大好きな女性が、見知らぬおじさんと入れ替わってしまった! そんな衝撃的な展開から巻き起こる予想のつかない恋を描く異色のラブコメディ『あのときキスしておけば』(テレビ朝日系 (金)後11・15ほか)が、2021年4月30日にスタート。主人公のポンコツなスーパーの従業員・桃地を松坂桃李さん、桃地と急接近するも事故で帰らぬ人となってしまう漫画家の巴を麻生久美子さん、巴の魂が乗り移り桃地を戸惑わせる清掃員のマサオを井浦新さんが演じる。お三方にお互いの印象や、この作品ならではの面白さを語ってもらいました!
◆お互いの印象はいかがですか?
松坂:麻生さんとは以前、大河ドラマ(『いだてん〜東京オリムピック噺〜』)でちょっとだけご一緒させていただいて。その時とは役も距離感も全く違うので、新鮮な気持ちで臨めています。新さんとは初めてご一緒させていただくのですが…最初にお会いした時の第一声が衝撃的で。
井浦:「いつでも抱き締めてください」と言いました(笑)。
松坂:それを聞いて、“新さんとなら大丈夫だ”とすごく安心しました(笑)。ちょうどさっきティザー(予告編)撮影があって。新さんのキス顔がすごくキュートなんですよね。
麻生:そう! かわいかった~(笑)。
松坂:こっちがキスを拒むのが難しくなるくらいでした(笑)。
井浦:松坂さんは自分の役の責任を果たす役者さんという印象です。その姿勢は、同業者としてものすごく共感できる。そんな方と一緒に何ができるのか、すごく楽しみです。麻生さんとは共演経験も多いので、安心感があります。ティザー撮影で間近で見つめ合うシーンがあったのですが、あの距離でも固まらないでいられるのは麻生さんだけです(笑)。
麻生:松坂さんは、共通の知人から「すごく穏やかな人」と聞いていたのですが、本当にそのとおりで。仙人みたいな方だなと(笑)。新さんは物静かそうに見えて、内面はすごく燃えている方だなという印象があります。
井浦:よくご存じで(笑)。
麻生:今回演じる巴は、言わば私と新さんで“2人1役”。新さんは巴がオジ巴(巴の魂が乗り移ったマサオ)になった時、元の巴の存在がちゃんと見えるように共通のしぐさとかを作りたいね、という提案もしてくださって。そうやって、一緒にいろいろ考えるのも楽しいです。
◆今作ならではの面白さをどんなところに感じていらっしゃいますか?
松坂:僕と新さんの身長が同じくらいなんです。桃地とオジ巴の恋模様のシーンでその面白味というか、キュートさみたいなものが出ればいいなと。
井浦:気になってさっき松坂さんのプロフィールを調べてみたのですが、ぴったり同じ身長でした(笑)。そんな2人がイチャイチャすると、どんな見え方になるのか。
松坂:ちょっと想像できないですよね(笑)。
井浦:これまで恋模様のシーンで相手と同じ目線になったことがなかったので、新鮮です(笑)。
麻生:私自身は、(役柄的に)コメディ部分は担えないのかなと。でも、オジ巴を演じる新さんのお芝居が本当に面白いので、もっと面白くなるように全力でパスをしたい。それが私の使命だと思っています。
井浦:相当、僕の宿題を増やしてくださいましたよね(笑)。
麻生:ですね(笑)。でも、どうやったらかわいい新さんを引き出せるか、そこは意識して演じていきたいなと。ティザー撮影でキス顔をする新さんを見て、すっごくかわいいと思う一方、やっぱりおかしかったので(笑)。
井浦:この人、何やってるんだろうなって?(笑)
麻生:(笑)。私はそうやって一歩引いた目線で見られる。それこそが、このドラマならではの魅力でもあるんじゃないかなと思います。
井浦:でも確かに、視聴者の皆さんにはある意味、“見たまま”を楽しんでいただく作品になりそうです。僕が個人的に興味深く感じたのは、その楽しさの裏には“人の死”をはらんでいるという部分。この作品の登場人物たちは、悲しくても、魂だけになった巴も含めて、ずっと笑いながら日々を過ごしていく。そういう人たちの姿を純粋に楽しんでいただく作品になるのではないかと思います。
松坂:3人の微妙な関係性に、他のさまざまな登場人物たちも絡んでいきます。それによって何が起こり、物語がどんな着地点に向かっていくのか。それぞれの心の動きを追っていくという見方も面白いのではないかと思います。
◆ドラマのタイトルは、桃地が巴にキスされそうになったのをやんわり拒否してしまったことに由来しているのかと思いますが、お三方は人生の中で何か後悔していることはありますか?
