『Nスタ』キャスター5年目に!ホラン千秋インタビュー「今なお学ぶことがたくさんあります」

特集・インタビュー
2021年04月28日

ニュース番組『Nスタ』(TBS系)にホラン千秋さんがキャスターとして加わってから、この春で5年目に突入。すっかり夕方の顔となったホランさんに、日々の生放送の中でキャスターとして大事にしていること、また『Nスタ』メンバーとのチームワークについてお話をお聞きしました。

◆『Nスタ』のキャスターに就任し、この4月で5年目を迎えました。

これまでの4年間を振り返ると、当然ながら、ひと言では言い表せないほどさまざまなことがありましたね。“報道”というくくりで語るにしても、新型コロナウィルスのように継続的にお伝えしていくニュースもあれば、その日に起きた突発的な事件などをいち早くお届けしていくこともありますから。週5日で番組に携わっていると、“こんなにもいろんなことが世の中では起きているんだな”と感じさせられます。

◆そうした中で、ホランさんがキャスターとして大事にしているのはどんなことですか?

自分の発言に対して、“短く、簡潔に、分かりやすく”というのはいつも意識しています。といっても、それが本当に難しいんですけど(苦笑)。言葉が足りないと誤解を生みかねないですし、だからといって、説明が長くなるとコーナーの時間内に終わらなくなってしまいますから。また、いつどのタイミングで意見を求められてもいいように、常に自分の答えを用意しておくことも大事にしていますね。以前、別の番組で坂上忍さんに鍛えていただいたことなんですが、その経験がすごく今に生きているのかなと思います。

◆次々といろんな新しい意見が飛び交う中、会話の流れを壊すことなく自分の言葉を述べるのってすごく難しいような気がします。

本当にそうです! 特に昔はすごく苦手でした。20代前半のころ、バラエティ番組にまだ慣れていなかったので、エピソードトークをしなくてはいけない番組だったりすると、“これをこう話さなきゃ”という準備をして、ほぼ暗記した状態で番組に挑むんです。でもバラエティって筋書きどおりにいかないことがほとんどなんですよ(笑)。その場で生まれる流れ、空気感、出演者同士の化学反応。どれも生ものなのに、私は前日から真空パックしたエピソードを準備しているので、司会の方と会話になっていないことや、かみ合わないことがあったんですね。当時のスタッフさんやマネージャーさんから、「普通に会話すればいいだけだよ」とアドバイスを頂くこともあったのですが、“その普通の会話が難しいのよ!”と思ったりもして(笑)。ただ、当たり前のことですが、やはり会話として成立していないものは視聴者の皆さんにも伝わらないんです。ですから、まずは周りの声をしっかりと聞く。そうした基本的なことが何よりも大事なんだなとあらためて感じるようになりましたね。

◆その一方で、共演者の皆さんの意見をまとめながら、時間どおりに進行していくのも大変な作業なのでは…と感じます。

時間の管理は基本的に井上(貴博)アナとスタッフさんが担当してくださるのですが、井上さんがお休みの時は、その役割が私に回ってくるのでものすごく緊張します(笑)。あのドキドキは4年たっても慣れないです。また、進行で言えば、急に大きなニュースが入り、スタッフさんから「もう少しこの映像を視聴者に届けたいので、しばらくコメントでつなげてください」といった指示が出ると、みんなの中に多少の緊張感が走ります。でも、そうした時はものすごいチームワークが発揮されるんですよね。誰かがアイコンタクトで、<私、コメントいけます!>という合図をしたり、発言している人の呼吸を読んで「今一段落してるな」という一瞬を逃さずまた違う誰かが話しだしたり。そしてそのバトンは自然とMCに戻ってくる。特に、井上さんをはじめとするアナウンサーの皆さんは、まだ詳細が入ってきていない速報ニュースでも、今ある情報だけで冷静に状況をお伝えしていくので、日々の訓練のたまものとはこういうことを言うんだなと、いつも感心させられます。

◆見事なチームワークですね。また番組を拝見していると、テレビの報道番組の良さというのは、今お話しされたような出演者同士の呼吸感も含め、ネットなどの文字情報だけでは伝わらない“人の温もり”が感じられるところだなと思わされます。

そうした意見を頂けるのはすごくうれしいですね。『Nスタ』は3時間超という放送時間が長い番組ですので、ニュースだけでなく、日常の話題などもトピックスとして扱っていて、内容によっては雑談のような和やかな空気になることがあるんです。そうした、その場にいる人たちでしかできない会話を楽しみに『Nスタ』を選んで見てくださっている方もいらっしゃると思うんですね。きっと井上さんの番組冒頭のあいさつも、そこを意識されていると思いますし。その中で、私の役割は確かなニュースをお届けしつつ、“『Nスタ』のスタジオの空気感っていいな”“明日も見てみよう”と感じてもらえる雰囲気を作ることだと思っていますので、これからもメンバーの一員として自分にできることを担っていきたいですね。

◆では最後に、ホランさんは日々、情報をインプットすることが多いかと思いますが、頭を空っぽにしたいようなオフの日は何をされてますか?

これはいろんなところで話しているのですが、韓国ドラマが大好きなんです。なので、家でいろんな作品を見ている時が一番幸せですね(笑)。それに、『Nスタ』には同じ趣味の方がたくさんいて。熊崎風斗アナもそうですし、良原安美アナも、山内あゆアナやコメンテーターの食べチョク代表・秋元里奈さんもみんな韓国ドラマが大好きなので、お会いするたびに、「どこまで見た?」って話をしていて。その時間も私の中ではいいリフレッシュになっています(笑)。

PROFILE

ホラン千秋
●ほらん・ちあき…1988928日生まれ。東京都出身。2017年より『Nスタ』でキャスターを務める。

番組情報

『Nスタ』
TBSほか 毎週(月)~(金) 後349700(※地域により異なる)ほか

●photo/関根和弘 text/倉田モトキ