◆(笑)。では、シナリオを読んでみた印象は?
濱田:実名で出演していますが、役柄としては正反対だなと感じました。初めての監督作品の撮影に燃える役なんですが、実際の僕はこんなに熱い男ではありませんから。山積の問題を前にしたら、「あ〜、じゃあ、もうダメだね」ってすぐ思っちゃいますし(笑)。その意味では、普段のドラマと同じように役を作っていかないといけない大変さがありましたね。ただ、時生が一緒だったのが本当に心強くて。随分前に共演した時も親友役だったので、そこはすごく安心できる材料でした。
柄本:僕も同じです。キャスト表を見て、「あ、岳君だ!」ってうれしくなりました。共演するのは10数年ぶりですけど、勝手知ったる関係でもあるので、「一緒でよかったぁ」って思いました。
◆元祖の皆さんとの共演はいかがでしたか? やはり緊張はあったのでしょうか?
濱田:もちろんありました。しかも今回の映画では、若手代表みたいな描かれ方もされてましたから。
柄本:本番中は集中しているから平気なんです。でも、その直前の待機場所みたいな所で皆さんといる時が一番緊張しました。“…え〜と、どなたに声をかければいいんだろう…”ってあたふたしちゃったりもして。
濱田:そうだったね。普段の皆さんの雰囲気にちょっとのまれそうになったところはあったね。だって、冷静になればなるほど、あれだけの数の名優が同じ場所いるって本当にすごい現場だと思いますから。ただ、びっくりしたことがありまして。あのおじさん方は本番のギリッギリまでずーーっとしゃべってるんですよ(笑)。
柄本:ははははは! ホント、そうでしたよね。
濱田:大ベテランなんだから、しゃべってちゃいけないの知ってるくせに全然やめない。
柄本:しかも、その雑談の時のトーンと本番での会話のトーンが変わらないっていう(笑)。