまく歌うコツ”を教えていただいていました。
「北酒場」の歌い出しについて気になっていたことがあったんです。以前お店でお客さんが歌う時に出だしがクライマックスだと思って歌われていて、ずっこけている人が多かったんです。今回、細川さんご本人に出だしの歌い方を確認できたのが、私はうれしかったです。細川さんのヒット曲は、今の言葉で言うと“神曲”ばかりなんです。「北酒場」や「心のこり」の軽快な流行感のある曲もあれば、「矢切の渡し」みたいな深い歌もありますし、「浪花節だよ人生は」はいわゆるダンスパーティーソング。「望郷じょんから」は民謡っぽい曲ですし、いろんなタイプの人がさまざまなシチュエーションで歌える曲なんです。私は、本当の意味での大衆的なポピュラー歌手というのは、男性歌手の中では細川さんが日本一だと思っています。細川さんには、ほかにも「背筋が大切」「利き手ではないほうの手でマイクを持つ」など、まねできるコツを教えていただいたので、ぜひ番組をチェックしていただきたいです。
◆ミッツさんも歌手として活動されていますが、うまく歌うコツはありますか?
私は3人組で歌っているので、3人でのハーモニーやバランスというのは、気にしています。あとは、きれいに日本語を発音するということです。由紀さおりさんと対談した時に、最近の歌手の方は日本語の解釈や発音がおろそかになっていることが話題になりました。味になっている部分もあると思うんですけど、「きれいに言葉を発して、歌えるってことは大事よね」と由紀さんがおっしゃっていて、私もそれは感じでいたんです。こういったことは身に着けるというよりも、言語っていうものに対してどのくらい誇りを持っているかっていうことだと思います。私はそんなに言葉がきれいなほうではないんですが、常に意識として持っておきたいなと思っています。いわゆるネットの中での言葉や略語などは、時代によって成長していくものだと思うんですが、私はあまりそこに染まらないタイプですし、歳も歳なので新しい言葉をどんどん使えるほうではないですけど、昔からそこまで略すことが好きじゃなかったんです。語感が嫌で、語感に対してのこだわりみたいなのって大事だと思うんです。そういうのを気にしないで、「みんなが使っているからいいや~」みたいな感じで、女性でも「~とかじゃね?」って言っているのを見て、意識低いなと思ってしまうんです。そういうことも歌に対しての意識に影響しているのかもしれないです。