関西を拠点に活動する“ちょうどいい”イケメン演劇集団・劇団Patchの連載「劇団PatchのLIFE GOES ON」がWebで出張連載! 誌面では語り切れなかったはみ出しトークを紹介しちゃいます!
NHK連続テレビ小説『おちょやん』の富川福助役で注目を集める井上拓哉さん。劇中では“出征”という一つの山場を迎えましたが、丸刈り解禁までのエピソードや、役者としての今後の目標などについてお聞きしました。
◆音楽朗読劇『マインド・リマインド~I am…~』(2020年12月~2021年1月)の公演初日には既に丸狩りだったそうですね。
そうなんですよ。ついに話せる日が来ました!(笑)丸刈りにしたのが2020年の12月24日で、クリスマスイブという特別な日に断髪式を迎えることになりまして(笑)。その様子はマネージャーさんにしっかり動画に撮ってもらいました。美容院で4ミリの丸刈りにしてもらったんですけど、髪の毛が名残惜しくて、2回もシャンプーしてもらいました(笑)。
そしてちょうど、その日が『マインド・リマインド~』の劇場入りの日でもあったんですよね。稽古は髪の毛がある状態でやっていたのに、ゲネプロでいきなり丸刈りになって共演者の方を驚かせてはいけないなと思い、ヒロイン役の谷村美月さんと入山法子さんには、事前にお伝えしておきました。
丸刈りの頭って手触りが気持ちよくて自分でもよく触ってましたけど、劇団員にもめちゃくちゃ触られましたね。特に松井勇歩君。全体的にわしゃーっとやられました。せっかくなので「頭にツッコんで!」って頼んだんですよ。勇歩君はやっぱりうまかったですね。ちっとも痛くないのに、“スパーーン!”っていい音がしました(笑)。髪の毛がある状態とでは全然音が違うんですよ。頭を叩かれたのに、思わず「ありがとうございます」って言っちゃったくらいです(笑)。
◆公演中はカツラをかぶられていたそうですが、ファンの方には気づかれなかったのでしょうか?
どうなんですかね。僕からしたら「気づくやろ!?」っていうくらい違和感だったんですけどね(笑)。カーテンコールの時にお辞儀をするじゃないですか。あの瞬間が一番不安なんです。髪の毛が不自然な動きをするし、もしかしたらカツラが落ちてかもしれない。だからお辞儀が若干浅かったんですけど、決して感謝してなかったわけじゃないんです。心の中では深々とお辞儀をしていた、ということをあらためてお伝えしたいです。
◆『おちょやん』のキャストやスタッフの皆さんは、井上さんの頭を見てどうおっしゃっていましたか?
「意外と似合うな。つまんねー!」って言われました(笑)。その日がクリスマスイブだったので、『おちょやん』の関係者の皆さんとささやかなプレゼント交換したんですけど、僕が当てたのが、メークさんが用意してくれた女性モノのヘアバンドやったんですよ。「持ってんなー」って言われました(笑)。
実は丸刈りにしたのは人生で3回目なんです。1回目は中1の時に空手の団体戦に出場した時で、メンバーみんなで丸めました。2回目はNHK連続テレビ小説『ぺっぴんさん』に出演した時。1シーンのために丸刈りにしました。そして今回が3回目。僕の髪の毛は朝ドラに捧げているといっても過言ではないです(笑)。
◆舞台、ドラマ、バラエティ、トーク番組と幅広く活躍されていますが、「波が来ている」という実感はありますか?
それよりも、25歳になって若干焦りが出てきているというのが正直なところです。せっかくたくさんの方に見ていただけるチャンスが来つつあるので、しっかりそれをつかんでいきたいです。実感がある分すごくうずうずしていて。バラエティ番組などでパーソナルな部分をもっと出していきたいし、ドラマにもたくさん出て、芝居で皆さんを勇気づけられるような存在になりたいという思いがより強くなっています。
僕は映画監督の西川美和さんが以前から大好きで、「西川監督の作品に出る」というのをずっと目標にしていて。いずれは西川監督が描かれるような人間ドラマで勝負したいと思っています。今は早く次の作品に出て、福助とは180度違うような役柄も演じてみたいです。
◆劇団Patchとしての2021年度の目標を聞かせてください。
このコロナ禍、今までのように全員そろってのイベントやお芝居を打つことは簡単なことではないので、まずは一日も早い終息を願っています。劇団員全員で作品を届けることができたらとは常々思っています。
◆次回は4月22日(木)スタートのドラマ『クロシンリ』(カンテレほか)に出演中の田中亨さんが登場予定です。田中さんへのメッセージを。
ついこの前、僕の似顔絵を描いてきてくれたけど、発注は1年前くらいやったよね? 完成度は高いけど、ちょっと遅すぎへん?(笑)それから確かに「猿みたいな感じで」ってお願いしたけど、ちょっと誇張がすぎませんか? まあ亨はかわいいから、ちょっとくらいバカにされても全然いいんですけどね!
PROFILE
「演劇で大阪を元気にしたい!」という大きな志の下、関西を拠点としたさまざまなエンターテインメントを発信する演劇集団。中山義紘、井上拓哉、松井勇歩、竹下健人、三好大貴、星璃、吉本考志、近藤頌利、田中亨、納谷健の10人で構成。田中がドラマ『クロシンリ』(カンテレ/BSフジ)に出演。
●text/青柳直子