◆主演として心掛けたことは何かありますか?
とにかく私は自分のシーンで撮影時間が押してしまったり、現場がうまく回らなかったりしないようにと思っていました。ただ私はムードメーカーなタイプでもなく、1人でDJの声を聞きながら会話する演技が多くて(笑)。その分スタッフさんが私だけに集中している状態だったので気持ちをゆだねることもできたし、とてもぜいたくな時間だったなと思います。作品全体では1か月、清美の現実シーンは10日間ほどの撮影だったんですが、連日“女たち”を演じる女優さんがいらしてくださったこの期間は長かったのか、あっという間だったのかよく分からない時間感覚になっていました。
◆脚本、総監督、全楽曲の作詞を担当する長久允監督とは3度目のタッグです。
オーディションに受かったこと自体ももちろんうれしかったのですが、長久さんの作品が好きなのでまた面白いものに関わることができるんだなというわくわく感がありました。長久さんとのやりとりで印象に残っているのが、最後のシーンを撮る時に“清美はそんなに強くなくていいよね”とお互いに確認し合ったこと。私と長久さんの考える“清美像”にほとんどズレはなかったと思いますが、このシーンの撮影では“ちょっと違うんじゃないか”って思うところがあったので、そのことについてお話させていただいて。それまで長久さんとは役について話すことはあまりなかったので、あらためてそれぞれの考えをじっくり話すことって大事だなと実感しました。