映画「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」がついに公開! 本作は3月に放送を終えたドラマシーズン3から続くストーリーということもあり、まさにファン待望の内容となっている。そこでTV LIFE webでは公開に合わせた連続インタビューをお届け。第2回はシーズン1から“元祖バイプレイヤーズ”のおじさまの中に華を添え続けたジャスミン役の北香那さんが登場!
◆北さんはジャスミン役でシーズン1から出演されているだけに、映画化は感無量だったのでは?
はい、すごくうれしかったです! でも、それ以上に驚きがありました。 “どんな映画になるんだろう?”って、全然想像できなくって。でも、台本を拝見したら、たくさんの数の役者さんが出演されていて、『バイプレイヤーズ』ならではのシュールなせりふもずらりと並んでいて。“これは早く映像になったものを見たい!”と思ったのを覚えています。
◆映画はドラマのシーズン3からの続きとなります。ドラマ版のラスト(第12話)はジャスミンをフィーチャーした物語でしたね。
最後にスポットを当てていただき、感謝の気持ちでいっぱいでした。ドラマでは女優として頑張ろうとするジャスミンの姿が描かれ、最後に元祖バイプレイヤーズの皆さんの勧めでオーディションを受けるところで終わっているんですよね。作中の遠藤(憲一)さんからは、「これに落ちたら一緒にフィリピンだよ」とも言われていて。果たしてその結果がどうなったのか、ぜひ映画で確認していただきたいですね(笑)。
◆シーズン1が2017年に始まり、4年にわたってジャスミンを演じてきましたが、北さんがこの役を演じる上で意識してきたのはどんなことでしょう?
一番は、物怖じしないということです。というのも、シーズン1の撮影に入る前に松居(大悟)監督から「オーディションの時以上に暴れてほしい」と言われたことがありまして。それで、私なりにイメージして撮影に臨んだのですが、やはり現場に行くとそこで生まれる空気感などもあり、うまく自分を出せなかったところがあったんですね。ましてや、あれほどの大先輩方との共演ですから、どこか振り切れていないジャスミンがいて(笑)。そのことで、“もうちょっとこうすればよかったな”という後悔があったので、シーズン2では積極的に挑戦していくことにしたんです。そうしたら、どんどんと楽しくなっていって。おかげで、少しは度胸がついたかなと思っています(笑)。
◆今はもう、あまり緊張されなくなったんですか?
いえいえ(笑)。でも、緊張より楽しさのほうが大きくなりましたね。
◆それも何かきっかけがあってのことですか?
自然とだと思います。シーズン1の最初のころは本番以外でもすごく緊張していて、現場ではなるべく目立たないようにと思っていったんです(苦笑)。でも収録を重ねていくうちに、カメラが回っていないところでの元祖の皆さんの会話を聞くのが大好きになっていって。もう、本当に楽しいんです! それで、気づいたら私も一緒にゲラゲラ笑うようになっていて、いつしか皆さんの近くにいるほうが緊張がほどけるようになっていたんです。
◆元祖の皆さんが、現場の雰囲気を明るくしてくださるんですね。
本当にそうでした。ものすごくオーラのある方々なのに、みんなといる時はスタッフさんや共演者に対して、全く気を遣わせない空気を出されるんです。お昼ご飯の休憩の時も一緒に誘ってくれて楽しい話をしてくださいますし。時々、あまりの壁の感じなさに自分が置かれている状況を忘れてしまいそうになることもありました。ある時、撮影が終わった後に、元祖の皆さんやスタッフさんたちと共有しているグループLINEがピロン♪と鳴ったことがあったんですね。それで、何気なく画面を見たのですが、そこに次々と表示されていくあまりにもそうそうたる名前にドキッとして。あらためて、“私はこんなにもすごい方々とお芝居をしていたのか”と思いましたし、同時に、このシリーズに出演できて本当に良かったなと思いました。
◆そしていよいよ映画が公開されます。北さんが印象に残っているシーンは?
