大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合ほか 毎週(日)後8・00~8・45ほか)で、渋沢栄一(吉沢亮)の幼なじみで、のちに妻となる尾高千代を演じている橋本愛さん。第7回(2021年3月28日OA)では、千代とぎくしゃくとした関係だった栄一が自分の真の思いに気づくなど、今後の2人の関係にも変化が訪れた。「千代が大好き」と語る橋本さんに、千代の役柄や魅力、共演者の印象、今後の見どころについて聞きました。
◆放送が開始されて約1か月がたちました。現在の心境はいかがですか?
仕上がりが想像できず、このドラマはどんなものになるだろうと放送をずっと楽しみにしていました。実際に見てみると、とても軽妙に物語が進んでいくので、歴史の知識があまりないという方や今まで大河ドラマを見たことがないという方でも楽しんで見ていただけるのではないかなという期待感があります。
◆橋本さんから見た千代はどのような女性でしょうか?
私、千代が大好きなんです。とてもかわいくて柔らかくて、みんなに愛される女性だなと思います。これから栄一と家族になり、いろいろなことを経験して、今までに見せたことのない気迫が生まれたりと、人としての幹が太くなっていくさまをぜひ感じていただけたらうれしいです。
◆幼なじみの栄一を演じられる吉沢さんの印象を教えてください。
吉沢さんは、撮影に入る前に共通の友人である杉咲花ちゃんに「どんな人かな」と聞いたら「人見知りな方だよ」と教えてくれて、私も人見知りなのでどこか安心して現場に入ることができました。それで実際にお会いしたら、現場での温度感やたたずまいからも私と似た匂いを感じられて、すごくお芝居がしやすいです。吉沢さんの演じる栄一は明るくはつらつとしていて、表情が色彩豊かなので、その姿を見ているだけでも楽しめるドラマだなと感じています。
◆同じく、幼なじみの喜作を演じる高良健吾さんはいかがですか?
高良さんは以前もNHKのドラマで共演させていただいて、3か月くらいずっと一緒にいたのでもう信頼し切っていて。高良さんご自身は33歳ですが、喜作は小学生にも見えるような表情を浮かべることもあったりして、その表現力の幅の広さにあらためて衝撃を受けました。なので、この3人で幼なじみを演じられるというのは、私にとって本当に幸せなことだなと思っています。
◆橋本さんの思う“渋沢栄一”という人物の魅力はどのような部分ですか?
ビジネスの才覚がずば抜けていて、振り切ればいくらでもお金を稼げるのに、人の心や道徳を一番に重んじた上でのビジネスというのを心がけていた部分です。私としてはそこは相容れないものだと思っていましたし、渋沢さんもその両立はすごく難しいとお年を召されてからも話されていて。人生を懸けてもこの両立を成立させようと尽力されていたところに、人はこうあるべきだと感じました。また、劇中にも出てきますが「周りのみんなが幸せなのが一番なんだ」と、自分のためではなく周りのために自分の才能を発揮していく部分を本当に尊敬しています。
◆栄一と千代の関係性における今後の見どころを教えてください。
夫婦になってから、より2人の関係性における少女漫画っぽさが強くなっていきます(笑)。千代に対する栄一のせりふや振る舞いなど、テレビの前の皆さんがキュンキュンしすぎて倒れてしまうんじゃないかと思うようなシーンもたくさんあって。千代は栄一へ大きな愛情を持っているのですが、そういう思いがあふれそうになっても「自分から触れたりするのははしたない」という考えを持っている子なんです。なので自分からそういったコミュニケーションを取ることはめったにないかもしれませんが、彼女からにじみ出る愛情を感じてもらえたらいいなと思っています。
◆千代は垣間見られる強さも魅力の1つですが、その根源は何だと思いますか?
千代も栄一さんと同じで、周りの人が喜ぶことをしたいという思いを小さいころからずっと持っているんです。言葉数は少なくてもずっと頭と心では考えていて、むやみに口にはしないけれど、しかるべき時にはいい未来をつくりたいという思いから言葉を発する。彼女の強さの根源は、大事な人を守りたいという愛情から来るものなんだと思います。
PROFILE
●はしもと・あい…1996年1月12日生まれ。熊本県出身。O型。近作に映画「私をくいとめて」「グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~」、ドラマ『35歳の少女』『あのコの夢を見たんです。』など。
番組紹介
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK総合ほか
毎週(日)後8・00〜8・45ほか
<第8話(4月4日(日)放送)あらすじ>
ついに栄一(吉沢)は自分の思いを語り、千代(橋本)に結婚を申し込む。と、そこに喜作(高良)が待ったをかけ、栄一と喜作は剣術で勝負をすることに。いっぽう、幕府では、大老になった井伊直弼(岸谷五朗)が「日米修好通商条約」を結ぶが、調印は違勅だと大問題に発展。井伊に意見した慶喜(草彅剛)や斉昭(竹中直人)に処分が下され、安政の大獄と呼ばれる苛烈な弾圧が始まる。
<WEB>
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text/片岡聡恵