◆ミツヤス(安藤)のことが内心気になっているのに、なかなか動きだせないというシーンもありました。このシーンについてはいかがですか?
好きだけで動けない、大人になっていろいろ知ってしまったからこそ本能だけでは動けないことにも、ものすごく共感しました。このジレンマは、たぶん私が今30歳で、燈子とドンピシャの世代だからこそより共感して表現できたのかなと思います。
◆ほかに共感したことはありますか?
あとは30歳を越えても結婚をしていないことにあまり焦りを感じていないところです。劇中、茉莉沙(藤井美菜)のセリフで「30歳を越えて色恋が何もないなんて…」というのがあるんですけど、私も燈子と同じように恋愛がしたいなという漠然とした思いがあるだけで具体的にこうしたい! という願望があるわけじゃないので、そこもすごく「分かるな~」って。
◆世間では30歳までに結婚したいと思う女性が多いと思うのですが、蓮佛さんご自身はいかがでしたか?
いつかは結婚したいなと思うけど、30歳までに…とは思ったことないですね。私の周りだと、25歳頃で結婚出産の第1次ブームが来たんですけど、その時も「そうなんだ!」というくらいで。結婚=生涯この人と共にいたいと思う人とするものという認識なので、ただただ結婚がしたいというふうには思わないです。
◆劇中では、独身の燈子は既婚の茉莉沙から「負け組」と称されるシーンもありましたが。
私は独身が負け組だという感覚はゼロです。そんなこと思う必要ないのになって。みんなやりたいことをやればいいじゃないと思うし、結婚が勝ちという概念なんてなくなればいいのになと思います。もっと考え方の幅が広がってほしいです。
◆“アラサー”という強迫観念や既成概念に苦しむ女性が、蓮佛さんのようにフラットな考え方を持つにはどうしたらいいと思いますか?
世間一般的に、若いほうがいいという考え方ってあるじゃないですか。確かに、年齢って取り戻せないものだから、若くてたくさん時間があることに対してうらやましいなと思う気持ちは消せないし、別に消す必要もないと思うんですけど。でも年齢や性別関係なく、悩むことや立ち止まることはあると思うんです。その中で、例えばおいしいものを食べて幸せとか、何でも話せる友達がいて恵まれているなとか、そういう小さな幸せをきちんとかみ締めていったほうが人生楽しいし生きるのが楽なんじゃないかな。だから年齢を重ねたとしても周りの環境が変わったとしてもその幸せのハードルはそれぞれ変わらないし、そのままでいいじゃん! って私は思います。
◆その考え方を持ったほうが、楽しく生きられるんじゃないかと。
この考えに自信があるわけじゃないですけど、私の人生は私のものだと思うことですね。