たくさんありすぎるのですが…1つにバイプレウッドにいる犬の風ちゃんの存在ですね。ドラマのラストカットが風ちゃんだったこともあって、いろんな方に「あの風ちゃんって、何なの?」と聞かれるんです。そのたびに、「映画を見れば分かるよ!」って答えています(笑)。ちょっとだけヒントをお話しすると、大杉漣さんが実際に飼われていた犬の名前なんです。その風ちゃんが、映画では主人公とも言える活躍をしますし、風ちゃんを含め、ラストは泣かずにいられないです。また、ドラマ版ですが、撮影ですごく印象に残っているのは「アウトローの森」のシーン。バイプレイヤーズの皆さんがとにかく面白かったです。現場は皆さんのアドリブ満載で、言葉が渋滞していて(笑)。しかも皆さん、渋くて、カッコよくて、かわいいので、さまざまな側面を楽しんでいただけると思います。
◆ジャスミンは特に多くの出演者と共演していましたから、撮影も大変だったのでは?
確かに大変さもありましたが、毎日が刺激的でした。なんと言っても、これほどアドリブの多い現場もありませんしね(笑)。
◆北さんもたくさんアドリブを?
入れてます! そもそも皆さんが台本にないことばかり言ってくるので、アドリブで返すしかないんです(笑)。その意味では、大先輩方にすごく鍛えていただきました。実を言うと、オーディションの時から結構な数のアドリブをスタッフさんから振られていたんです。なので、“もしかしたら、そういうのが多い作品なのかな”とは思っていたのですが、まさかまさかで、想像以上の量でしたね(笑)。
◆(笑)。ではあらためて、北さんにとってこの『バイプレイヤーズ』はどのような作品になりましたか?
私は12歳のころから役者のお仕事をさせてもらっているのですが、いろんなオーディションに落ちて、気持ちが落ち込むことも何度もあって。そんな私が19歳の時に参加させていただくことになったのが、この『バイプレイヤーズ』なんです。このドラマに出演し、元祖の皆さんと共演できたことで、“役者のお仕事ってカッコいい!”とあらためて思いましたし、できることならずっと続けていきたいと思うきっかけをくださった作品でもあるので、今は本当に感謝しかないです。
◆まさにジャスミンと同じですね。
そうなんです。シーズン3でも描かれていましたが、ジャスミンはたくさんの役者さんを近くで見て、“面白そうだな”“私もみんなみたいになりたいな”と思い始めるんですよね。ドラマの第12話にはジャスミンが役者になりたいという思いを吐露する場面があるのですが、あのせりふは全部自分で考えた言葉でもあって。それは松居監督のアイデアでもあったんです。撮影前日に松居さんから、「明日のシーンは北香那が思う言葉に変えていいから、考えてきてくれる?」と言われて。それで、私自身とジャスミンとしての思いを重ね、元祖の皆さんを近くで見てきて感じたことや、「女優になってキラキラしたいです」といった思いをせりふに込めさせていただきました。私もこれから北香那として皆さんの背中を追って…といっても絶対に届かないと思いますが、少しでも近づけるように女優のお仕事を続けていき、そしていつかまた皆さんとご一緒できるように頑張っていきたいなと思っています。
PROFILE
北香那
●きた・かな…1997年8月23日生まれ。東京都出身。主な出演作に『隕石家族』『僕らは奇跡でできている』、映画「ペンギン・ハイウェイ」(声の出演)など。出演映画「なんのちゃんの第二次世界大戦」が2021年5月8日(土)より全国順次公開。
作品紹介
映画「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」
2021年4月9日(金)より全国公開
(STAFF&CAST)
監督:松居大悟
主題歌:Creepy Nuts「Who am I」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
脚本:ふじきみつ彦、宮本武史
出演:田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一、濱田岳、柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子、有村架純、天海祐希、役所広司ほか
©2021「映画 バイプレイヤーズ」製作委員会
●photo/干川 修 text/倉田モトキ
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