松重:この『バイプレイヤーズ』の面白さは、やはり実名で演じているというところなんですよね。自分自身であり、役を演じている部分もある。見てくださる方に対しても、「今のは素なの? それとも演技なの?」と感じさせるような、そうしたギリギリの虚実を楽しく見せていくことが究極の目的でもあるので、その意味で言えば、僕らも演じるという感じではなく、普段の関係性のままカメラの前にいられる面白さがありますね。また、そうした中で、外に出していい素の部分と、“これは放送できないぞ”というところを、僕たちなりに使い分けたりもしていますし。
田口:僕の下ネタとかね。
松重:そうそう。監督からカットがかかる直前にトモロヲさんは必ず下ネタを言うんですよ。でも、そこは確実に放送されないなっていうのが分かってますからね(笑)。
光石:また、今回の映画に限ったことではありませんが、この作品を全員が50歳を超えて集まってやれたこともよかったんじゃないかと思うんです。もっと若いころにやろうとしていたら、きっといろんなことがあったでしょうから。この年齢だから、お互いを邪魔せず、節度を持って品よく芝居ができているんじゃないかなって、僕は勝手に思ってます。
松重:……品、いいですかね?(笑) トモロヲさんの下ネタも?
田口:まぁ、僕のは品位のある下ネタですから(笑)。
松重:全然(放送で)使えませんけどね(笑)。
田口:使えないけど、礼節を持った下ネタなんです!
◆(笑)。また、今回の映画とドラマのシーズン3はタイトルにもあるように100人以上もの役者が登場する大群像劇になっています。共演者とのお芝居で印象に残っていることはありますか?
田口:どうだったかなぁ。実は、あまり多くの方と現場でお会いしてないんですよね。ブルーバック撮影の時はおじさんばっかりでしたし。なので、現場はおじさんの同窓会みたいな感じで、ずっと昔話をしてたことぐらいしか覚えてないんです。あとは健康の話とか(笑)。