◆これまで、さまざまな芸術査定に挑戦されていますが、お互いの技術で、驚いたこと、すごいなと思ったところはどこでしょう?
光宗:辻元さんは丁寧で正確ですよね。正確な上にさらに丁寧さもあって、細部まで見えているし、そこまで追うっていうところが、私は性格的にもできないので…。
辻元:私も、光宗さんに同じことを思っていますよ? 本当に正確で、本当に丁寧で細かくて、どこにも欠点がない。
光宗:お互い褒め合い(笑)。自分と違うところで言うと、色使いがきれい。私はわりとくすんじゃうんですよね。
辻元:それがカッコいいんですよ。個性があって!
光宗:いやいや。どうしても明るい絵が、昔は特に苦手だったし、描きたいとも思っていなかったので…。
辻元:私は逆に色ばかり使い過ぎてしまうんですよね。
光宗:本来、たくさん色を使うと、そういう汚さみたいなのが出てくることもあるんです。ですが、辻元さんの作品は、鮮やかな色をたくさん使っていても統一感を出すことができるんですよね。今回描かれた題材に関しても、黒を使わずに、さまざまな色を使っているのに写実的でなおかつカラフル。実際とはまた違った形で全体がまとまっているっていうのが、色彩感覚のバランスがすごくきれいなんです。
辻元:私は、光宗さんの正確さが素晴らしいと思います。いつも定規を使わずにフリーハンドで直線を描いていて。私はそれができないので、絶対に定規を使ってしまいます。以前描いた、新宿の景色を描く時もビルやビルの窓など一つひとつ定規で描いていきました。
光宗:えー!それが考えられない!
辻元:光宗さんはずば抜けて技術がある方だと思うんです。「その技術欲しい!」と思ってしまうほどです。本当に直線を描くのって、一番難しいと思うので。
光宗:それを言われたら、私も辻元さんみたいな絵を描けって言われたら、描けないですよ。今日見ていてあらためて思ったんですが、皆さんと同じように描けない。
辻元:そうですね。お題との相性もありますよね。黒板アートの時みたいに、生徒さんたちが作品を見てわーって喜んでくれている反応を見られたのは、うれしかったです。Instagramにコメントをもらったりすることはありますが、主に点数をつけている先生の反応しか見られないので。
光宗:うれしい半面、恥ずかしさもあります。特に自分が想像して描いているものだと、本当に自分以上に自分の部分が出てしまうので。なので、『プレバト!!』の出演者の方々とそんなに深い話をするわけじゃないですけど、私は勝手に絵を見て、こういう感じの方なのかなと思ったりします。
辻元:絵に出ますよね。小倉(久寛)さんのあんなに優しさが出ている絵なんて描けないですもん。
光宗:皆さん、どんな絵を描いてるんだろうって、毎回収録が楽しみですもん。
辻元:そう!皆さんの作品が楽しみですよね!
光宗:上手い下手というよりも、どういうのを描くんだろうみたいなのが楽しみです。
辻元:すごく前のめりになって見ています。
光宗:でも自分もそう見られていると思うと、ちょっと嫌ですけど(笑)。それがその絵自体の楽しいところだなって思います。あと、先生に褒められたい!
辻元:そう!先生に褒められたい(笑)。
光宗:野村先生のリアクションが大きくて。
辻元:うれしくなりますよね。
光宗:言葉じゃなくて、見た時のリアクションが毎回うれしいですよね。
辻元:光宗さんの作品は、いつも(眼鏡を上にあげ、紙を水平に持って、近くで見ているしぐさ)こうやって見てますよね。
光宗:あの先生を見て、描いてよかったってなります。
辻元:先生の反応で報われたなと感じています。