◆今回、細川さん一押しの若手歌手として、彩青さんも登場されました。
星屑のスキャットと同じレコード会社っていうこともあり、以前から注目していたんですが、本当に歌も、楽器の演奏も素晴らしいんです。2019年にはレコード大賞新人賞も受賞されていました。今の演歌界は、若手がすごく多いみたいで、切磋琢磨して、どのタイミングで頭一つ抜けるかっていうところで、皆さん闘ってらっしゃる。彩青さんのほかにも、いろんな若手の方とお会いするんですけど、本当に皆さん真っすぐで、芸能に対して真摯なんです。そこから活動していくうちに、いろんな毒だったり、気持ちの抜き方だったりっていうのを身につけていって、細川さんはそういうもののバランスが絶妙だと思うんです。ただ、そういうことは教えてもらうものではないく感じ取っていくものなので、若い方に味がどんどん出てくる今後が楽しみです。
◆先ほど、きれいな日本語のお話が出ましたが、彩青さんが18歳とは思えないぐらいしっかりとした話し方をされていました。
時代の流れと逆行しているのかもしれないけど、すごく貴重な存在だと思います。何かを究める人ってそういうジェネレーションというか、年齢とどこか乖離していて、将棋の藤井聡太さんとかもそうだと思うんです。なぜそんな日本語を知っているんだろうと感じるような。今後の日本の文化を継承していく上で大事な存在なのかもしれないです。
◆番組でもありましたが、ミッツさんが歌い継ぎたい曲は何でしょうか?
今ってなかなか時代を象徴するような国民的なヒット曲が、生まれにくいと思うんです。そういう中でも昨年だと「香水」などがありましたが、テレビでは昔の名曲を掘り下げることのほうが多い気がするんです。ただ例えば松田聖子さんの名曲を歌い継ぎたいとなると「赤いスイートピー」や「あなたに逢いたくて~Missing You~」が象徴的なものとして挙げられるんですが、実際にはそれ以外にもいっぱい名曲はあるんです。そういった名曲の知識や記憶がない制作陣が増えてきたことで蔑ろにされて、その象徴的なものだけが使われて、視聴者の方にもそれが根付いてしまっていると思うんです。なので、私はずっと聴いている80年代、90年代の音楽の中から、みんなが知っている象徴的な曲の2番手、3番手とされる曲を、何かしらの形で歌い継ぐというか、残していきたいなと思っています。ラジオで選曲する時もそうですし、テレビで「松田聖子さんや中森明菜さんの曲から1曲を選んでエピソードください」と言われたら、その2番手、3番手を選ぶことを意識しています。カバーアルバムなどで無難な印象的な曲を収録することは否定をしませんが、そうじゃない、まだまだ名曲あるんだよということを視聴者の方に知っていただけたらいいなと思います。