井浦:この場で言えるようなことはありません(笑)。
松坂:ヘビーな内容なんですね(笑)。
麻生:言える範囲で言うと(笑)、今、せっかくこういう職業をさせていただいているので、もっとアレもコレも習っておけば生かせたのかな、というのはあります。例えば私、ダンスがすごく下手なので、小さいころから習っておけば撮影でもう少し体がリズミカルに動いたのかなぁ…とか。
松坂:そう思うこと、結構ありますよね。役によってはスポーツとか楽器とかができるようにならないといけなくて、 “そのハードルさえなければ、もっと作品に集中できるのに!”“(役として)もっと深いところまでいけるのに!”みたいな。
井浦:確かに。特に楽器系はよくある印象です。でも、仕事に生かせなかったとしても、楽器が弾けるのってすごくいいですよね。例えば山に行った時に小さなウクレレ1本持っていれば、ものすごく豊かな時間が過ごせる。弾けない自分をちょっと後悔します。
PROFILE
松坂桃李
●まつざか・とおり…1988年10月17日生まれ。神奈川県出身。A型。ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK総合)にも出演中。
麻生久美子
●あそう・くみこ…1978年6月17日生まれ。千葉県出身。B型。最近の出演作に、ドラマ『MIU404』、映画「散り椿」「翔んで埼玉」などがある。
井浦 新
●いうら・あらた…1974年9月15日生まれ。東京都出身。A型。最近の出演作に、ドラマ『にじいろカルテ』、映画「おもいで写眞」などがある。
番組情報
『あのときキスしておけば』
2021年4月30日スタート テレビ朝日系 (金)後11・15~深0・15ほか
(STAFF&CAST)
脚本:大石静
演出:本橋圭太、日暮謙、YukiSaito
出演:松坂桃李、井浦新、三浦翔平、猫背椿、六角慎司、阿南敦子、MEGUMI、岸本加世子、麻生久美子ほか
(STORY)
『スーパーゆめはな』で青果担当として働く桃地のぞむ(松坂)。何をしても鈍くさく不運な彼は、 運んでいたトマトをうっかりぶちまけても、清掃員の田中マサオ(井浦)には舌打ちされ、手助けもしてもらえない。夢や目標も、まして恋愛願望もあるはずもなく…唯一の楽しみは、大好きな漫画 『SEIKAの空』を読むこと、というなんとも地味すぎる日常を送っていた。
一方、『SEIKAの空』作者・蟹釜ジョーとして執筆活動に励む唯月巴(麻生)。世間の人々 は“蟹釜ジョー”を男性だと思っており、ストーリー展開に悩んだり、ときにSNSでアンチから攻撃を受けたりしながらも、『週刊少年マキシマム』副編集長であり元夫でもある高見沢春斗(三浦)のサポートを受けながら、人気を確固たるものにしていた。
そんなある日、2人はまさかの出逢いを果たす。スーパーのレジでクレーマーに絡まれていた桃地を、華麗なキックで救ったのは、なんと買い物途中だった巴。この出来事を機に、運命の歯車が回り始める――。
以来、巴の正体が気になり、また会える日を心待ちにしてしまう桃地。数日後、偶然にも巴と再会を果たした桃地は、なぜかあれよあれよという間に自宅に招き入れられ、衝撃の事実を告げられる。
――「蟹釜ジョーは男じゃないの。私なの。」
世界一尊敬する大ヒット漫画家を目の前にし、感動のあまり言葉を失う桃地。あまりにも純粋なファン心を買われたのか、突如巴に高額バイトとして雇われることになる。トイレットペーパーを買い出し、風呂を掃除し、食事を作り、電球を変え…時にご褒美として、まだ世に出ていない『SEIKAの空』の原稿を読ませてもらい涙する日々。
セレブすぎる巴の生活に理解が追いつかない桃地だが、徐々にこの“シンデレラボーイ生活”にも慣れ始めたころ…2人の恋は、突然に終わりを告げる――。
なぜ彼女は、おじさんになったのか――。
たとえどんな姿でも、僕はあなたに恋をする。
果たして、桃地と巴の運命は…!?
●photo/田中和子(CAPS) text/海老原誠二 hair&make/花村枝美(MARVEE) styling/佐久間美緒(松竹衣裳) 衣装協力/sugar、R.surfer、ROSSO NERO